2025年6月29日
労務・人事ニュース
40・50代男性の半数以上が生活に不満と回答、企業に求められる職場環境の再考
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「夜勤なし」/正看護師/オンコールなし
最終更新: 2025年6月28日 23:04
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「駅チカ」/正看護師/内科/放射線科/循環器内科/クリニック
最終更新: 2025年6月28日 23:04
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「夜勤なし」/正看護師/デイサービス/オンコールなし
最終更新: 2025年6月28日 23:04
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「駅チカ」/准看護師/病院/夜勤なし
最終更新: 2025年6月28日 23:04
社会保障に関する意識調査2025(連合)
2025年2月28日から3月7日にかけて、日本労働組合総連合会が全国の働く15歳以上の男女1,000人を対象に行った「社会保障に関する意識調査2025」の結果は、現代社会における生活不安と社会保障への期待が交錯する複雑な実態を明らかにしました。調査からは、特に40代・50代男性の間で生活への不満が強く、非正規雇用者の不安が顕著であることが浮き彫りになりました。生活満足度に関しては、全体の59.7%が満足と回答する一方で、不満を感じている人も40.3%にのぼり、40代男性では50.5%、50代男性では52.7%が不満と回答しました。特に非正規雇用の人においては不満率が44.8%と、正規雇用(38.0%)よりも高くなっている点が注目されます。
また、将来への不安については、全体の66.7%が何らかの不安を抱えていると回答し、60代以上の女性ではその割合が75.0%に達しました。不安の要因として最も多かったのは「老後の生活」で57.3%、次いで「預貯金など資産の状況」が51.6%となっており、経済的基盤の脆弱さに対する不安が広く共有されています。性別・世代別では、50代女性の82.8%、60代以上女性の87.0%が老後の生活に不安を抱えており、将来に対する心配が非常に高い水準にあります。男性でも、30代男性では67.2%が預貯金への不安を感じているという結果でした。
理想とする社会の姿に関する設問では、「緩やかな成長でも格差の小さい社会」を選ぶ人が62.3%と多数を占め、「格差はあっても力強く成長する社会」よりも公平性を重視する傾向が見られました。また、「税金や保険料の負担は大きいが社会保障が充実している社会」が52.6%と、「自己責任型社会」よりも多く支持を集めました。これにより、多くの人が一定の負担を受け入れてでも、安心できる社会保障体制を求めていることが分かります。60代以上女性の81.5%が「格差の小さい社会」を理想とするなど、年齢が上がるほど安定と平等を重視する姿勢が強まる傾向も明らかになっています。
医療に関しては、「患者自己負担や健康保険料の負担は今後どうなるのか」が44.9%と最も高く、次いで「現行の医療保険制度の維持」が39.9%、「高額な医療を受けられるか」が37.5%でした。高齢になるほど不安の割合が高まり、60代以上では54.9%が自己負担の増加を懸念していました。医療制度に対する将来的な不安が、生活設計にも大きく影響していることがうかがえます。一方で、改善策としては「費用負担の軽減に向けた医療保険制度の見直し」が47.2%と最も多く、60代以上では62.0%に達していました。10代や20代では「地域医療の確保に向けた医師偏在対策」が上位に挙がるなど、世代によって優先事項が異なる傾向が見て取れます。
介護制度への関心も高く、「利用者自己負担や介護保険料の負担」が43.8%と最も多く挙げられました。特に40代女性では「家族の介護と仕事の両立」が45.2%と高く、働き盛りの世代が介護と仕事の両立に悩む実情が反映されています。改善が求められる点では、「費用負担の軽減に向けた介護保険制度の見直し」(41.1%)が最多で、10代女性や40代女性では「仕事と家族の介護を両立できるサービスの拡充」が支持を集めています。また、30代男性では「介護ロボットやICTの活用促進」が37.6%と最も高く、テクノロジーへの期待がうかがえます。
子育て支援に関する課題では、「いじめや不登校などへの支援が不明」との声が37.1%と最多で、「子どもに寄り添った支援になっているか疑問」が36.5%と続きました。子どもが1人いる家庭では「教育費への支援が少ない」との回答が46.2%、3人以上の家庭では「子どもに寄り添った支援に疑問」が50.0%となり、支援の公平性や対象の限定に対する不満が読み取れます。今後必要とされる支援としては、「経済的支援の強化」が37.9%でトップ、次いで「保育士の処遇改善」34.4%、「ワンストップ相談機関の設置」29.8%が挙げられました。特に3人以上の子どもがいる家庭では、「経済的支援の強化」と「保育士の処遇改善」が40%を超えており、子育て世代の多様なニーズに応える支援の必要性が高まっています。
年金制度に関しても、将来の受給額や制度の持続性への不安が大きく、「老齢年金受給額の見通し」が最多で、「制度の長期的な持続性」が続きました。今後必要とされる施策としては、「制度のわかりやすさと情報提供」が求められており、特に若年層では「第3号被保険者制度の見直し」が重視されています。多様な働き方が進む中で、公平な制度設計への期待が強まっています。
こうした結果を受け、日本労働組合総連合会では、誰もが安心して暮らし続けられる社会の実現に向けて、医療・介護・子育て・年金を含む社会保障制度の強化と持続可能性の確保を目指す取り組みを進めています。社会保障の機能強化だけでなく、働く意欲を支える環境づくりや情報提供の充実、税や保険料の納得感の向上など、多方面からの政策的アプローチが必要不可欠です。特に企業の人事・採用担当者にとっては、これらの社会背景を踏まえた従業員支援制度の設計や、ワーク・ライフ・バランスへの配慮が求められる時代となってきています。
⇒ 詳しくは日本労働組合総連合会のWEBサイトへ