2025年8月14日
労務・人事ニュース
全国6,700カ所に約16万部を配布した労働法Q&A教材、若者の権利意識を支援
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福岡県糟屋郡エリア/訪看のお仕事/未経験OK/車通勤可/即日勤務可
最終更新: 2025年8月14日 09:34
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「夜勤なし」/正看護師/特別養護老人ホーム/介護施設/ブランクのある方も歓迎
最終更新: 2025年8月13日 23:10
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「夜勤なし」/准看護師/デイサービス/オンコールなし
最終更新: 2025年8月13日 23:10
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「残業ゼロ」/正看護師/介護施設/住宅補助あり
最終更新: 2025年8月13日 23:10
令和7年版厚生労働白書 第1部 第3章 若者に社会保障や労働施策を知ってもらうための取組状況と方向性(厚労省)
この記事の概要
高校生や若年層に社会保障や労働法の重要性を理解してもらうために、厚生労働省が実施してきた取り組みが詳細にまとめられています。教材の開発や教員向けマニュアルの提供、映像教材やストーリー教材の作成により、若者が主体的に学べる教育環境の整備が進められています。
社会保障や労働施策は、日々の生活に欠かせない仕組みでありながら、若い世代にとってはなかなか実感しにくい分野です。その認識のギャップを埋め、制度への理解と主体的な関わりを促すため、厚生労働省は2011年から本格的に「社会保障教育」に取り組んできました。背景には、少子高齢化に伴う社会保障制度の持続可能性への懸念や、制度の意義を広く国民に理解してもらう必要性があります。特に次世代の担い手である若者に対しては、制度の理念や構造を理解し、自分事として捉えてもらう教育が不可欠です。
社会保障教育では、「理念・内容・課題」の3つを軸にした学習内容が整備されました。理念とは、助け合いや連帯の精神を意味し、制度の根幹を理解するための出発点です。内容では、公的年金や医療保険、介護保険、社会福祉など、具体的な制度の仕組みを学びます。そして課題の部分では、社会の変化に伴う制度の見直しや財源確保といった、今後の課題に目を向ける視点が求められています。これにより、若者は表面的な制度の知識だけでなく、社会の構造や自分との関わりまでを深く考えることが可能になります。
教材の整備も着実に進められており、例えば平成26年に作成された指導用テキストでは、社会保障の歴史や制度背景、支える考え方を重視しています。また、実際の授業で使える映像教材「社会保障って、なに?」や、家計簿や制度比較を取り入れたワークシートも制作され、生徒が関心を持ちやすい工夫がなされています。さらに、授業内で使えるストーリー形式の教材も導入され、医療費や生活費に不安を抱える若者の体験を通じて、社会保障制度がいかに身近で重要かを実感できる構成となっています。
一方で、労働法教育についても、就業形態の多様化や非正規雇用の増加といった社会背景を受け、若者の権利意識を高める必要性が強調されています。厚生労働省は2008年以降、教育のあり方を見直し、労働者の権利・義務、相談窓口の利用法など、実践的な知識を習得できるような教育内容を整備してきました。特に注目されているのが、高校生や大学生向けに発行されている「これってあり?まんが知って役立つ労働法Q&A」で、2024年度には動画版も公開され、約6,700カ所に約167,000部が配布されています。このように、紙媒体だけでなくICT端末やスマートフォンを活用し、よりアクセスしやすい形で教育コンテンツが提供されています。
また、指導者支援にも注力されており、教員向けのマニュアルや研修会が用意されています。たとえば「はたらくへのトビラ~ワークルール20のモデル授業案~」では、ロールプレイやクイズを通じた実践的な授業案が用意され、労働法に詳しくない教員でも安心して授業が行える構成となっています。大学生向けには、インターンシップや就職活動に対応した授業案も整備され、社会に出る前の知識習得がより現実に即した内容となっています。
社会保障や労働法の学びは、自分の将来を考える上でも欠かせないものです。制度を理解し、必要なときに使える知識を持つことは、リスクに備えるだけでなく、自分らしい生き方や働き方を選ぶための大きな武器になります。厚生労働省は引き続き、現場の声を反映しながら、教材や支援体制を拡充していく考えを示しており、これから社会に出る若者にとって、より実用的で学びやすい環境が整いつつあります。
この記事の要点
- 社会保障教育は2011年から本格化し理念・内容・課題に重点を置いた教材が整備された
- 映像教材やストーリー教材を通じて若者が自分事として学べる工夫がされている
- 労働法教育では漫画や動画教材を活用し就職前後の知識習得を支援している
- 約167,000部の教材が全国で配布されICT端末を活用した学びも導入されている
- 教員向けマニュアルや解説動画の整備により教育現場での実践が容易になっている
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ