2025年4月3日
労務・人事ニュース
環境負荷低減の新時代!メタノール燃料で大型タンカーのCO2排出削減へ
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令和6年度海事分野における脱炭素化促進事業 (うちメタノール燃料システム等の導入支援事業)の公募採択について(国交省)
令和6年度、国土交通省と環境省が共同で推進する「海事分野における脱炭素化促進事業」の一環として、メタノール燃料システムの導入を支援する公募が実施された。この事業は、船舶業界におけるCO2排出削減を加速させるために、メタノール燃料を活用した航行技術の普及を目的としている。今回、学識経験者などで構成される審査委員会の審査を経て、2件の事業が採択されたことが発表された。
本事業では、メタノール燃料エンジンや燃料タンクといった必要な装置に加え、省エネルギー機器を組み合わせることで、船舶の環境負荷を大幅に低減させることを目指している。導入に必要な経費の一部は国から支援され、補助率は1/2または1/4の範囲内とされている。この支援により、船舶業界の脱炭素化を促進し、温室効果ガス排出削減の実現を後押しする考えだ。
今回の公募は令和6年10月24日から11月13日までの期間で実施され、応募された事業の中から2件が採択された。具体的には、「国華産業株式会社」と「飯野海運株式会社」によるプロジェクトが選ばれた。それぞれの事業は、異なるタイプの船舶に対してメタノール燃料を活用するものであり、CO2排出削減に大きく貢献することが期待されている。
国華産業株式会社の事業は、内航船を対象とし、メタノール燃料を使用した主機関を導入するものだ。さらに、旋回性能を向上させる「フラップ舵」や、プロペラ推力の損失を抑える「舵バルブ」および「半球型プロペラキャップ」などを採用することで、航行効率を高めるとともにCO2排出量を削減する。内航船は国内の輸送を担う重要な船舶であり、ここでの環境対策が実現すれば、業界全体にとって大きな前進となる。
一方、飯野海運株式会社の事業は、大型タンカーを対象としており、メタノール二元燃料焚きエンジンの導入を進める。さらに、「フィン付き舵バルブ」を用いてプロペラの推力損失を回収し、「船尾ダクト&船尾フィン」を採用することで、船尾で発生する渦流を整流し船体抵抗を低減させる。また、「捻り舵」を活用して舵抗力を最適化することで、より効率的な航行を可能にし、結果としてCO2排出削減に寄与する。大型タンカーは世界の海上輸送において大きな役割を果たしているため、ここでの技術革新が業界に与える影響は計り知れない。
これらの技術は、今後の船舶業界における脱炭素化のモデルケースとなる可能性がある。メタノール燃料は、従来の化石燃料に比べてCO2排出量が少なく、硫黄酸化物(SOx)の排出がほぼゼロであることが特徴だ。また、メタノールは液体燃料であるため、現在の燃料供給インフラを一部活用できる点もメリットとなる。こうした背景から、メタノールを活用した船舶の開発は、国際的にも注目されている。
今回の事業が成功すれば、日本国内の海運業における脱炭素化が加速するだけでなく、国際的な競争力の向上にもつながる可能性がある。世界的に環境規制が強化される中、CO2排出を大幅に削減できる技術は、今後の船舶業界にとって不可欠な要素となる。加えて、メタノール燃料を活用することで、持続可能な海運システムの構築が進むことが期待される。
国土交通省と環境省は、今回の取り組みを通じて、今後もさらなる技術開発や実証実験を支援していく方針を示している。今後の展開次第では、より多くの船舶でメタノール燃料が導入されることになり、海運業界全体の環境負荷低減につながるだろう。
今回の事業採択は、船舶業界における脱炭素化への大きな一歩となる。環境対策が求められる中で、新たな技術導入が進むことで、業界全体の動向が変化していくことは間違いない。今後の展開にも注目が集まる。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ