労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 24.6%の雇用型テレワーカーが示す現実、企業が今注目すべき働き方の新常識(令和6年度のテレワーク人口実態調査結果)

2025年4月15日

労務・人事ニュース

24.6%の雇用型テレワーカーが示す現実、企業が今注目すべき働き方の新常識(令和6年度のテレワーク人口実態調査結果)

Sponsored by 求人ボックス

テレワーカーの割合は下げ止まり傾向 ~令和6年度のテレワーク人口実態調査結果を公表します~(国交省)

令和6年度に実施されたテレワーク人口実態調査の結果が公表され、現在の働き方の変化とその影響が明らかになりました。調査は国土交通省が主導し、内閣官房、内閣府、総務省、デジタル庁、厚生労働省、経済産業省と連携して実施されたもので、調査対象は全国の就業者であり、WEB形式により40,000人の有効サンプルが得られています。この調査の目的は、テレワークの普及促進に資する施策の検討に向け、現状を正確に把握することです。

今回の調査で注目されるのは、雇用型就業者におけるテレワーカーの割合が全国平均で24.6%となり、前年度比で0.2ポイントの減少にとどまったという点です。これは新型コロナウイルス感染拡大による急速なテレワーク普及のピークを過ぎた後も、一定の水準で定着していることを示しています。特に首都圏においては、依然として約40%という高い割合を維持しており、雇用型テレワークが都市部を中心に定着してきていることが確認されました。

テレワークの実施頻度に関しても興味深い傾向が見られます。週1日以上のテレワークを行う雇用型テレワーカーの割合は、コロナ前と比較して高い水準を維持しており、ハイブリッドワークという働き方が浸透してきている様子が浮かび上がりました。具体的には、令和2年度および令和3年度には1週間あたり2.4日とピークを迎えた平均実施日数は、その後やや減少しつつも、週2日以上の水準を維持しており、出社と在宅勤務を併用する柔軟な働き方が確実に根付きつつあることがわかります。

また、テレワークを導入している企業の割合についても注視すべきポイントです。勤務先にテレワーク制度等が導入されている雇用型就業者の割合は33.1%で、そこから実際にテレワークを実施したことがある就業者の割合は63.1%に達しています。このデータからは、制度の導入がテレワークの実施に直結することが見て取れ、企業側の制度整備が今後の普及において重要な鍵となることが示唆されています。

さらに、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」で掲げられているKPIに関しては、2025年までにテレワーク制度等に基づく雇用型テレワーカーの割合を25.0%にするという目標が設定されています。今回の調査では、この割合が20.9%に達しており、目標達成に向けて着実に進んでいるものの、今後の更なる制度普及や働き方改革の取り組みが必要です。

一方、テレワークの影響は働き方にとどまらず、日常生活の行動様式にも変化をもたらしていることが明らかになっています。週1日以上テレワークを実施している雇用型テレワーカーに対して行われた調査では、生活面で家事や育児、介護といった活動を重視するようになったと答える人が多く見られました。また、食料品や日用品の買い物に関しても、テレワーク導入前と比較して、自宅近くやオンラインでの買い物頻度が増加する傾向が認められています。

このほかにも、食事や飲み会に関する行動の変化も注目に値します。勤務先近くでの飲食頻度は減少傾向にある一方、自宅近くやオンラインでの実施頻度が増加しており、生活の中心が職場から家庭や地域に移行しつつあることをうかがわせます。テレワークが単なる業務のスタイル変更にとどまらず、生活全体の再構築につながっている点は、今後の都市政策やインフラ整備、地域活性化策においても見逃せない要素です。

地域別の分析においては、首都圏のテレワーカー割合が他の地域を大きく上回る結果となっています。首都圏では30%以上の割合を維持しており、地方都市圏では20%前後にとどまっていることからも、都市圏におけるICTインフラの整備状況や企業の業種構成などがテレワーク実施の可否に大きな影響を与えていると考えられます。

さらに、通勤時間や交通手段との相関関係についても注目すべき傾向が明らかになっています。通勤時間が長くなるほどテレワーカーの割合が高くなる傾向が顕著であり、1時間30分以上通勤に要する層では50.6%という非常に高い割合でテレワークを活用しています。また、通勤手段別では鉄道・バスを利用する層が最も高く、次いで飛行機・その他、自転車・徒歩、自動車・二輪車の順となっており、通勤の負担軽減を目的にテレワークを選択する人が多いことがわかります。

調査の結果からは、テレワークの導入と定着がもたらす多様な効果と課題が浮き彫りとなっています。特に、今後の働き方をどのように構築していくかという観点においては、制度設計だけでなく、ICT環境の整備、職場風土の変革、個人のライフスタイルの多様化への対応が求められます。国や地方自治体、そして企業が連携し、柔軟かつ多様な働き方を支える環境を整備していくことが、テレワークの持続的な普及と効果的な活用につながるといえるでしょう。

最後に、テレワーカー本人の希望としても週2日や週3日といったハイブリッド型の勤務を望む声が多く、今後も「完全在宅」ではなく、「柔軟な選択肢としてのテレワーク」が主流になると見込まれます。生活の質を高め、労働生産性も向上させるテレワークの形が、今後どのように進化していくのか、引き続き注視する必要があります。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ