2025年8月23日
労務・人事ニュース
令和7年6月の平均給与511,210円、製造業で前年比4.8%増の好調維持
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「夜勤なし」/准看護師/デイサービス/介護施設/オンコールなし
最終更新: 2025年8月22日 22:37
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「夜勤なし」/正看護師/デイサービス/保育園/幼稚園/訪問看護
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毎月勤労統計調査 令和7年6月分結果速報 第1表 月間現金給与額(厚労省)
この記事の概要
令和7年6月の毎月勤労統計速報によると、事業所規模5人以上の現金給与総額は前年同月比で全体的に増加し、特に製造業や電気・ガス業など一部産業で顕著な伸びが見られました。一般労働者、パートタイム労働者ともに給与額は上昇傾向で、特に特別給与や所定内給与の伸びが全体の増加を支えています。一方で、業種によっては所定外給与が減少するなど、労働時間や業務量の変化が影響しているケースもありました。こうした動きは賃金動向や労働市場の現状を把握する上で重要な指標となっています。
令和7年6月の毎月勤労統計速報では、全国の事業所規模5人以上における現金給与総額が平均で511,210円となり、前年同月比で2.5%の増加を記録しました。これは定期的に支払われる「きまって支給する給与」が289,819円で2.1%の増加、所定内給与が270,244円で同じく2.1%の増加となったことが主な要因です。また、時間外労働や休日出勤などによる所定外給与は19,575円で0.9%の増加、ボーナスなどの特別に支払われた給与は221,391円で3.0%の伸びを示しました。特に製造業では現金給与総額が583,575円と前年より4.8%増加しており、景気の底堅さや生産活動の回復が反映されていると考えられます。
一方、業種別に見ると、電気・ガス業は1,177,341円と非常に高い水準で、前年同月比6.1%の増加となりました。この業種では所定外給与が59,412円で8.2%増加し、ボーナスに相当する特別給与も682,865円で6.3%増加しています。エネルギー需要やインフラ関連の投資増加がこうした高水準の給与を支えているとみられます。
建設業では595,877円と前年同月比0.6%減少し、特に特別給与が228,336円で2.1%減少するなど、一部で厳しい状況が続いています。ただし、所定外給与は26,127円で17.8%増加しており、人手不足や工期短縮のための残業増が影響している可能性があります。
教育・学習支援業では304,750円とほぼ横ばいですが、特別給与は481,986円で6.4%増加しました。年度末や学期区切りによる一時的な支給が影響したと見られます。複合サービス事業では309,894円で3.1%の増加、特別給与も366,181円で2.8%増となり、サービス需要の回復が賃金面にも反映されていることがうかがえます。
さらに、一般労働者だけでなくパートタイム労働者の賃金も改善傾向にあります。調査産業計ではパートタイム労働者の現金給与総額が124,093円で2.0%増加し、所定外給与は3,217円で9.3%増と大きな伸びを示しました。特に建設業のパートタイム労働者は140,316円で4.8%増加、製造業も157,849円で6.9%増加しており、非正規雇用にも賃上げの波が広がっていることがわかります。
ただし、産業によっては依然として課題もあります。例えば、金融業・保険業では192,954円の特別給与が9.1%減少し、パートタイム労働者の給与でも減少傾向が見られます。これは賞与やインセンティブの抑制が影響していると考えられ、企業の収益状況や市場環境の変化が賃金に直結していることを示しています。
全体として、令和7年6月は多くの業種で賃金の増加が確認されましたが、その背景には物価上昇によるベースアップ、労働需給の逼迫、人材確保競争の激化といった要因が複合的に作用しています。特に特別給与の伸びは企業収益の改善を反映するものであり、景気回復基調の中で今後も賃金上昇が継続する可能性があります。一方で、所定外給与の減少が一部で見られることは、労働時間の適正化や業務効率化の進展を示すものであり、働き方改革の浸透が影響していると考えられます。
この記事の要点
- 令和7年6月の現金給与総額は前年同月比2.5%増加
- 製造業や電気・ガス業で顕著な賃金上昇
- パートタイム労働者の賃金も全体的に上昇
- 一部業種では特別給与が減少し業績の影響を受けている
- 所定外給与の増減は労働時間や業務量の変化を反映
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ