2025年7月19日
労務・人事ニュース
終身雇用支持が6ポイント減、若年層で支持率75.1%に低下した2021年労働意識調査
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「夜勤なし」/准看護師/オンコールなし
最終更新: 2025年7月19日 22:36
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「駅チカ」/准看護師/サービス付き高齢者向け住宅/介護施設/夜勤なし
最終更新: 2025年7月19日 22:36
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「駅チカ」/正看護師/デイサービス/介護施設/夜勤なし
最終更新: 2025年7月19日 22:36
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「土日祝休み」/正看護師/ブランクのある方も歓迎
最終更新: 2025年7月19日 22:36
第8回勤労生活に関する調査(2021年)(JILPT)
2025年6月27日に発表された「第8回勤労生活に関する調査」(2021年実施)では、日本型雇用慣行に対する支持やキャリア観、さらには新型コロナウイルス感染症の影響が、労働者の意識や生活全般にどのような変化をもたらしたのかが明らかにされました。全国の20歳以上の男女4,000人を対象に、層化2段系統抽出法に基づいて実施されたこの調査は、1999年の初回調査から8回目となり、有効回答数は2,388件、有効回収率は59.7%に達しました。
まず注目すべきは、長年日本社会に根付いてきた「終身雇用」や「年功賃金」、「組織との一体感」といった日本型雇用慣行への支持率が、今回調査で軒並み減少した点です。前回2015年調査では、「終身雇用」の支持が87.9%と過去最高を記録していましたが、2021年調査では82.0%へと5.9ポイント下落しました。「年功賃金」も76.3%から70.4%へと約6ポイントの減少が見られ、特に40代では10ポイントの大幅減少が確認されています。また「組織との一体感」についても、88.9%から87.2%と微減しましたが、それでも高水準を維持していることから、職場への帰属意識はなお根強いことがうかがえます。
これらの傾向は年齢層によって差があり、終身雇用に対する支持は年齢が上がるほど高くなるという構図が明確に再び現れています。20代の支持率は75.1%、一方で70歳以上では88.5%と大きな開きが見られました。これは、若年層ほど柔軟なキャリア観や多様な働き方への志向が強まりつつあることを示しています。
続いて、「望ましいキャリア形成」に関する質問では、「一企業キャリア」を理想とする割合が前回の50.9%から36.6%へと急減し、過去最も低い水準となりました。一方、「複数企業キャリア」は32.4%と、前回から9.3ポイントも増加し、今後の働き方に対する価値観が大きく転換しつつあることが浮き彫りとなっています。とくに30代・40代でこの傾向が顕著であり、多くの現役世代が、1社に長く勤めるよりも、自らのスキルや志向に応じて複数の職場を経験することに可能性を感じていることが分かります。
また、新型コロナウイルス感染症の流行による影響については、「収入の減少」が32.7%で最も多く、次いで「勤務・営業時間の減少」(21.3%)や「在宅勤務・時差出勤などのコロナ対応」(18.8%)が挙げられています。職種や就業形態によって影響の度合いは異なり、自営業者では「収入の減少」が55.8%と過半数を占めており、フリーランスや非正規雇用層においても影響の大きさが際立っています。
一方で、コロナ収束後に労働環境や働き方が変わると感じている人は全体の73.4%に上り、特に20代・30代の若年層では80%を超える高い比率となっています。これに対し、60代以上では肯定的な意見が6割台にとどまっており、世代間での意識の差が浮き彫りとなりました。若年層が変化を前向きにとらえる傾向が強い一方で、高齢層は現状維持への志向が強いと見られます。
さらに、新型コロナ収束後の社会に対する意識についても調査され、「希望よりも不安が大きい」と答えた人が33.5%で最も多く、「不安派」が全体の42.8%に達している一方、「希望派」は33.7%にとどまりました。社会全体として、先行きに対する懸念が依然として根強いことがうかがえます。
今回の調査結果は、採用や人事施策を検討する企業にとって、現代の労働者が求める働き方やキャリア観の変化を読み解く重要なヒントとなります。特に若年層を中心に終身雇用からの脱却や多様なキャリアへの志向が進み、企業の雇用制度や育成方針にも柔軟な対応が求められていることが明白です。また、リモートワークなどの新しい働き方に対応した制度整備や、キャリア支援のあり方についても再考が迫られる時代に突入したといえるでしょう。