2025年3月31日
労務・人事ニュース
羽田空港事故を教訓に滑走路安全対策強化!航空法改正で新基準導入
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「航空法等の一部を改正する法律案」を閣議決定 ~航空の安全の確保と被災した空港の早期復旧に向けて~(国交省)
2025年3月14日、「航空法等の一部を改正する法律案」を閣議決定した。この改正案は、昨年1月に発生した羽田空港の航空機衝突事故や能登半島地震による能登空港の被災を踏まえ、航空の安全性を高めるとともに、自然災害などによって被災した空港の早期復旧を可能にすることを目的としている。
今回の法改正は、航空機の安全運航を確保し、重大な事故を防ぐための措置を講じることに重点を置いている。特に、羽田空港で発生した航空機衝突事故では、滑走路誤進入が原因の一つとして指摘された。この事故を受け、空港における滑走路の安全管理を強化する必要性が浮き彫りとなり、新たな基準の導入が求められるようになった。
また、能登半島地震では、空港管理者が地方自治体である場合、被災時の復旧作業が迅速に行えないという課題が明らかになった。地方自治体は通常、限られた人員や財源の中で空港管理を行っており、突発的な災害が発生した際には十分な対応ができないことがある。そこで、国が被災した空港の復旧工事を代行できるようにする新たな制度を導入し、迅速な復旧を可能にすることが本法案の重要な柱となっている。
この改正案では、まず滑走路誤進入防止策の強化が盛り込まれている。具体的には、空港設置者が遵守すべき基準として「滑走路誤進入防止措置に関する事項」を新たに追加し、空港内での航空機や車両の誤進入を防止するための安全対策を義務付ける。この措置により、空港の運営者は滑走路の視認性向上や標識の改良、進入時の警告システムの導入など、より効果的な誤進入防止策を講じる必要がある。
次に、パイロットのヒューマンエラーを未然に防ぐための取り組みとして、頻繁に離着陸が行われる空港を利用するパイロットに対し、CRM(Crew Resource Management)訓練の修了を義務付けることが盛り込まれた。CRM訓練は、航空機の運航において不可欠なコミュニケーション能力やタスク管理能力を向上させるための教育プログラムであり、航空会社ではすでに導入されているが、法的義務として規定されるのは今回が初めてとなる。これにより、パイロット間の情報共有がより円滑に行われ、離着陸時の判断ミスを減らすことが期待される。
さらに、地方管理空港等における災害復旧の迅速化を図るため、国が空港管理者に代わって工事を実施できる「工事代行・権限代行制度」を創設する。この制度により、地震や台風などの自然災害で被災した空港について、地方自治体の負担を軽減しながら迅速な復旧を実現することが可能となる。また、高度な技術を要する滑走路の大規模改修工事についても、国が地方空港管理者に代わって実施できるようになり、地方空港の安全性向上に大きく寄与することが期待される。
今回の法改正によって、航空の安全性が一層強化され、国内の空港インフラの維持管理がより円滑に進められるようになる。羽田空港の航空機衝突事故のような重大事故の再発防止策が法的に整備されることで、航空業界全体の安全意識が向上し、利用者にとってもより安心できる環境が整うことが期待される。また、自然災害による空港機能の停止が長引くことなく、迅速な復旧が可能になることで、災害時の対応力が強化され、交通インフラの安定性が向上する。
今後、政府は本改正案の成立を目指し、国会での審議を進めるとともに、具体的な運用方法について関係機関と連携しながら調整を進めていく予定である。特に、滑走路誤進入防止策の実効性を高めるため、技術的なガイドラインの策定や設備改修に向けた支援を強化する方針が示されている。また、CRM訓練の義務化についても、パイロット養成課程でのカリキュラム強化や航空会社による教育体制の整備を進めることが求められる。
航空業界において安全対策の強化は常に最優先課題であり、特に近年、国内外で発生した航空事故を受けて、より厳格な安全管理が求められている。今回の法改正は、こうした流れを受けたものであり、今後の航空政策の方向性を示す重要な一歩となるだろう。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ