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2025年5月15日

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令和7年5月、農林水産省で開催!ハラール食品展示会に見る日本の輸出戦略最前線

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ハラール食品の展示を行います!(農水省)

令和7年5月7日、農林水産省より、ハラール食品に関する展示イベントの開催が発表されました。この展示は、令和7年5月12日から5月23日まで、東京都千代田区霞が関に位置する農林水産省北別館1階の「消費者の部屋」において行われます。近年、日本国内では外国人観光客の増加、いわゆるインバウンド需要の拡大とともに、イスラム教徒を中心とするムスリム層への対応が重要な課題となってきました。その中で、特に注目されているのがハラール食品の普及と理解促進です。農林水産省が主催する今回の展示は、ハラール食品に対する需要と関心の高まりを背景に、多くの方々にハラール文化をより身近に感じてもらうことを目的としています。

ハラールとは、イスラム法において「許されたもの」を意味する言葉であり、例えば豚肉やアルコールといった特定の食材は食することが禁じられています。このため、ムスリムの人々にとって、食材の選択は非常に慎重を要するものであり、日本国内でもハラール認証を取得した商品やサービスの需要が急速に高まっています。特に日本では、農林水産物や食品の輸出促進に加え、観光客受け入れ体制の整備が重要視されていることから、ハラール対応は単なる配慮を超え、ビジネスチャンスとも捉えられるようになっています。

今回の展示では、「ひろがる!ハラール食品 ここにもあそこにも!!」をテーマに、国内で製造されている様々なハラール食品が紹介されます。展示では、ハラール食品とは何かについて基本的な解説がなされるとともに、地方農政局における具体的な取組も紹介される予定です。これにより、消費者のみならず、食品業界関係者や観光業界関係者にとっても、ハラール市場の現状と可能性について理解を深める機会となるでしょう。

また、展示期間中には、ハラール食品を実際に体験できる企画も用意されています。農林水産省庁舎内地下1階のあふ食堂では、ムスリムフレンドリー対応のラーメンやカレーが提供され、普段ハラール食品に馴染みのない方でも気軽に体験できる内容となっています。さらに、農林生協総合売店では、全国各地から取り寄せたハラール商品が販売され、三省堂書店ではハラールに関連する書籍が取り扱われる予定です。これらの企画を通じて、ハラール食品を単なる異文化としてではなく、日常に溶け込む新たな選択肢として認識してもらうことが期待されています。

開催期間は、令和7年5月12日(月曜日)から5月23日(金曜日)までの約2週間で、開場時間は10時00分から17時00分までとなっており、土日祝日は休館となります。初日は12時00分から、最終日は13時00分までと、特別な開場時間が設定されています。開催場所となる農林水産省北別館「消費者の部屋」は、東京メトロ霞ヶ関駅B3a出口から直結しており、アクセスも非常に便利な立地です。

日本の企業にとって、今後のビジネス展開を考えるうえで、ハラール対応はますます重要なテーマとなっています。例えば、訪日外国人観光客数がコロナ禍以前の年間3000万人超という水準に戻りつつある中、ムスリム観光客の割合も増加しており、受け入れ環境の整備が急務となっています。加えて、世界のムスリム人口は今後さらに増加すると予測されており、食品業界をはじめとする多くの産業で、ハラール対応が求められる場面は確実に増えていくでしょう。

こうした背景を踏まえると、企業の採用担当者にとっても、ハラール文化への理解と対応力は重要な競争優位性となります。たとえば、多様なバックグラウンドを持つ人材を採用する際、文化や宗教に対するリスペクトを前提とした職場環境を整備することが求められます。特に食事の提供やイベント時の配慮など、きめ細やかな対応が企業のブランド価値を高め、グローバル人材の確保につながるでしょう。ハラール対応に取り組む企業は、単なるマーケット拡大だけでなく、ダイバーシティ経営の実現という側面でも、より強い企業体質を築くことが可能になります。

このように、今回の「ひろがる!ハラール食品 ここにもあそこにも!!」展示は、日本におけるハラール理解促進と市場拡大に向けた重要な一歩となるイベントです。食品関係者のみならず、観光、教育、サービス業など広範な業種において、ハラール市場への対応は不可欠なテーマとなっており、この機会を通じて理解を深めることが求められています。

⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ

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