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2025年8月14日

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都道府県に設置された支援センター、地域生活定着促進事業の拡充

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令和7年版厚生労働白書 第2部 第3章 自立した生活の実現と暮らしの安心確保(厚労省)


この記事の概要

少子高齢化や人口減少といった社会課題が進行する中、地域住民が互いに支え合い、安心して暮らせる地域共生社会の実現が求められています。厚生労働省は、包括的な支援体制の整備や新たなひきこもり支援策の導入など、実効性のある施策を進めています。


近年、日本社会は急速に進む少子高齢化や人口減少といった構造的変化に直面しています。これに伴い、地域社会のつながりが希薄化し、日常生活で孤立を感じる人々が増加する中、誰もが自分らしく安心して暮らせる「地域共生社会」の構築が、国家レベルで重要な課題となっています。

このような背景を受け、厚生労働省は地域住民の生活課題に対して包括的かつ継続的に支援を提供する体制づくりを推進しています。令和6年6月には「地域共生社会の在り方検討会議」が始まり、今後の包括的支援体制の在り方や実効性の高い施策についての議論が行われています。各市町村においても、福祉に限らず教育や防災など多分野と連携しながら地域の課題解決にあたることが求められています。

特にひきこもり支援については、従来の都道府県レベルでの対応に加え、令和4年度からは市区町村にも「ひきこもり地域支援センター」の設置が可能となり、より地域に根ざした支援体制が進められています。さらに、「ひきこもり支援ステーション事業」や「ひきこもりサポート事業」など新たな事業が創設・拡充され、2024年度には支援に携わる人材の育成や支援者へのサポート強化を目的とした「ひきこもり支援ハンドブック~寄り添うための羅針盤~」が策定されました。地域の理解を深めるために、全国キャラバンやシンポジウム、ポータルサイトの開設も行われています。

また、自然災害による避難生活が長期化している被災者に対しても、仮設住宅等での孤立を防ぐための見守りや相談支援を含む「被災者見守り・相談支援等事業」が展開されています。2019年度からは特定の災害に限定せず、柔軟かつ迅速に支援できる体制へと拡充されました。あわせて、24時間365日対応可能な無料の電話相談窓口も開設され、支援が必要な方々に寄り添う体制が整えられています。

さらに、地域社会において重要な役割を果たしているのが、消費生活協同組合、いわゆる生協です。生協は、単なる商品供給にとどまらず、高齢者の見守りや災害時の支援、子育て支援などを通じて地域コミュニティづくりに貢献しています。令和3年には制度改正が行われ、地域課題に取り組む組織に対して組合員外にも物品を供給できるようになりました。令和6年の能登半島地震では、発災直後から職員派遣や物資提供、募金活動を通じて被災地支援を行っており、生協の社会的責任と実行力が再認識されています。

これらの取組みは、行政だけでなく、地域住民や民間団体、NPO、福祉専門職など多様な主体の連携によって成り立っています。地域住民一人ひとりが支援を受けるだけでなく、支える側としても関わることで、持続可能な共生社会の実現が可能になります。今後も厚生労働省は、地域ごとの特性や課題に応じた支援策を強化し、誰もが孤立することなく、生きがいを持って暮らせる社会づくりに力を注いでいく方針です。

この記事の要点

  • 地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制の整備が進行中
  • ひきこもり支援は市区町村レベルでも対応可能となり支援の地域化が進展
  • 令和6年度に新たな支援指針「ひきこもり支援ハンドブック」が策定された
  • 被災者の孤立を防ぐ「見守り・相談支援等事業」が柔軟に対応可能な制度に拡充
  • 消費生活協同組合は災害時の支援や地域コミュニティ形成で重要な役割を果たしている

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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