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2025年7月23日

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60代のスマホ利用率が約80%に到達、生成AI利用者は20代で45%超え―令和7年情報通信白書が示すデジタル社会の深化

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令和7年「情報通信に関する現状報告」 (令和7年版情報通信白書)の公表(総務省)

令和7年7月に総務省が発表した「令和7年版情報通信白書」は、デジタル社会の進展とその影響、そして日本の情報通信政策の最新動向について詳細にまとめた報告書です。今回で第53回目の公表となったこの白書では、特集として「広がりゆく『社会基盤』としてのデジタル」が取り上げられ、スマートフォンやクラウド、SNS、さらには生成AIの発展が社会や経済にどのように浸透しているのかが多角的に分析されています。とりわけ企業活動や個人の生活において、デジタル技術が必要不可欠な存在となっていることが強調されています。

この白書によると、日本国内におけるスマートフォンの普及は著しく、特に60代においても約8割がネット接続端末としてスマートフォンを使用しているという事実があります。また、YouTubeの利用率は全体で約9割に達し、60代でも7割が視聴していると報告されています。SNSでは、X(旧Twitter)の利用率が全体でおよそ半数となっており、ニュース収集手段としてもインターネットがテレビや新聞をしのぐ情報源として定着しつつあることが読み取れます。特に50代以下の世代では、インターネットが「もっとも欠かせない情報源」であるとされ、YouTubeも全世代でニュース源として約3割が利用しています。

一方で、情報の信頼性という観点から見ると、インターネットの信頼度はテレビや新聞と比較して依然として低く、全世代を通じて27.0%にとどまっている点も見逃せません。これに関連して、偽情報や誤情報の拡散防止、ICTリテラシーの向上が今後の重要課題として挙げられています。

また、近年注目を集めている生成AIに関する動向も白書の重要な柱のひとつです。2024年度時点で、生成AIの利用経験がある日本人の割合は約27%に達し、前年の調査結果から約3倍に増加したことが明らかになっています。特に20代では、利用経験者の割合が約45%と最も高く、若年層を中心に生成AIが急速に生活や業務に浸透していることが伺えます。企業の活用方針についても、生成AIを「積極的に活用する方針である」とする企業は全体の約50%に増加し、なかでも大企業に限ると約56%に上っています。一方で中小企業では約34%にとどまり、企業規模による温度差が依然として存在しています。

国際的な視点から見ると、AI技術開発において日本は後塵を拝しているとの評価が示されています。2023年の「AI活力ランキング」では、日本の順位は他の先進国と比べて低く、研究開発の強化が求められていることが浮き彫りとなっています。それでも国内では、産総研や富士通、サイバーエージェント、Preferred Networksなどが日本語特化型の大規模言語モデル(LLM)を独自に開発するなど、着実な前進も見られています。たとえば、サイバーエージェントの開発した「CyberAgent LM3-22B-Chat」は、Meta社のモデルと同等の日本語処理能力を有しているとされています。

さらに、デジタル技術の発展は日本の社会課題の解決にも大きな期待が寄せられています。防災・減災や医療格差、少子高齢化による労働力不足といった課題に対し、デジタル技術の活用が重要な役割を果たすと位置付けられています。実際に、調査では62.1%が「自然災害への備え」を最優先課題として認識し、60.8%が「医療従事者不足への対応」、60.4%が「労働力不足への対策」を挙げています。

また、海外のプラットフォーム企業が日本のデジタル市場で大きな存在感を示している現状も明確に示されています。GoogleやAmazon、Metaといった企業の売上高は年々増加しており、国内企業のデジタル関連サービスや財における国際競争力が問われる状況です。2024年には、ICT財の輸出入差額は▲3.4兆円に達し、2018年の▲1.3兆円と比較して赤字幅が拡大していることからも、日本企業の競争力強化が急務であることが示されています。

さらに、サイバーセキュリティの脅威も重要な課題の一つです。特に2024年のインターネットトラフィックは、移動通信で38.9Tbps(前年比12.7%増)、固定系で8.1Tbps(前年比15.6%増)と急増しており、これに対応したインフラの強化やセキュリティ対策が求められています。災害や地政学リスクが増す中、情報の安定供給と安全性の確保は、もはや企業だけでなく国全体の持続的成長の鍵となっています。

最後に、デジタル基盤の安定性と自律性の確保も今後の政策の柱として据えられています。AIの進展やクラウド活用の拡大によって通信や電力の需要が飛躍的に増加することが見込まれており、エネルギー効率の向上や災害リスクへの備えを含むインフラ整備が喫緊の課題とされています。総務省は、こうした課題に対応すべく、多角的かつ具体的なICT政策を進めるとともに、国際連携を含む官民一体の取組強化を図る構えです。

このように、令和7年版情報通信白書は、デジタル技術の社会への定着とそれがもたらす影響、そして日本のデジタル戦略の今後を展望する上で極めて重要な資料となっています。企業の採用担当者にとっても、デジタルリテラシーやAI活用能力、セキュリティ意識の高い人材の確保が、今後ますます重要になることは間違いありません。

⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ

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