2025年6月6日
労務・人事ニュース
首都圏で累計1,330万戸の住宅供給、共同型が57%を占める都市型居住の実態とは(令和7年版 首都圏白書)
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「夜勤なし」/准看護師/保育園/オンコールなし
最終更新: 2025年7月11日 22:37
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「土日祝休み」/准看護師・正看護師/デイケア/介護施設/夜勤なし
最終更新: 2025年7月11日 22:37
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「土日休み可」/准看護師・正看護師/有料老人ホーム/介護施設/車で通えます
最終更新: 2025年7月11日 22:32
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「ブランクOK」/准看護師・正看護師/デイサービス/介護施設/車で通えます
最終更新: 2025年7月11日 22:37
令和7年版「首都圏白書」をとりまとめました(令和6年度首都圏整備に関する年次報告)(国交省)
令和7年5月27日、国土交通省は令和7年版「首都圏白書」を閣議決定し、その内容を公表しました。本白書は、首都圏整備法に基づき、毎年国会に報告される法定文書であり、首都圏における人口動態、産業構造、防災対策、国際競争力、環境政策、東京一極集中の是正といった多角的な視点から、令和6年度の施策の実施状況と今後の方向性が詳細に記されています。特に今回は、地域生活圏の形成や二地域居住の促進、関係人口の拡大といった、新しい都市と地域の関係構築を目指す取組が重点的に紹介されました。
まず人口動態に関しては、首都圏全体での人口は令和2年にピークを迎えた後、いったん減少傾向に転じましたが、令和6年には出入国者数の増加や転入超過の影響で増加に転じたものの、依然としてピーク時を下回っています。今後は高齢化の進行と生産年齢人口比率の低下が予想されており、地域の持続性に対する課題が浮き彫りになっています。
また、東京圏(1都3県)への転入率は長期的には減少傾向にあるものの、20代の転入率は2010年の1.9%から2024年には2.8%に上昇しており、若年層を中心とした都市集中の傾向が根強いことが示されています。これに対して、栃木県那須町や群馬県沼田市などでは、Webアプリや体験プログラムを通じた二地域居住の促進が進められており、移住・定住者の創出に一定の成果が出ています。
一方、防災力の強化に関しては、令和6年における東京メトロの有楽町線・南北線の延伸工事着手や、中川・綾瀬川緊急流域治水プロジェクトなどが実施されました。また、帰宅困難者対策のガイドライン改定に基づき、銀座地区では英語対応を含む官民連携の訓練も行われ、多文化共生の視点が反映されています。
社会資本整備においては、全国5,000kmの下水道管路に対する特別重点調査が進行しており、インフラの老朽化対策が急務とされています。また、東京都や神奈川県では自家用車活用によるライドシェアが開始され、深刻化するタクシー不足への対応が図られています。
住環境においては、東京70km圏内で平成2年からの住宅着工戸数が累計1,330万戸に達し、そのうち共同型が全体の57%を占めていることが報告されています。特に中心部では共同貸家や共同分譲住宅の比率が高く、都市型住宅の傾向が強まっています。これに関連して、東京圏における分譲マンションの供給数は令和6年に前年比3,900戸減少の23,000戸となり、供給の減少が顕著です。
高齢者対応住宅としては、サービス付き高齢者向け住宅が首都圏で83,644戸登録され、過去最大規模となりました。これに加えて、バリアフリー対応や地域福祉との連携による多世代共生型住宅の導入も進められています。
経済面では、首都圏の県内総生産(名目)は令和3年度に全国の39.9%を占め、特に東京都の一人当たり県内総生産は783.7万円と全国トップとなりました。首都圏全体としても、ICTや専門技術サービス業など新たな産業集積が進んでおり、都市の競争力は依然として高い水準を維持しています。
環境との共生においては、首都圏では166の景観行政団体が景観計画を策定しており、都市景観の向上と地域活性化が連動しています。東京都港区の汐留イタリア街地区はその代表例として、都市景観大賞を受賞しました。
最後に、東京一極集中の是正に向けて、土地区画整理事業や市街地再開発事業が積極的に進められ、5年間で再開発事業地区数は約19.2%増加しました。また、立地適正化計画を策定・公表している市町村は首都圏で126に達し、コンパクトで持続可能なまちづくりが着実に進んでいます。
このように、令和7年版首都圏白書は、少子高齢化や地域間格差、インフラ老朽化といった課題に対応しつつ、新たな社会構造に向けた都市と地方の関係再構築の取組を具体的に示した内容となっています。特に、企業の採用担当者にとっては、都市インフラの整備状況や若年層の人口動向、地域への移住支援施策など、人材確保戦略に直結する重要な情報源となるでしょう。
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ