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2025年8月16日

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2025年サンマ漁は昨年同様の低水準へ、1歳魚は体重増で回復の兆し

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サンマの長期漁海況予報が発表されました(水産庁)


この記事の概要

2025年8月から12月にかけてのサンマ漁の見通しについて、水産庁が最新の長期予報を発表しました。今年度の来遊量は昨年と同様に低水準が予測され、特に漁期前半は漁獲量がさらに減少する見込みです。資源の持続可能な利用と漁業経営の安定化が求められています。


令和7年7月29日、水産庁は、道東から常磐海域にかけての令和7年度(2025年8月~12月)のサンマ漁に関する長期漁海況予報を公表しました。予報は国立研究開発法人である水産研究・教育機構によって取りまとめられたもので、関係機関が行った調査や研究に基づいた科学的根拠をもとに発表されています。この発表は、サンマ漁に従事する漁業者のみならず、流通や加工に携わる事業者にとっても極めて重要な情報となります。

今回の予報によると、今年度の漁期を通じたサンマの来遊量は、昨年とほぼ同じく低水準にとどまると見られています。特に8月から10月にかけての漁期前半では、魚群の出現が昨年を下回ると予測されており、出漁計画の見直しや経営戦略の再検討が求められる可能性があります。一方で、漁期後半となる11月から12月にはある程度の回復が見込まれており、年間を通じた漁獲バランスを考慮した対応が必要です。

漁獲される個体については、例年重要な指標となる1歳魚の割合が昨年と同程度で推移すると予測されています。体長29センチ以上に成長する1歳魚は、漁業者にとって収益面で重要な資源であり、その体重は昨年を上回る見込みです。このことは、数量の減少を体重の増加である程度カバーできる可能性を示しており、漁獲効率を考えるうえでも注目されます。

また、今後の海況については、黒潮や親潮といった大規模な海流の動きも予報の中で重要視されています。8月から9月にかけての黒潮続流の北限は、例年よりやや北に偏る、あるいはさらに大きく北にずれる傾向が見込まれています。親潮第1分枝と第2分枝の南限についても、いずれも平年並みから北偏となる予測が出されており、これにより三陸沖などの近海に冷水域が形成される可能性が指摘されています。こうした海況の変化は、サンマの来遊ルートや分布に大きく影響するため、海洋観測やモニタリング体制の強化が重要になります。

実際に6月から7月にかけて行われた表層トロール調査では、魚群の分布に偏りが見られました。特に東経150度から165度の公海上において、北海道やウルップ島の東方沖に多くの魚群が確認されており、8月から9月にかけてはこの海域が重要な漁場となる可能性が高まっています。10月には、北方四島周辺およびその公海エリアに比較的まとまった魚群が来遊する見通しです。

今回の発表は、水産庁が推進する「水産資源調査・評価推進事業」の一環として行われており、漁業の効率化や資源の持続可能な利用、そして経営の安定を支える重要なツールです。特に近年、サンマの来遊量が減少傾向にある中で、正確な予報情報は限られた資源をいかに有効に活用するかという経営判断に大きな影響を与えます。さらに、流通加工業者にとっても原料確保や価格戦略の見通しに直結するため、こうした情報のタイムリーな活用が今後ますます重要となっていくでしょう。

漁業の持続可能性が求められる中で、科学的なデータに基づいた予測と、それを現場に活かす柔軟な対応力が問われています。サンマ資源の回復には時間がかかると見られており、短期的な収益だけでなく、中長期的な資源管理と地域経済の両立が必要とされます。国や研究機関、漁業者、民間企業が一体となった取り組みが、今後の漁業を左右する鍵となるでしょう。

この記事の要点

  • 令和7年度のサンマ来遊量は昨年並みの低水準が見込まれている
  • 漁期前半は昨年を下回るが後半にはやや回復の兆しがある
  • 1歳魚の割合は昨年並みだが体重は増加傾向にある
  • 三陸沖に冷水域が形成される可能性があるなど海況変動に注視が必要
  • 黒潮と親潮の流れが魚群の分布や漁場形成に影響を及ぼす
  • 水産資源の合理的な活用と持続的漁業経営が求められている

⇒ 詳しくは水産庁のWEBサイトへ

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