2025年7月23日
労務・人事ニュース
全国の飲食店の70.7%が小規模既存施設、うち31.8%が喫煙可能室を設置(令和5年度喫煙環境実態調査)
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「夜勤なし」/准看護師/オンコールなし
最終更新: 2025年7月22日 22:39
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「夜勤なし」/正看護師/クリニック/ブランクのある方も歓迎
最終更新: 2025年7月22日 22:39
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「夜勤なし」/准看護師/訪問看護ステーション/訪問看護/オンコールなし
最終更新: 2025年7月22日 22:39
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「夜勤なし」/正看護師/介護施設/オンコールなし
最終更新: 2025年7月22日 22:39
令和5年度喫煙環境に関する実態調査の概況(厚労省)
令和5年度に実施された「喫煙環境に関する実態調査」の結果が厚生労働省から発表され、受動喫煙対策の現状と課題が明らかとなりました。この調査は、令和6年1月から2月にかけて全国の20,468施設を対象に郵送およびオンラインで行われ、有効回答数は9,026件、回答率は44.1%でした。調査対象には学校や医療施設といった第一種施設、飲食店やオフィスビルなどの第二種施設が含まれています。
まず第一種施設に関しては、敷地内を全面禁煙としている施設の割合が全体で85.7%に上り、喫煙防止に対する意識の高さがうかがえます。特に病院では100%が全面禁煙を実施しており、教育機関でも小学校から高等学校までを含む施設で95.8%、一般診療所や歯科診療所で93.8%が敷地内全面禁煙を実施しています。一方、全面禁煙とせずに特定屋外喫煙場所を設けている施設も存在し、その割合は敷地内禁煙を実施していない施設のうち75.9%にのぼります。特に大学や短大では100%が屋外喫煙場所を設け、行政機関では93.4%が設置していることが確認されています。
次に、一般施設や飲食店など第二種施設の屋内喫煙環境について見てみると、全体で屋内全面禁煙を実施している施設は73.7%にのぼります。喫煙専用室を設けているのは11.0%であり、一定数の施設では依然として喫煙のための空間が存在していることがわかります。加熱式たばこに関しては、屋内全面禁煙としている施設が73.3%であり、喫煙専用室での加熱式たばこ使用を認めている施設は9.4%、さらに加熱式たばこ専用の喫煙室を設置している施設は合計で1.8%にとどまりました。こうした数字は、加熱式たばこに対する対応が火をつけて喫煙するたばこよりも若干緩やかであることを示唆しています。
調査の中でも特に注目されるのが、いわゆる「既存特定飲食提供施設」とされる小規模飲食店の実態です。これは、改正健康増進法が全面施行された令和2年4月1日以前から営業しており、資本金5,000万円以下、かつ客席面積100㎡以下の中小企業や個人事業者によって運営されている施設を指します。このカテゴリーに該当すると思われる施設は全飲食店のうち70.7%と高い割合を占めており、その中で屋内全面禁煙としているのは61.6%でした。また、喫煙専用室や加熱式たばこ専用喫煙室を設けている施設は合計で5.4%、喫煙可能室を設置している施設は31.8%で、そのうち届出を行っている施設は20.9%、届出をしていない施設が10.9%という実態が明らかになりました。これは、法的な制限下にあってもなお、多くの飲食店が喫煙者のニーズに対応しようとしている実情を表しています。
さらに、娯楽施設における喫煙環境にも大きなばらつきが見られます。たとえばパチンコホールでは火をつけて喫煙するたばこに対して屋内全面禁煙を実施している割合はわずか10.4%であり、代わりに喫煙専用室を設置している割合は89.0%と極めて高い数値を示しています。これに対し、映画館や劇場などでは84.8%が屋内全面禁煙を実施しており、業種による違いが顕著です。加熱式たばこについても同様に、パチンコホールでは専用喫煙室の設置率が高く、一般的な娯楽施設とは異なる傾向が見られます。
宿泊施設においては、屋内全面禁煙としている施設が48.7%、加熱式たばこを含む全面禁煙施設は48.3%にとどまっており、喫煙者への対応を残している施設が相応に存在しています。さらに空港旅客ターミナルにおいては火をつけて喫煙するたばこに対する屋内全面禁煙率が25.4%にとどまっており、喫煙専用室の設置が69.8%と大多数を占めています。これは空港という公共性と滞在時間の長さが求められる施設ならではの事情といえるでしょう。
不動産管理事業者や交通機関における喫煙対策も調査されています。鉄道車両では火をつけて喫煙するたばこおよび加熱式たばこともに97.9%が屋内全面禁煙であり、非常に高い禁煙率を誇っています。専用バスターミナルでも屋内全面禁煙の割合は93.4%に達しており、交通機関における受動喫煙防止の取り組みが徹底されていることがわかります。一方で、旅客船やそのターミナルでは、屋内全面禁煙率がそれぞれ77.4%と79.3%であり、陸上の交通機関よりもやや対応が緩やかな印象があります。
この調査結果から見えてくるのは、法律による受動喫煙対策が着実に進展している一方で、業種や施設の特性によって禁煙措置の徹底度合いには依然として差があるという現実です。企業の採用担当者にとっては、従業員の健康保持と職場環境の整備が、今後の人材確保・定着において重要な要素となってくることは間違いありません。受動喫煙のリスクを軽減するための環境整備は、企業における「働きやすさ」や「健康経営」の実践に直結しており、その対応状況は求職者にとっても職場選びの判断基準となり得ます。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ