2025年8月4日
労務・人事ニュース
令和7年 函館市が二種免許取得費用の50%を補助
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「夜勤なし」/正看護師/グループホーム/介護施設/オンコールなし
最終更新: 2025年8月3日 23:05
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「夜勤なし」/正看護師/デイサービス/介護施設/残業ありません
最終更新: 2025年8月3日 23:04
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「時短勤務可」/准看護師・正看護師/デイサービス/介護施設/駅から近くて通いやすい
最終更新: 2025年8月3日 23:04
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介護職員/福岡県/西鉄甘木線/甘木駅から徒歩7,8分/朝倉市
最終更新: 2025年8月3日 09:10
令和7年 函館市公共交通運転手確保事業費補助金
北海道函館市では、バスやタクシーといった地域の重要な公共交通を支える人材の不足が深刻化している現状を受けて、運転手の確保を目的とした「公共交通運転手確保事業費補助金」制度を実施しています。この制度は、持続可能な交通インフラの維持に向けて、公共交通事業者が新たな運転手を育成する際に必要な二種免許取得費用の一部を支援するものです。函館市が将来の移動手段を守るために打ち出したこの施策は、単なる雇用対策にとどまらず、市民生活の安定や観光資源の維持にもつながる重要な政策の一つとして注目されています。
この補助制度の対象となるのは、函館市内に主たる営業所を置くバス事業者およびタクシー事業者です。補助対象事業として認められるのは、これらの事業者が従業員に対して二種免許の取得費用を全額負担し、新たに免許を取得させる取り組みであることが前提です。対象となるバスには路線バスや定期観光バス、観光貸切バスなどが含まれており、観光地として多くの来訪者を受け入れている函館においては、交通事業の安定運営に大きく寄与する制度となります。
補助金の支給額は、二種免許取得に関わる自動車教習所などへの支払い額の2分の1が基本となっており、1円未満は切り捨てられます。なお、交通費や食費といった直接の取得費用以外の経費については補助の対象外とされています。例えば、教習所での費用が30万円であれば、最大15万円の補助金が受けられることになります。企業にとっては、採用費や育成費の負担を軽減できるだけでなく、従業員のモチベーション向上にもつながる実効性の高い支援策です。
補助金を申請するには、所定の書類を準備し、段階的に提出する必要があります。まず、事業の着手前には「事前着手届」を提出することで補助対象事業としての認定を受けなければなりません。その後、免許取得が完了したら、30日以内または当該年度の末日までのいずれか早い日までに交付申請書兼実績報告書を提出する流れとなります。その際には、実績書、収支決算書、領収書の写し、取得済みの運転免許証の写し、費用負担を証明する書類などが必要です。提出書類には市が別途求める場合もあるため、事前の確認が重要です。
また、この制度には補助金制度の透明性と適正性を確保するための細かなルールも整備されています。例えば、免許取得後に離職する場合の対応についても明記されており、「二種免許取得者離職等承認申請書」の提出が求められます。これにより、制度の乱用や不正使用を防ぎつつ、実際の運転手確保に結び付けるための実効性が保たれています。
さらに、仕入控除税額の報告書や額積算内訳書といった税務関連の提出書類も定められており、補助金の精算に関しても厳格な基準が設けられています。事業者にとっては若干煩雑な作業になるかもしれませんが、公共の資金を活用する以上、制度運用の公平性と正当性を担保するためには不可欠なプロセスであり、信頼性の高い制度運営がなされていることを示すものです。
函館市がこの補助制度を導入する背景には、特に地方都市における交通インフラの維持が容易ではないという現実があります。高齢化の進行と若年層の都市部流出により、運転手の人材確保は年々困難を極めており、このままでは地域交通の継続が危ぶまれる状況です。そうした中で、行政と民間が協力して育成支援を行うこの取り組みは、函館という観光と生活が密接に関わる街にとって極めて重要な意味を持っています。
企業の採用担当者にとっては、この補助制度を活用した採用計画を組むことで、初期投資を抑えつつ、即戦力としての人材確保が可能になります。また、二種免許取得を支援する体制を整えていることは、求職者にとっても安心材料となり、雇用促進の効果も高まると考えられます。加えて、公共交通という社会的責任の高い分野で働くことに対する価値も再評価されており、人材確保の好機と捉える企業も増えているのが現状です。
今後も函館市がこのような実効性のある支援策を通じて、交通事業の安定化と市民サービスの向上を両立させることが期待されています。市内事業者はもちろん、道内外の事業者にとっても参考になる制度であり、地域に根差した経営を志す企業にとっては注目すべき内容といえるでしょう。
⇒ 詳しくは函館市のWEBサイトへ