2025年6月7日
労務・人事ニュース
訪日旅行が2019年比118%に回復、旅行業界最新動向と人材戦略の交差点とは(令和7年3月分)
- 「夜勤なし」/正看護師/病院/残業ありません
最終更新: 2025年6月6日 22:32
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- 「ブランクOK」/准看護師・正看護師/介護施設/車で通えます
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主要旅行業者の旅行取扱状況速報(2025年(令和7年)3月分)(観光庁)
2025年5月23日、観光庁は令和7年3月分における主要旅行業者の旅行取扱状況速報を公表しました。この調査は、全国の大手旅行業者43社と、参考値としてエアトリグループを含む取扱額や人数に関する月次データをまとめたものであり、日本の旅行市場全体の動向を把握する上で重要な指標となっています。今回の速報では、訪日外国人旅行が2019年比で増加する一方、国内旅行と海外旅行はいまだコロナ禍以前の水準には回復していない現実が浮き彫りになりました。
まず、全体の取扱総額は3511億2349万2千円となり、前年同月(2024年3月)の4208億6841万6千円と比較して83.4%に減少しました。2019年3月との比較では78.4%と、コロナ禍からの回復が一定の進展を見せつつも、依然として完全復活には至っていない現状が見て取れます。カテゴリー別に見ると、外国人旅行(いわゆるインバウンド)が顕著な回復傾向を示し、2024年同月比で115.5%、2019年同月比でも118.1%とコロナ前を上回る水準に達しています。特に注目すべきは、外国人旅行の取扱額が270億6699万円と、初めて2019年の水準(229億1979万円)を大きく超えたことです。
一方で、国内旅行については、取扱額が1982億1893万8千円となり、前年同月比70.7%、2019年比では79.0%という結果でした。これにより、国内需要の回復が他のカテゴリと比較して相対的に鈍いことが明らかになりました。この背景には、エネルギー価格や物価の上昇、長距離移動の心理的ハードルなどが影響している可能性があり、観光政策における国内需要喚起策の再強化が求められる局面に差し掛かっているといえます。
海外旅行に関しては、取扱額が1258億3756万5千円と前年同月比107.6%と増加したものの、2019年比では72.3%と依然として大きく下回っています。特に募集型企画旅行(パッケージツアー)の取扱人数は4万4463人と、2019年の19万5984人に比べて22.7%にとどまっており、回復にはさらなる時間が必要であることがうかがえます。航空便数の制限や渡航制限の余波、高止まりする燃油サーチャージなども消費者の動向に影響していると考えられます。
事業者別に見ると、JTBグループが総取扱額1270億3930万5千円でトップに立っており、次いでエイチ・アイ・エスが380億1637万2千円、KNT-CTホールディングスが331億3923万2千円と続いています。特に阪急交通社は、国内旅行で前年同月比121.3%、総合では121.1%と大幅な伸びを示しており、堅調な需要を捉えた販売戦略の成果といえます。一方、ANA Xの国内旅行取扱額は前年同月比84.3%、2019年比では30.3%にとどまり、苦戦がうかがえます。
興味深いのは、ビッグホリデーが海外旅行で前年同月比160.8%という大幅な伸びを記録している点です。これは団体ツアーの再開やキャンペーン施策の成功が要因と考えられ、今後の動向にも注目が集まります。また、(株)トヨタツーリストインターナショナルは、2024年同月比で189.9%、2019年比でも143.0%と著しい成長を示し、法人旅行需要の再興が強く反映されている結果となりました。
外国人旅行に関しては、ジャルパックが24,927千円で前年比178.4%、エムオーツーリストも443千円で117.1%と、それぞれ前年を上回る成績を残しており、訪日観光市場の回復が多くの旅行業者にとって新たな成長源となっていることが裏付けられます。こうした回復傾向に応じて、旅行会社各社が訪日向けの商品開発やサービス対応の強化を加速させているのも納得できる動きです。
このように、旅行業界全体の回復は部分的に進んでいるものの、特に国内旅行と海外旅行については依然として課題が多く、政策的な後押しや新たな需要喚起策の必要性が浮き彫りになっています。企業の採用担当者にとっては、このデータから得られる地域別需要や業界トレンドを基に、研修旅行や福利厚生プログラムの設計、また出張手配の効率化などに応用することができるでしょう。たとえば、訪日需要が高まる今こそ、国際的な感度を持った人材の登用や研修内容のグローバル化を進めることは、採用競争力の強化にもつながると考えられます。
⇒ 詳しくは観光庁のWEBサイトへ