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2025年8月15日

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令和7年1月の労働統計で判明、全国平均給与292,468円(事業所規模5人以上 調査産業計)

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毎月勤労統計調査地方調査 令和7年1月分結果概要 事業所規模5人以上 調査産業計(厚労省)

この記事の概要
令和7年1月における全国および各地域の労働者に関する統計が発表され、常用労働者数、労働時間、給与水準など、企業の採用や人材戦略に影響する実態が明らかになりました。今回はその詳細を分析し、地域ごとの傾向や特徴をわかりやすく解説します。
ここまでが概要

令和7年1月に実施された全国の労働統計調査によると、常用労働者数が全国で5,114万1千人に達しており、これは前年同月と比較しても安定した雇用水準が維持されていることを示しています。業種を問わず、事業所規模5人以上を対象にした本調査は、働く人々の労働条件や待遇について貴重な情報を提供しています。特に企業の採用活動や労働環境の見直しにおいては、こうした数値の動向を正確に把握することが極めて重要です。

労働時間に目を向けると、全国平均の総実労働時間は128.5時間であり、そのうち所定内労働時間が119時間、所定外労働時間が9.5時間となっています。これは、所定外労働、いわゆる残業が総労働時間に対して約7.4%を占めている計算になり、働き方改革によって長時間労働の抑制が一定の成果を見せていることがうかがえます。また、出勤日数は全国平均で16.6日とされており、フルタイム勤務の一般的な勤務体系に近い数字となっています。

給与に関しては、全国の現金給与総額の平均が292,468円、きまって支給する給与が280,617円、さらに所定内給与は261,434円となっており、特別給与、いわゆるボーナスは月平均で11,851円と算出されています。これらのデータから、現金給与総額の約90%が定期的な給与で構成されていることがわかり、月々の収入が比較的安定していることを示しています。

一方で、地域別の状況を比較すると、地域ごとに労働条件や給与水準に大きな差が見られます。例えば、北海道における常用労働者数は177万9千人で、全国平均と同様に総実労働時間は128.1時間とほぼ同水準ですが、所定外労働時間は8.2時間と若干短くなっています。出勤日数は17日で全国平均より多く、給与総額は265,408円と全国よりやや低い水準となっています。これは地域の産業構造や生活コストに関連していると考えられ、北海道特有の雇用実態が反映されています。

また、東北地方の青森県に目を向けると、常用労働者数は40万0千人で、総実労働時間は137.7時間と全国平均より長く、所定外労働時間も8.5時間に達しています。出勤日数は18.1日と全国で最も多い部類に入りますが、現金給与総額は241,143円と低めで、特にきまって支給する給与が234,705円にとどまっています。このことから、労働時間は長いにもかかわらず、報酬が相対的に少ないという地域の課題が浮き彫りになります。

岩手県では、常用労働者数が42万3千人で、総実労働時間は131.9時間、所定外労働時間は8.4時間と全国平均をやや上回っています。出勤日数は17.5日で、給与総額は267,105円、うち所定内給与が231,132円、特別給与が20,155円と青森より高い傾向にあります。これは岩手県における一部産業の収益性が影響している可能性があり、産業構造によって県ごとの賃金差が生じていることを示しています。

これらのデータから読み取れるのは、同じ労働時間であっても給与水準には地域差があるという事実です。特に地方においては、労働時間の長さが必ずしも高い給与に結びついていないケースが目立ちます。これは企業側にとっても重要な課題であり、労働環境を改善し、優秀な人材を確保するためには、給与水準や働きやすさにおいて全国的なバランスを考慮する必要があります。

企業の人事担当者にとっては、こうした地域ごとの実態を把握することが採用戦略の見直しに役立ちます。例えば、東京などの都市部と比較して人件費の水準が低い地方においてリモートワークを活用した採用を行うことは、コスト削減と優秀な人材確保の両立を可能にする戦略の一つといえます。また、地域に根差した雇用を促進するためには、地方での雇用創出とともに、給与や労働時間など待遇面の見直しも求められます。

さらに、厚生労働省が提供するこうした統計データは、採用だけでなく、働き方改革や賃上げの判断材料としても有効です。特に、定期的に行われる統計調査は、年度ごとの動向比較が可能であり、企業の経営戦略における重要な基礎資料となります。数字として現れる労働環境の変化は、職場の実態を反映しており、現場の声と合わせて分析することで、より実効性のある対応が可能になります。

今後も、各地域での雇用の質を高める取り組みが求められる中で、企業側の柔軟な対応と政策との連携が鍵を握ります。人材の確保や定着を実現するためには、単に給与額を上げるだけではなく、働きやすい環境づくりやキャリアパスの提示、柔軟な勤務形態の導入といった、多角的なアプローチが不可欠です。

この記事の要点

  • 令和7年1月時点の全国の常用労働者数は5,114万人超
  • 総実労働時間は128.5時間で所定外労働は9.5時間
  • 全国の現金給与総額は292,468円、特別給与は11,851円
  • 北海道の給与水準は全国よりやや低く、労働時間は平均並み
  • 青森県では労働時間が長いが給与水準が低いという課題がある
  • 地域ごとの労働実態の違いが賃金差として顕著に現れている
  • 企業は地方人材の採用においてコストと待遇のバランスが重要
  • 統計データは採用戦略や働き方改革の指針として活用できる

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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