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2025年8月18日

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佐賀県で求人倍率1.26倍 2025年6月、採用担当者が今考えるべき課題

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一般職業紹介状況<令和7年6月分>(佐賀労働局)


この記事の概要

2025年6月における佐賀県の有効求人倍率は1.26倍となり、前月より0.01ポイント上昇しました。求人数・求職者数ともにやや減少が見られる中で、企業はより的確な採用戦略が求められる状況にあります。


2025年6月、佐賀県の有効求人倍率が1.26倍となり、前月よりわずかに上昇しました。この倍率は全国平均の1.22倍および九州・沖縄地域平均の1.15倍を上回る数値であり、佐賀県の労働市場における求人の相対的な多さを示しています。一方で、有効求人数は18,091人で前年同月比2.3%の減少、有効求職者数は15,723人で前年同月比0.9%の増加となりました。このように、求人と求職の間に微妙なズレが生じている状況下では、採用担当者が市場の動きを正確に読み解く力が不可欠です。

求人がやや減少傾向にある中で、求職者数が増えているという事実は、企業にとって質の高い人材を確保するための好機でもあり、また慎重な見極めが求められる局面でもあります。求人数が相対的に多いとはいえ、採用活動における競争は依然として激しいものがあり、人材の確保に成功するか否かは、企業の情報発信力や職場環境の魅力付け、面接対応などあらゆる要素にかかっています。

特に注目すべきは、正社員有効求人倍率が1.13倍である点です。これはフルタイムかつ継続的な雇用を希望する求職者に対して、企業側の受け皿がある程度整っていることを意味しますが、同時に即戦力人材の確保には依然として難しさがあることも示しています。企業側としては、雇用条件やキャリアパスの明示、長期的な人材育成ビジョンの提示など、単に雇うだけではなく、働きがいのある環境づくりが重要になります。

また、業種別に見ると、新規求人が増加したのは運輸業、郵便業、医療・福祉分野であり、それぞれ前年同月比で14.6%、2.9%の増加となっています。反対に、建設業、製造業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業などでは求人が減少しており、特に製造業は14.5%、宿泊・飲食サービス業は13.0%もの減少を記録しています。このような産業別の求人動向の変化も、採用担当者にとっては非常に重要な情報であり、自社が属する業界の需給バランスを把握することは不可欠です。

新規求人倍率が1.90倍と前月から0.08ポイント上昇したことからも、新たに求人を出した企業に対する応募者の数は相対的に減少傾向にあることが伺えます。つまり、より多くの企業が新規求人を出している一方で、求職者は厳選して応募していることを示しており、求人票の内容や魅力の伝え方によって応募数が大きく左右される状況になっています。仕事内容や労働条件を明確にし、応募者にとってのメリットを丁寧に伝えることが、今後の採用成功に直結するのです。

さらに、企業にとっては求職者とのミスマッチを防ぐことも喫緊の課題です。採用後の定着率を高めるためには、入社前からのコミュニケーションの強化や、会社の理念・文化を伝える場の設置、研修制度やサポート体制の充実など、ソフト面での工夫が必要です。採用活動は単なる人集めではなく、自社の未来を担う人材を育て、共に成長していくパートナーを迎え入れるプロセスであるという認識が必要です。

佐賀県における地域特性も、採用活動において考慮すべき重要な要素です。都市部に比べると人口の減少や若年層の流出が進んでおり、特に地元出身者やUIターン希望者へのアプローチが鍵となります。地元の学校との連携を強化し、インターンシップや企業説明会を通じて佐賀県内の魅力や企業の強みをアピールすることが、若年層の定着につながる可能性を秘めています。

また、全国的にテレワークやフレックスタイム制が広がっている今、佐賀県の企業もそうした柔軟な働き方を導入することで、県外からの人材獲得も視野に入れることができます。特にデジタル関連職種では、勤務地にとらわれない働き方が定着しつつあり、県内にいながら都市部の人材を活用することも現実的な選択肢となっています。

最後に、佐賀県における雇用のマッチング実績として、2025年6月には1,112件の就職件数と1,071件の充足数が記録されており、雇用保険受給者の早期再就職割合は5月時点で30.0%となっています。これらのデータは、ハローワークの支援が一定の効果を上げていることを示していますが、同時に民間企業においても求職者のニーズに寄り添った対応が求められています。

数字に表れる求人倍率は一つの指標に過ぎませんが、その背景にある動きをしっかり読み解き、戦略的な採用活動を行うことが、これからの人材獲得において最も大切な要素です。環境の変化に柔軟に対応し、企業としての魅力を高め続ける努力こそが、持続的な採用力の向上につながると言えるでしょう。

この記事の要点

  • 2025年6月の佐賀県有効求人倍率は1.26倍で全国平均を上回った
  • 正社員求人倍率は1.13倍と比較的安定した水準にある
  • 業種ごとの求人動向に差があり、産業別の戦略が必要
  • 新規求人倍率は1.90倍で求職者の選別傾向が高まっている
  • 採用後の定着やミスマッチ防止が今後の成功の鍵
  • 地域の教育機関や行政と連携した採用戦略が求められる
  • テレワークなど柔軟な働き方の導入で県外からの人材確保も可能

⇒ 詳しくは佐賀労働局のWEBサイトへ

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