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2025年5月15日

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児童扶養手当受給者83万人超、企業が求められる子育て支援とは(令和7年2月分概数)

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福祉行政報告例(令和7年2月分概数)(厚労省)

厚生労働省が公表した最新の調査結果によれば、障害児福祉手当、特別障害者手当、福祉手当、特別児童扶養手当、児童扶養手当、さらに中国残留邦人支援給付など、各種福祉手当の受給状況が詳細に示されました。このデータは、令和7年2月までの動向をカバーしており、福祉政策の現状を多角的に理解するための貴重な資料となっています。企業の採用担当者にとっても、こうした社会的背景を把握することは、採用活動や福利厚生制度の見直しに役立つ重要な情報源となり得ます。

まず、障害児福祉手当の受給者数は令和7年2月時点で63,905人に達しました。前年同月比でも微増傾向が続いており、障害を持つ子どもたちへの支援ニーズが引き続き高い水準にあることがわかります。同様に、特別障害者手当の受給者は136,005人、福祉手当(経過措置分)を受給している人数は1,666人でした。これらの数値は、福祉の現場で継続的な支援が求められている現状を裏付けています。

続いて、特別児童扶養手当について見ていくと、支給対象となる障害児数は275,256人に達しており、内訳として身体障害が247,866人、精神障害が43,447人、重複障害が3,629人という状況です。このデータからも、身体障害児への支援が最も多く必要とされていることが読み取れます。これらの障害児とその家族に対して適切な支援策を講じることは、社会全体の包摂力を高めるために欠かせない取り組みであり、企業においても障害児を育てる家庭への柔軟な働き方の提供や福利厚生制度の整備が強く求められるでしょう。

児童扶養手当の受給状況に関しては、令和7年2月時点で受給者数が833,544人となりました。内訳を見ると、離婚による母子世帯が最も多く、次いで未婚の母子世帯、障害者を含む世帯、遺棄、DV保護命令に基づく世帯が続きます。このように、家庭環境が多様化する中で、シングルマザーやシングルファーザーへの支援の重要性が一層高まっています。企業としては、こうした家庭環境に配慮した柔軟な就労制度や、子育て支援策の充実が採用活動において大きなアドバンテージとなることを認識する必要があります。

また、児童扶養手当の支給対象者については、全額支給者と一部支給者に分かれており、令和7年2月時点では全額支給が491,437人、一部支給が99,869人となっています。この数字は、一定の収入があるものの経済的に困難な状況に置かれている家庭が多数存在することを示しており、企業が給与水準の見直しや所得補助制度を検討する際の参考となるでしょう。

加えて、養育費受領者数に関するデータでは、2月時点で14,336人が5人以上の子どもを養育している家庭に該当しており、特に多子世帯に対する支援策の充実が急務であることが浮き彫りになっています。多子世帯に対する柔軟な勤務体系や、教育費支援制度の導入は、企業の魅力度向上に直結する施策といえます。

さらに中国残留邦人等支援給付に関するデータも注目に値します。令和7年2月時点で被支援世帯数は3,150世帯、被支援実人員は4,276人でした。これは、日本国籍を有しながらも長期間国外で生活していた人々への支援施策が継続的に行われていることを示しており、多様なバックグラウンドを持つ人材への理解を深める企業文化の構築が求められていることを示唆しています。

支援給付の種類別に見ると、生活支援給付、住宅支援給付、医療支援給付、介護支援給付、その他の支援給付に分かれており、それぞれに対応した支援策が講じられています。特に医療支援給付のニーズが高いことから、企業においても従業員の健康管理を重視した施策の導入が急務となっています。例えば、定期健康診断の充実、ストレスチェックの実施、メンタルヘルスケアの強化などが具体的な施策として考えられるでしょう。

今回のデータ全体から読み取れるのは、社会全体として生活困難者への支援は拡充しているものの、依然として多くの層が経済的困難に直面しているという厳しい現実です。企業の採用担当者にとっては、単に労働力を確保するだけでなく、社会的責任を果たす視点を持ち、包括的な採用戦略を構築していくことが重要です。多様な背景を持つ人材に対応できる柔軟性を持つ企業こそが、これからの時代において持続的な成長を実現できるでしょう。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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