2025年4月2日
労務・人事ニュース
令和6年の新卒者賃金データ!大学院卒の平均賃金は28万円超、高卒との差は9万円以上(令和6年賃金構造基本統計調査)
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最終更新: 2025年5月1日 22:32
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令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況 新規学卒者(厚労省)
厚生労働省が発表した「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、新規学卒者の賃金は学歴によって大きな差があり、特に大学院卒業者と高校卒業者の間では顕著な賃金格差が見られる。調査結果によると、新規学卒者の平均賃金は高校卒業者が19万7,500円、専門学校卒業者が22万2,800円、高専・短大卒業者が22万3,900円、大学卒業者が24万8,300円、大学院卒業者が28万7,400円となっている。これは、学歴が高いほど初任給が高くなる傾向を示しており、特に大学院卒業者の賃金は高校卒業者の1.45倍となっている。
男女別にみると、男性の新規学卒者の平均賃金は高校卒業者が20万500円、専門学校卒業者が21万9,300円、高専・短大卒業者が23万1,000円、大学卒業者が25万1,300円、大学院卒業者が29万200円となっており、学歴が上がるごとに賃金も上昇している。一方、女性の新規学卒者の賃金は、高校卒業者が19万1,700円、専門学校卒業者が22万4,800円、高専・短大卒業者が22万1,100円、大学卒業者が24万4,900円、大学院卒業者が27万8,100円となっており、男性と比較すると全体的に低い水準であることが分かる。
対前年増減率を見ると、全体的に賃金は上昇傾向にある。高校卒業者は前年比5.7%増、専門学校卒業者は3.9%増、高専・短大卒業者は4.3%増、大学卒業者は4.6%増、大学院卒業者は4.1%増となっており、高校卒業者の賃金が最も大きく伸びている。これは、近年の労働市場において、高卒採用者の確保が難しくなっていることが影響している可能性がある。特に、製造業や建設業などでは、即戦力として活躍できる高卒人材の需要が高まっており、企業が賃金を引き上げて人材確保を進めている。
また、男女別の賃金増減率を見ると、男性の大学院卒業者の賃金増加率は2.5%と低い一方で、女性の大学院卒業者は6.6%と高い伸びを示している。これは、女性の高学歴者の採用が進み、特に技術職や研究職における女性の需要が高まっていることを反映している可能性がある。一方で、男性の高校卒業者の賃金増加率は6.1%と、すべての学歴の中で最も高くなっており、高卒男性の労働市場における価値が上昇していることが示唆される。
このような賃金動向を踏まえると、企業の採用戦略にも変化が求められる。特に、新卒採用市場においては、高卒人材の確保が難しくなっているため、企業は賃金の引き上げだけでなく、職場環境の改善や教育研修の充実など、待遇面の強化を進める必要がある。また、大学卒業者以上の学歴を持つ新卒者についても、企業間の競争が激化しており、優秀な人材を確保するためには、給与だけでなく、キャリアパスの明確化や柔軟な働き方の導入が重要となる。
さらに、企業が新卒者の賃金を設定する際には、業界ごとの動向も考慮する必要がある。例えば、IT業界や医薬品業界などの専門性が高い分野では、大学院卒業者の採用が増加しており、賃金水準も比較的高い。一方、サービス業や小売業などでは、高卒や専門学校卒業者の採用が多く、賃金水準は比較的低めに設定される傾向がある。そのため、企業は自社の業界特性を踏まえた上で、適切な賃金水準を設定し、競争力を維持することが求められる。
また、男女間の賃金格差についても、今後の課題として取り組む必要がある。特に、女性の大学院卒業者の賃金は伸びているものの、依然として男性と比較すると低い水準にとどまっている。これを解消するためには、女性の管理職登用を積極的に進めるとともに、成果に応じた公平な評価制度を導入することが重要である。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ