2025年5月12日
労務・人事ニュース
令和7年3月神奈川県の有効求人倍率0.90倍、求職者優位の労働市場で採用を成功させる方法
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労働市場速報(令和7年3月分及び令和6年度分)を公表します(神奈川労働局)
神奈川県における令和7年3月分及び令和6年度分の労働市場動向が、神奈川労働局より発表されました。今回のデータによると、令和7年3月の神奈川県の有効求人倍率(季節調整値)は受理地別で0.90倍、就業地別で1.11倍となり、前月と比べてそれぞれ横ばい及び0.01ポイント上昇という結果になりました。全体としては、持ち直しに向けた動きが広がる一方で、一部に弱さが残るという評価が続いており、物価上昇などの影響について引き続き注意が必要とされています。
有効求人数(季節調整値)は受理地別で98,395人、前月比0.4%減少、有効求職者数(季節調整値)は109,616人、同じく0.4%減少しました。新規求人倍率(季節調整値)は受理地別で1.66倍、前月から0.04ポイント低下しており、新規求人数も33,150人と前月比で1.7%減少しています。一方で新規求職者数は19,938人と前月比0.5%増加しており、求職者側の動きにわずかながら変化が見られています。これらの数値から、求人が減少する一方で求職者数は微増しており、需給バランスにおいて若干求職者優位の傾向が強まったことがうかがえます。
産業別で新規求人の動向を見ると、宿泊業・飲食サービス業が前年同月比で52.0%増加するなど、サービス業における求人は堅調に推移しました。しかしながら、製造業が14.6%減、運輸業・郵便業が14.7%減、卸売業・小売業が18.3%減と、多くの基幹産業で求人が減少しており、業種間格差が拡大していることも明らかとなっています。特に製造業と運輸業での求人減は、景気の影響を敏感に反映していると考えられ、企業側は今後の採用活動においてより慎重な対応が求められるでしょう。
正社員の有効求人倍率(原数値)は0.70倍と、前年同月比で0.01ポイント下降しました。正社員有効求人数は46,537人で前年同月比0.7%減少、パートを除く常用有効求職者数は66,325人で0.1%増加しました。正社員志向の高まりを背景に、求職者数は微増している一方で、企業側の正社員求人が減少しているため、マッチングの難易度は依然高い状況が続いています。
年度全体を通してみると、令和6年度の平均有効求人倍率(受理地別)は0.91倍で、前年度から変化はありませんでした。これは、求人と求職のバランスが概ね前年と同様の水準で推移してきたことを意味しており、大きな変動要因はなかったものの、局所的な産業別変動が労働市場に影響を及ぼしていることが読み取れます。
就職件数は前年同月比で7.2%減少し、4,381件となりました。紹介件数も21,758件で前年同月比4.3%減少しています。就職率は21.7%と前年同月比2.2ポイント低下し、紹介から就職に至る割合も減少傾向にあることが示されています。この背景には、求人側と求職者側との間で条件面のミスマッチが続いていることが挙げられ、特に待遇や勤務地、働き方に対する求職者の要望が多様化している現状が反映されていると考えられます。
また、態様別新規求職者の動向をみると、離職者は4.3%増加、在職者は5.3%減少、無業者は4.0%減少となっています。離職者を離職理由別に見ると、定年到達者が7.3%増、事業主都合離職者が12.0%増、自己都合離職者も1.7%増加しており、幅広い理由での離職が進んでいることがわかります。特に事業主都合による離職の増加は、企業側の経営環境が厳しさを増していることを反映しているとも言えます。
以上のように、神奈川県内の令和7年3月時点の労働市場は、一部業種で求人増が見られる一方、多くの業種で求人減が続いており、全体としては緩やかな持ち直し基調にあるものの、油断できない状況が続いていることがわかります。採用担当者はこれらのデータをもとに、業種別、職種別、地域別の求人動向を細かく分析し、自社に最適な採用戦略を練ることが求められます。特にサービス業など成長が見込まれる分野では積極的な採用活動を展開する一方、製造業や運輸業においては慎重なポジショニングが必要となるでしょう。
⇒ 詳しくは神奈川労働局のWEBサイトへ