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「医療機器等における情報化進捗状況調査」の結果公表（厚労省）

令和7年3月13日、厚生労働省は「医療機器等における情報化進捗状況調査」の結果を公表した。この調査は、医療機器や体外診断用医薬品のバーコード表示の進捗状況を把握する目的で実施され、日本医療機器産業連合会の協力のもとで実施されたものである。本調査は令和5年9月末時点のデータを基に集計されており、医療機器のトレーサビリティ向上や誤使用防止、流通の効率化を目的としている。

近年、医療現場ではバーコードによる医療機器の管理が重要視されており、令和元年12月に改正された医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律（薬機法）により、令和4年12月1日から医療機器や体外診断用医薬品の販売包装単位へのバーコード表示が義務化された。これに伴い、厚生労働省は「医療機器、体外診断用医薬品等を特定するための符号の容器への表示等に関する実施要項」を通知し、個装単位や販売包装単位、元梱包装単位へのバーコード表示の取り扱いを明確にした。

今回の調査では、日本医療機器産業連合会および加盟団体を通じて医療機器等製造販売業者に調査票を送付し、501社を対象に調査を実施した。そのうち438社が有効回答を提出し、回収率は87.4%に達した。前回調査（令和4年9月末時点）では638社を対象に実施され、420社からの回答があり、回収率は65.8%だった。調査結果を詳細に見ると、医療機器全体のJANコード取得割合は99.9%と非常に高く、バーコード表示の普及が進んでいることが分かった。

バーコード表示割合の項目別では、販売包装単位で99%、個装（最小包装）単位で93%という結果が出ており、個装単位でのバーコード表示がやや遅れていることが確認された。消耗材料に関しては、販売包装単位で89.4%の表示率となっており、前回調査の90.5%と比べて若干の減少が見られた。一方で、体外診断用医薬品の販売包装単位のバーコード表示割合は99.7%と、ほぼ100%の水準を維持している。

医療機器の種類別に見ると、特定保険医療材料の販売包装単位のバーコード表示率は99.1%、個装単位は99.5%と、前回調査とほぼ同水準を維持している。高度管理医療機器の販売包装単位では97.9%、個装単位では92.3%の表示率となり、個装単位での表示率が若干低いことが分かった。特定保守管理医療機器の販売包装単位では97.9%、個装単位では92.3%の表示率となり、前回調査と比較して個装単位の表示率が減少している。一方、設置管理医療機器では本体直接表示の割合が55.5%となり、前回の35.6%から大幅に増加した。

体外診断用医薬品については、販売包装単位のバーコード表示率が99.7%、個装単位が99.1%と、高い水準を維持している。しかし、データベース登録割合は76.1%にとどまり、前回調査の82.0%から低下している点が課題として指摘されている。

医療機器のバーコード表示は、医療現場における正確な管理や流通の効率化に貢献するとされている。特に、医療機関で使用される医療機器の誤使用を防ぎ、トレーサビリティの確保を強化するために、バーコード表示の普及は極めて重要である。今回の調査では、販売包装単位におけるバーコード表示がほぼ100%に達している一方で、個装単位での表示率が若干低く、引き続き対応が求められる状況であることが確認された。

また、データベース登録割合に関しては、一部の医療機器や消耗材料で前回より低下しており、情報の一元管理が課題となっている。医療機関や関連企業においては、バーコード表示の徹底とともに、データベース登録の促進が求められる。

今回の調査結果を踏まえ、今後の取り組みとして、個装単位でのバーコード表示の普及促進や、データベース登録の強化が重要な課題として挙げられる。特に、特定保守管理医療機器や高度管理医療機器においては、トレーサビリティの向上を図るために、バーコード表示の徹底が求められる。

医療機関においても、医療機器の管理においてバーコードの活用をさらに進めることが重要である。バーコードによる識別を活用することで、誤使用防止や在庫管理の効率化が実現し、患者の安全確保にも寄与する。今後、厚生労働省は引き続き定期的な調査を実施し、バーコード表示の普及状況を確認するとともに、業界全体の対応を促進していく方針である。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ