2025年8月14日
労務・人事ニュース
育児休業取得率、男性30.1%・女性84.1%で政府目標へ前進
-
介護職員/福岡市営地下鉄七隈線/別府駅/福岡県/福岡市城南区
最終更新: 2025年8月14日 02:02
-
介護職員/福岡市城南区福岡市営地下鉄七隈線/茶山駅からバス:天神方面より12番乗車「田島」より徒歩約15分/福岡県
最終更新: 2025年8月14日 02:02
-
介護職員/福岡市博多区JR鹿児島本線/笹原駅/福岡県
最終更新: 2025年8月14日 02:02
-
介護職員/福岡市西区福岡県/JR筑肥線/下山門駅
最終更新: 2025年8月14日 02:02
令和7年版厚生労働白書 第2部 第1章 働き方改革の推進などを通じた労働環境の整備など(厚労省)
この記事の概要
令和7年版厚生労働白書に基づき、政府が進める労働環境の整備、特に賃上げ支援や非正規雇用者への処遇改善、中小企業への支援、働き方改革の取組について詳しく解説します。賃上げの流れや最低賃金の引き上げに加え、育児・介護の両立支援策や多様な雇用形態への対応にも焦点を当て、企業担当者にとって重要な施策を網羅しています。
政府は近年、急激な物価上昇に対応しながら、国民の暮らしの安定と企業の成長を両立させるため、賃上げの流れを全国に定着させることを重要な政策課題に位置づけています。令和6年11月に開催された政労使会議では、石破内閣総理大臣が地方における賃上げの必要性を強調し、47都道府県すべてで地方版政労使会議の開催が実現しました。各会議には政労使のトップが出席し、厚生労働省、経済産業省、公正取引委員会が連携して価格転嫁や生産性向上に関する説明も行われました。
この取り組みにより、2024年度の地域別最低賃金は全国加重平均で前年度比51円増となる1,055円に引き上げられ、特定最低賃金の加重平均も1,063円と過去最高水準に達しました。さらに、政府は2020年代中に全国平均1,500円の最低賃金を目指す中期的な目標を掲げ、政労使による意見交換も活発に行われています。
中小企業や小規模事業者がこうした賃上げを実行できるよう、「業務改善助成金」や「キャリアアップ助成金」などを盛り込んだ支援パッケージも2025年度予算に組み込まれています。これにより、生産性向上のための設備投資や非正規雇用者の処遇改善に対する支援が行われており、全国47都道府県に設置された働き方改革推進支援センターでは、専門家による無料相談やセミナーが展開されています。
非正規雇用者に関しては、全雇用者の約4割を占めており、その数は2024年時点で2,126万人にのぼります。25~34歳の若年層では、不本意ながら非正規雇用で働く割合が12.7%に達しており、安定的な雇用の確保が課題です。これに対処するため、キャリアアップ助成金を活用して正社員転換を促すほか、「多様な正社員制度」の導入支援や、「わかものハローワーク」での個別支援なども充実させています。
また、雇用形態にかかわらない公正な待遇を確保するための法律整備も進められており、パートタイム・有期雇用労働法に基づく不合理な待遇差の解消を目指した企業指導や支援も行われています。さらに、2025年4月からは、労働条件明示事項に無期転換制度に関する情報が追加され、有期契約労働者の権利保護も強化されました。
フリーランスや副業・兼業といった多様な働き方についても、環境整備が進められています。テレワークの普及促進に加え、2024年11月には「フリーランス・事業者間取引適正化等法」が施行され、トラブル時の相談対応窓口やガイドライン整備などが進行中です。副業・兼業においては、企業の対応状況の情報公開を促進する取り組みや、産業雇用安定センターによる中高年の副業支援が始まっています。
育児や介護との両立支援に関しては、2025年4月に改正法が施行され、男性の育児休業取得率を高める施策が本格的に導入されました。育児時短就業給付や出生後休業支援給付など、金銭的支援策も新設されており、企業の育児支援体制が整備されています。さらに、不妊治療と仕事の両立を支援する「くるみんプラス認定制度」や、「仕事と家庭の両立のしやすさ」を可視化する評価ツールの普及も進められています。
構造的な人手不足に対応するためには、リスキリングによる労働者の能力向上支援も不可欠です。厚生労働省は、教育訓練給付制度をはじめ、自己都合退職者への給付制限の撤廃、ジョブ型人事制度の導入支援などを進め、多様な働き方と労働移動の円滑化を実現しようとしています。企業はこうした支援策を活用することで、優秀な人材の確保と定着、さらには組織の持続的成長を図ることができます。
この記事の要点
- 2024年度の最低賃金は全国平均で51円増の1,055円
- 非正規雇用労働者は2024年時点で2,126万人に達している
- 若年層の不本意非正規雇用者の割合は12.7%と高水準
- 育児休業取得率は男性30.1%、女性84.1%で推移
- 育児・介護支援を行う中小企業には複数の助成金制度が用意されている
- 「業務改善助成金」「キャリアアップ助成金」などを活用した中小企業支援が拡充
- ジョブ型人事制度導入やリスキリング支援で労働移動を促進
- 副業・兼業環境の整備により中高年の活用も支援
- 不妊治療と仕事の両立を支援する制度も認定対象に追加
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ