2025年3月16日
労務・人事ニュース
令和5年度の農薬事故発生件数は46件!誤飲・飛散防止の徹底が求められる
- 「駅チカ」/正看護師/美容クリニック/ブランクのある方も歓迎
最終更新: 2025年4月30日 22:32
- 「高給与」/正看護師/訪問看護/夜勤なし
最終更新: 2025年4月30日 22:32
- 介護職員/ケアマネージャー/特別養護老人ホーム/デイサービス/日勤のみ
最終更新: 2025年5月1日 03:01
- 「土日祝休み」/正看護師/ブランクのある方も歓迎
最終更新: 2025年4月30日 22:32
令和5年度農薬の使用に伴う事故及び被害の発生状況について(農水省)
令和7年2月28日、農林水産省は令和5年度に発生した農薬の使用に伴う事故および被害の発生状況について調査結果を公表した。本調査は、農薬の安全かつ適正な使用を推進し、事故の再発防止を目的として毎年実施されているものであり、農薬による人体への中毒事故や農作物・家畜・魚類への影響を把握し、必要な対策を講じるための重要な指標となる。
調査の対象期間は令和5年4月から令和6年3月までであり、全国の都道府県に情報提供を依頼して取りまとめられた。その結果、令和5年度に発生した農薬による事故は合計46件で、その内訳は人に対する事故が20件、農作物への被害が24件、家畜への被害が1件、魚類への影響が1件となっている。
人に対する事故の発生原因として最も多かったのは、農薬の誤飲であった。これは農薬の適切な保管や管理が徹底されておらず、誤って飲料品の空容器に移し替えられたケースなどが挙げられる。また、土壌くん蒸剤(クロルピクリン剤)を使用した際に適切な被覆処理を行わなかったことによる中毒事故や、農薬散布時に防護装備が不十分だったことが原因とされる事例も報告されている。これらの事故は、適切な取り扱いや防護策を講じることで防ぐことが可能であり、今後の指導強化が求められる。
農作物への被害に関しては、農薬の飛散防止対策が不十分であったことによる被害が多数報告された。特に、土壌くん蒸剤(クロルピクリン剤)の使用時に被覆を行わなかった、または何らかの理由で漏洩したことによる影響が指摘されている。農薬の適切な散布方法を遵守し、飛散防止対策を強化することが今後の課題となる。
また、魚類への被害については、農薬が水路や河川に流出したことで発生した事例が報告された。このようなケースは、農薬の適正な使用と環境管理が密接に関連していることを示しており、水質保全の観点からも適切な管理が不可欠である。家畜への影響についても1件報告されているが、農薬の使用との直接的な因果関係は明確になっていない。
これらの事故および被害を防ぐために、農林水産省は以下のような対策を徹底する方針を示している。まず、農薬は施錠された場所に保管し、誤飲を防ぐために飲料品の空容器に移し替えないことが重要である。また、土壌くん蒸剤を使用する際には、適切な材質と厚さの資材を用いて完全に被覆することが求められる。さらに、農薬散布時には風向きを考慮し、強風時の散布を避けるとともに、飛散低減ノズルを使用するなどの対策を講じることが推奨される。
防護策としては、農薬調製や散布を行う際に農薬用マスクや保護メガネを着用し、適切な防護装備を使用することが求められる。加えて、農薬の残渣や不要になった農薬については、適正な処理方法を遵守し、廃棄物処理業者に依頼するなどの対応を行うことが必要である。
農林水産省は、本調査結果を都道府県に通知し、農家に対する指導を一層強化する方針を示した。また、農薬使用に伴う事故および被害の防止を目的とした「農薬危害防止運動」などの啓発活動を推進し、農薬の適正使用をより一層徹底していく考えである。令和6年度以降も引き続き同様の調査を実施し、再発防止策の徹底を図る。
この調査結果は、農業関係者にとってだけでなく、食品業界や環境保全に関心を持つ企業にとっても重要な示唆を与えるものとなる。特に、農業分野における安全管理体制の強化が求められており、農薬の適正使用に関する知識を持つ人材の確保が今後の課題となる。また、環境保護の観点から、農薬の適正管理に関わる新たな技術や設備の導入が進められると予想され、関連分野の技術者や専門家の需要が高まる可能性がある。
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ