2025年7月13日
労務・人事ニュース
令和7年5月の山梨県有効求人倍率1.32倍
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最終更新: 2025年7月12日 23:04
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最終更新: 2025年7月12日 23:04
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「夜勤なし」/准看護師・正看護師/リハビリテーション科/内科/消化器内科/クリニック
最終更新: 2025年7月12日 23:04
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「夜勤なし」/准看護師・正看護師/リハビリテーション科/内科/循環器内科/クリニック
最終更新: 2025年7月12日 23:04
山梨県の労働市場の動き(令和7年5月分)(山梨労働局)
令和7年5月の山梨県における最新の雇用情勢が山梨労働局より公表されました。それによると、有効求人倍率(季節調整値)は1.32倍で、前月と同水準を維持しています。この数字は、求職者1人に対して約1.3件の求人が存在していることを意味しており、全国平均の1.24倍をやや上回る数値です。山梨県における人手不足感は引き続き顕在化しており、企業にとっては求人を出すだけでは人材が集まりにくい厳しい状況が続いていると言えるでしょう。
このような環境の中で企業の採用担当者に求められるのは、戦略的かつ柔軟な採用活動です。労働市場における需給バランスが求人側にとって厳しい状況である今、自社が提供できる雇用条件や職場環境の魅力を、明確に発信することが重要です。特に山梨県では、地域性を考慮した働き方やライフスタイルの提案が、求職者の心に響く要素となり得ます。例えば、都心からの移住者やUターン人材にとっては、生活コストの低さや自然環境の豊かさ、地域とのつながりが重視される傾向にあります。そのため、地元企業がそれらの魅力を取り入れた採用施策を打ち出すことは、大きな効果を発揮します。
新規求人倍率に目を向けると、令和7年5月は2.33倍と前月から0.09ポイント上昇しました。これは、新たに仕事を探し始めた人1人に対して、約2.3件の新規求人がある状態を示しており、企業が新規採用に対して積極的な姿勢を維持していることがうかがえます。一方で、新規求職者数は2,739人と前年同月比で5.1%減少しており、求人件数に対して求職者が不足している状態が続いています。さらに、パートタイムの求職者も5.5%の減少を示しており、労働市場全体において働き手の確保が難しい局面を迎えています。
企業の採用活動においては、こうしたデータを基にした柔軟な対応が求められます。正社員有効求人倍率は1.03倍と前年同月より0.10ポイント上昇しており、企業が正社員を確保したいという意識が高まっている一方で、正社員志向の求職者は減少傾向にあります。このような状況では、未経験者を対象にした育成型採用や、職場定着を見据えたキャリアパスの明示が重要となります。また、職場での柔軟な働き方の導入や福利厚生の充実といった“働きやすさ”の工夫が、人材確保におけるカギを握るといえるでしょう。
産業別に見てみると、求人の増加が顕著な業種も存在します。製造業では8.9%、情報通信業では69.4%と大きな増加を見せており、特に情報通信業においては人材需要の急激な高まりが顕著です。加えて、医療・福祉分野でも21.1%の増加があり、地域の高齢化に対応した人材の必要性が強く反映されています。宿泊業・飲食サービス業(5.8%増)や教育・学習支援業(51.1%増)、サービス業(13.6%増)など、対人業務を中心に求人需要が増加傾向にあることも見逃せません。
その一方で、建設業(2.8%減)、運輸・郵便業(27.5%減)、卸売業・小売業(5.5%減)、生活関連サービス業・娯楽業(19.9%減)といった業種では、新規求人が減少しています。これらの業界では人手不足や収益性の低下などにより、新規採用に慎重な姿勢を見せる傾向が強まっていることがうかがえます。企業としては、自社の属する産業分野の求人動向を常に把握し、それに応じた人材戦略を策定する必要があります。
また、新規求職者の内訳を見ても、離職理由に変化が見られます。事業主都合による離職者は340人と前年同月比で19.0%減少し、自己都合離職者も1,039人で10.0%の減少となっています。これは、企業側が雇用の安定を重視し、人員の整理を控えていることを示す一方で、求職者側が転職に慎重な姿勢を見せていることも意味します。このような状況下では、採用を検討している企業は、候補者の不安を払拭するようなメッセージの発信や、長期雇用への姿勢を明確に伝えることが重要です。
山梨県の労働市場は、過去数年間を通じて大きな変化を遂げています。かつては都市部への人口流出による人材不足が顕著でしたが、テレワークの浸透やライフスタイルの変化に伴い、地方での就労ニーズも高まりつつあります。こうした背景を踏まえ、企業がいかに地域の魅力と自社の特色を融合させて打ち出すかが、これからの採用成功の鍵を握るでしょう。
さらに、企業が採用活動を成功させるためには、ハローワークや地元メディア、大学・専門学校との連携を強化することも欠かせません。特に新卒採用においては、早期からの接触やインターンシップの充実が、優秀な人材の囲い込みに直結します。また、中途採用では、企業がどれだけ現実的な条件での募集を行い、応募者の期待に応える体制を整えているかが重要な判断材料になります。
こうした一連の雇用動向から、企業の採用担当者は単なる人員補充ではなく、長期的な組織構築の観点から採用活動を設計することが求められます。令和7年5月時点の山梨県における有効求人倍率1.32倍という数値は、採用市場が依然として「売り手市場」であることを示すとともに、企業が従来の採用手法から脱却し、新たな価値提供によって人材を惹きつける必要性を突き付けているといえるでしょう。
⇒ 詳しくは山梨労働局のWEBサイトへ