労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 特別児童扶養手当1級が月額1,450円増の56,800円に、年間17,400円の増額で家計を支援

2025年4月7日

労務・人事ニュース

特別児童扶養手当1級が月額1,450円増の56,800円に、年間17,400円の増額で家計を支援

Sponsored by 求人ボックス

厚生労働省関係の主な制度変更(令和7年4月)について 特別児童扶養手当及び特別障害者手当等の給付額引上げ(厚労省)

令和7年4月から、物価上昇や賃金動向を踏まえた公的給付の見直しが実施され、特別児童扶養手当および特別障害者手当などの福祉手当についても、給付額の引き上げが決定されました。今回の改定は、令和6年の全国消費者物価指数が前年比2.7%の上昇を示したことに基づくものであり、社会全体の生活費の増加に対応した措置として非常に重要な意味を持っています。これにより、障害を持つ児童や重度の障害を持つ成人を介護・扶養する家庭に対して、より実質的な経済支援が行われることになります。

まず、特別児童扶養手当については、1級の月額給付額がこれまでの55,350円から56,800円へと1,450円引き上げられ、2級の給付額も36,860円から37,830円へと970円の増額が実施されます。この手当は、精神または身体に中程度以上の障害を持つ20歳未満の児童を養育する保護者に対して支給されており、支給対象者の家庭にとっては日々の生活費、医療費、介護関連の出費の一部を補填する重要な資金源となっています。年額換算で見れば、1級では年間17,400円、2級では11,640円の増加となるため、複数の障害を持つ子を抱える世帯や、ひとり親家庭にとっては家計を支える実効的な後押しになります。

次に、特別障害者手当も見直され、現行の28,840円から29,590円へと月額750円の引き上げが行われます。この手当は、日常生活において常時特別な介護を必要とする重度の障害者に対し、その介護を担う者の負担軽減を目的として支給される制度です。年額ベースでは9,000円の増加となり、介護に関わる諸費用や通院・送迎の負担を軽減する助けとなります。近年は障害者を取り巻く環境も変化しており、在宅介護と就労を両立する保護者の割合が増加傾向にある中で、この給付の増額は家庭支援策の一環として非常に意義深いものです。

これらの給付額の改定は、法制度上に定められた「物価変動に応じた自動改定ルール」に基づき実施されるものであり、生活に直結する支援制度として制度的な信頼性と透明性を高める効果もあります。特に、障害児や重度障害者を支える家庭は、突発的な医療費や福祉用具の購入、また就業調整の必要性などから、一般家庭と比較して経済的・時間的負担が重くなる傾向にあります。こうした家庭に対して、経済の変動に応じて自動的に給付が調整される仕組みは、安定した生活支援の基盤として高く評価されるものです。

一方で、給付額の増加が家計にとって歓迎される一方、企業や自治体にとってもこの制度改定は間接的な影響をもたらす可能性があります。特別児童扶養手当や特別障害者手当の受給世帯には、時短勤務制度やテレワーク、フレックスタイム制度を活用しているケースも多く、企業としても柔軟な働き方を支援する姿勢が求められます。また、手当の増額はその分、障害のある家族を抱える労働者の生活の安定につながり、職場への定着率向上やメンタルヘルスの安定にも寄与する可能性があります。企業の採用・人事戦略においても、こうした制度への理解を深め、就業支援体制の強化を図ることは、ダイバーシティ推進や働き方改革の実現にも直結します。

また、企業が障害者雇用の拡大を目指す中で、社内に障害者の家族を持つ従業員がいることも多く、こうした家族的背景への配慮が採用活動や労働環境整備において重要な視点となります。たとえば、福利厚生制度において福祉関連支出への補助制度を導入したり、障害児保育支援と連携した施策を打ち出すなど、企業の「福祉対応力」が見られる時代になっています。特別手当の給付内容や改定情報を的確に把握し、社員に適切な情報提供を行うことで、企業としての信頼性や社会的責任が高まることにもつながるでしょう。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ