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2025年8月20日

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2025年6月石川県の有効求人倍率1.62倍で見直すべき採用戦略の焦点

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最近の雇用失業情勢 令和7年6月分(厚労省)


この記事の概要

2025年6月の石川県における有効求人倍率は1.62倍で、3か月連続の低下となりました。求人数がわずかに減少した一方で求職者数は増加傾向にあり、採用競争の構図が変化しつつあります。企業は現状を正確に把握し、戦略的な採用活動の展開が求められる局面に入っています。


2025年6月に石川労働局が発表した最新の雇用統計によれば、有効求人倍率(季節調整値)は1.62倍で、前月から0.03ポイント低下しました。これで3か月連続の低下となり、雇用情勢が持ち直しつつある一方で、採用側にとってはやや慎重な姿勢が求められる状況にあります。企業が求人を出しても、それに見合った人材とのマッチングが難しい傾向が強まっているとも言えます。

この有効求人倍率の背景として、有効求人数(季節調整値)は27,649人で、前月比1.1%減少。一方、有効求職者数は17,015人となり、前月比0.5%増加しました。つまり、求職者の数がわずかに増加したにもかかわらず、求人数が減少しているという構図です。これは求人を出す企業側の慎重な動きと、求職者側の積極的な就職活動が交錯する中で生じていると考えられます。

注目すべきは新規求人倍率(季節調整値)で、こちらは2.65倍と前月から0.07ポイント上昇しており、2か月ぶりに上昇に転じました。企業が新たな人材を求める動きは依然として活発であることを示しており、求人市場が完全に冷え込んでいるわけではないことが分かります。この動きは、特定の産業や地域において求人ニーズが根強く存在することを物語っています。

さらに正社員の有効求人倍率(原数値)は1.43倍で、前年同月比で0.28ポイントの上昇を記録しています。これは正社員志向の高まりに応える企業の動きが活発化している証左であり、雇用の質の向上を重視する姿勢が見て取れます。また、新規求人(原数値)も前年同月比で5.9%増加しており、雇用市場の活性化が図られていると評価できます。

産業別に見ると、増加が顕著だったのは製造業(前年同月比16.7%増)、情報通信業(124.1%増)、運輸業・郵便業(16.9%増)、卸売業・小売業(5.5%増)、教育・学習支援業(60.9%増)、医療・福祉(8.9%増)などです。一方、建設業(12.7%減)、宿泊業・飲食サービス業(5.0%減)、サービス業(5.1%減)では減少が見られました。これらのデータは、採用ニーズが業種ごとに大きく異なっていることを示しています。

企業の採用担当者として、このような雇用情勢の変化を正しく読み取り、戦略的な対応を講じることが求められます。たとえば、求人倍率が低下傾向にあるからといって消極的になるのではなく、自社の採用ブランドを強化する絶好の機会と捉えるべきです。求職者数が増加している今こそ、的確な情報発信を通じて自社の魅力を明確に伝えることが大切です。待遇面のみならず、働きやすさやキャリア支援体制、企業のビジョンなど、求職者が共感しやすいポイントを強調することで、応募数や質の向上が見込めます。

また、地方都市である石川県においては、若年層の県外流出という課題も依然として根強く存在しています。採用活動においては、地元出身者のUターンやIターンを促進する取り組みが重要です。インターンシップの導入や県外大学との連携、SNSを活用した情報発信など、さまざまなアプローチを組み合わせて、幅広い層に対して働きかけを行うことが効果的です。

特に中小企業においては、大手企業と比べて待遇や知名度で劣る場合もありますが、その分、柔軟な働き方や職場の人間関係の良さなど、他にはない魅力をアピールできる余地があります。採用の競争力を高めるためには、自社の強みを徹底的に分析し、それをどう伝えるかという「情報設計力」が問われています。

さらに今後の課題として、採用活動の「早期化」や「通年化」にも目を向ける必要があります。従来の採用スケジュールにとらわれることなく、年間を通じて優秀な人材にアプローチする体制を整えることで、人材獲得の可能性を最大化することができます。これは特に専門性の高い職種や経験者採用において効果が大きく、柔軟な人事戦略の一環として取り入れるべきです。

結論として、2025年6月の石川県の雇用統計は、企業にとって採用活動を見直す契機となる重要なデータであり、単なる指標としてではなく、採用戦略の方向性を定める指針として活用すべきです。今後も雇用情勢は流動的であることを踏まえ、情報収集と分析、そして柔軟な対応力が企業の持続的な成長を支える鍵となるでしょう。

この記事の要点

  • 2025年6月の石川県の有効求人倍率は1.62倍で3か月連続の低下
  • 有効求人数は減少、求職者数は増加しておりマッチングの難化が予想される
  • 新規求人倍率は2.65倍に上昇し、求人の意欲は依然高い
  • 正社員求人の倍率は1.43倍、前年同月比で大幅に上昇
  • 業種による採用ニーズの差が顕著で、業界別戦略の立案が求められる
  • 地域特性を考慮した情報発信と柔軟な採用体制の構築が必要

⇒ 詳しくは石川労働局のWEBサイトへ

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