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2025年8月5日

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令和7年度最低賃金目安、全国平均1,118円へ 過去最高63円引き上げで企業の採用戦略に影響か

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令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について(厚労省)


この記事の概要

令和7年度の地域別最低賃金額の改定目安が決定し、AランクとBランクは63円、Cランクは64円の引き上げが示されました。仮にこの目安通りに改定が行われた場合、全国加重平均は1,118円となり、引き上げ額は63円で過去最高となります。引き上げ率も6.0%と高水準で、企業の人件費や雇用計画への影響が大きくなる見通しです。


令和7年8月4日、中央最低賃金審議会は今年度の地域別最低賃金額改定に関する答申を公表しました。今回の改定目安は、都道府県を経済状況に応じてA・B・Cの3ランクに分け、それぞれAランク63円、Bランク63円、Cランク64円の引き上げを示しています。現在、Aランクには埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪の6都府県が含まれ、Bランクには北海道や宮城、京都、広島、福岡など28道府県、Cランクには青森や沖縄など13県が分類されています。各ランクごとの加重平均引き上げ率はAランク5.6%、Bランク6.3%、Cランク6.7%とされ、地域ごとに異なる経済事情を反映した改定となっています。

(参考)各都道府県に適用される目安のランク

ランク都道府県金額
A埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪63円
B北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、
長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、
広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡
63円
C青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、
宮崎、鹿児島、沖縄
64円

表の引用元:厚生労働省 令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について

この答申は、7月11日に開かれた第70回中央最低賃金審議会において厚生労働大臣から諮問を受け、同日に設置された小委員会で7回の審議を経て取りまとめられました。今後は各地方最低賃金審議会が、この目安を参考にしつつ地域ごとの賃金実態や参考人の意見などを踏まえて検討を行い、最終的に各都道府県労働局長が正式な最低賃金額を決定します。

仮に今回の目安通りの引き上げが全国で実施された場合、全国加重平均額は1,118円に達し、引き上げ額は63円となります。この額は昭和53年度に目安制度が始まって以来の最高額で、前年の51円を大きく上回ります。引き上げ率も6.0%と、昨年度の5.1%を超える水準です。この動きは企業の採用戦略や人件費計画に大きな影響を及ぼす可能性が高く、特に人手不足が深刻な業界や中小企業にとっては経営計画の見直しが迫られる局面となります。最低賃金の上昇は労働者の生活改善につながる一方、雇用コスト増による事業への負担も増すため、各企業は労務管理や効率化への対応を早急に進める必要があります。

地域別最低賃金の全国加重平均額と引上げ率の推移

平成27年 平成28年平成29年平成30年令和元年令和2年令和3年令和4年令和5年令和6年
時間額798円823円848円874円901円902円930円961円1,004円1,055円
対前年度引上げ額18円25円(※)25円26円27円1円28円31円43円(※)51円
前年対比2.31%3.13%3.04%3.07%3.09%0.11%3.10%3.33%4.48%5.08

表の引用元:厚生労働省 令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について 参考3 地域別最低賃金の全国加重平均と引上げ率の推移
(注)1 金額は適用労働者数による全国加重平均額である。
   2 (※)は全国加重平均の算定に用いる経済センサス等の労働者数の更新による影響分
     (平成28年度、令和5年度は+1円)が含まれる。

この記事の要点

  • 令和7年度の最低賃金改定目安はAランクとBランクが63円、Cランクが64円の引き上げ
  • 目安通り改定されれば全国加重平均は1,118円に上昇
  • 引き上げ額は63円で目安制度開始以来の最高額
  • 引き上げ率は6.0%で昨年度の5.1%を上回る
  • 地方ごとにA・B・Cの3ランクで経済状況に応じた改定幅を設定

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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