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2025年5月13日

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令和7年3月滋賀県の有効求人倍率1.01倍、企業が取るべき採用戦略と人材確保のポイント

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一般職業紹介状況(令和7年3月分)について(滋賀労働局)

滋賀労働局が発表した令和7年3月の一般職業紹介状況によると、滋賀県内における有効求人倍率(季節調整値)は1.01倍となり、前月から0.02ポイント低下しました。この下落は4か月ぶりとなり、雇用情勢にわずかな弱さが見られ始めたことを示しています。全国平均の有効求人倍率1.26倍や、近畿地方平均の1.16倍と比較すると、滋賀県の水準はやや低めに推移しています。これにより、滋賀県内の労働市場が全国平均や近隣府県に比べやや慎重な動きとなっていることが読み取れます。

有効求人数は21,727人で前月比4.1%減少、新規求人数も7,359人で前月比6.1%減少しており、求人の減少傾向が続いています。新規求人倍率は1.68倍であり、前月比0.04ポイント低下しましたが、依然として新規求職者数に対しては高い水準を維持しています。新規求職者数は4,389人で前月比3.9%減少しており、求職活動もやや抑制気味であることが分かります。

産業別の新規求人動向を見ると、前年同月比で情報通信業は30.0%、宿泊業・飲食サービス業は5.0%、教育・学習支援業は39.0%の増加が見られました。一方で、建設業が7.9%減少、卸売業・小売業が22.5%減少、生活関連サービス業・娯楽業が30.6%減少するなど、幅広い産業で求人の減少傾向が続いています。製造業については増減なしという結果となりました。これらの動向から、情報関連や教育、観光業など一部産業で人手需要が回復しているものの、建設・小売・サービス産業では依然として厳しい局面が続いていることがうかがえます。

正社員に限定した有効求人倍率(原数値)は0.76倍となり、前年同月比で0.04ポイント上昇しました。これにより、5か月連続で正社員求人倍率が上昇しており、企業側の正規雇用意欲が堅調に推移していることが示されています。しかし、0.76倍という倍率は、求職者数が求人を上回っている状況であり、求職者にとっては選択肢が限られる厳しい状況が続いています。

また、新規求人における雇用形態別の状況をみると、正社員求人は前年同月比で1.2%増加した一方、非正社員求人は5.4%減少しました。特にパート求人については0.9%の減少にとどまっていますが、全体的には非正規雇用への求人意欲がやや減退している傾向が読み取れます。正社員求人が新規求人全体に占める割合は41.4%と、前年同月より1.6ポイント上昇しており、雇用の質の向上が少しずつ進んでいることがわかります。

求職者側の動きについても注目すべき点があります。新規求職者数(原数値)は4,746人で前年同月比1.2%増加しましたが、常用(パート除く)の新規求職者は前年同月比3.5%減少しました。態様別に見ると、在職者による求職が6.8%減少、定年到達者は9.4%減少、事業主都合離職者は4.9%減少、自己都合離職者も0.1%減少しています。一方、無業者による求職は4.7%増加しており、働き手不足の中で労働市場に復帰しようとする動きも一定程度見られます。

地域別の動向を見てみると、大津市の有効求人倍率は0.89倍、高島市は1.10倍、長浜市は1.15倍、彦根市は1.25倍、東近江市は1.02倍、甲賀市は0.96倍、草津市は1.07倍となっており、地域間での求人倍率にかなりの差が生じています。特に大津市や甲賀市では1倍を割り込んでおり、求人数が求職者数を下回る売り手市場とは言えない状況です。

全体として令和7年3月の滋賀県内の雇用情勢を総括すると、有効求人倍率がわずかに低下したことから、持ち直しの動きにやや弱さが見え始めたと言えます。特に新規求人の減少や産業別の求人減少傾向が続いている点は、今後の雇用情勢に対する注意喚起となります。物価上昇や景気減速懸念が背景にある中で、企業にとっては今後も人材確保のために柔軟な働き方の導入や待遇改善を進める必要があるでしょう。採用活動の一層の戦略的展開が求められる局面に差し掛かっています。

⇒ 詳しくは滋賀労働局のWEBサイトへ

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