2025年4月1日
労務・人事ニュース
令和6年の賃金動向、前年比3.8%増で33年ぶりの高水準!企業が取るべき採用戦略とは?(令和6年賃金構造基本統計調査)
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最終更新: 2025年5月1日 22:32
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令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況(厚労省)
厚生労働省が公表した「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、日本全国の一般労働者および短時間労働者の賃金は前年と比較して大幅に増加したことが明らかになりました。今回の調査は、全国の主要産業に従事する労働者の賃金の実態を詳細に把握する目的で実施され、雇用形態や職種、性別、年齢、学歴、勤続年数、経験年数など、多角的な要素を基に分析されています。全国および都道府県別の賃金データは、78,679事業所から抽出され、そのうち有効回答を得た58,375事業所に基づいて集計されました。特に、10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所(50,682事業所)に焦点を当てたデータが公表され、企業の人事戦略や賃金制度の見直しに役立つ貴重な情報となっています。
一般労働者(短時間労働者を除く常用労働者)の月額賃金は、男女計で33万400円となり、前年比3.8%増という大幅な上昇を記録しました。男性の平均賃金は36万3,100円(前年比3.5%増)、女性は27万5,300円(前年比4.8%増)となり、男女ともに高い伸び率を示しました。この賃金の伸び率は、平成3年以来33年ぶりの高水準であり、特に女性の賃金が大きく増加した点が注目されています。さらに、男女間の賃金格差も縮小し、男性の賃金を100とした場合の女性の賃金水準は75.8と、前年より1.0ポイント改善されました。これは昭和51年以降で最も格差が縮小した数値であり、男女平等の推進に向けた前向きな傾向といえます。
短時間労働者の賃金についても、1時間当たりの平均賃金は1,476円と前年から4.5%増加しました。男性の時間給は1,699円(前年比2.5%増)、女性は1,387円(前年比5.7%増)となっており、こちらも女性の賃金が相対的に大きく上昇しています。短時間労働者の平均年齢は45.9歳、勤続年数は6.5年と、長年にわたり働き続ける労働者が多いことが特徴です。賃金の増加が続く中で、特に女性の待遇改善が進んでいる点は、企業の人事担当者にとって重要なポイントとなります。
このような賃金の上昇傾向の背景には、いくつかの要因が考えられます。まず、日本全体で進む人手不足が賃金の上昇を後押ししている点が挙げられます。多くの業界では労働力の確保が課題となっており、特に経験豊富な労働者を確保するために賃金の引き上げが求められています。加えて、政府が推進する最低賃金の引き上げ政策も影響を与えていると考えられます。最低賃金の上昇は、特に低賃金層の労働者にとって大きな影響を及ぼし、結果として賃金水準全体の底上げにつながっています。
また、企業の間でも、優秀な人材を確保するために賃金や待遇の見直しが進んでいます。特に、長期的なキャリア形成を支援するために、賃金制度を改善する動きが見られます。例えば、従業員のスキル向上を支援する研修制度の拡充や、成果に応じたインセンティブの導入など、多様な取り組みが進んでいます。これにより、従業員のモチベーション向上と企業の競争力強化が図られています。
一方で、賃金の上昇が続く中で、企業にとってはコスト増加の課題も浮上しています。特に中小企業では、賃金引き上げの影響を受ける割合が高く、経営の負担が増す可能性があります。そのため、人件費の増加を補うために、生産性の向上や業務の効率化が求められています。デジタル技術の活用や業務の自動化など、新しい働き方への対応が今後の企業経営において重要なテーマとなるでしょう。
今回の調査結果は、企業の採用戦略や人事制度の見直しにおいて非常に参考になるデータです。賃金の上昇傾向が続く中で、企業は競争力を維持するために、柔軟な給与体系の導入や、福利厚生の充実を図る必要があります。特に、女性の賃金水準が向上していることを踏まえ、女性が活躍しやすい職場環境の整備が求められています。テレワークの推進や育児支援制度の拡充など、働きやすい環境を整えることが、優秀な人材の確保につながるでしょう。
今後の労働市場の動向を踏まえると、企業はより一層、労働者の多様なニーズに対応する必要があります。賃金の上昇だけでなく、働き方改革やスキルアップ支援など、包括的な施策を打ち出すことが求められています。こうした取り組みを通じて、企業が持続的な成長を遂げるための戦略を構築することが、今後の競争力向上につながると考えられます。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ