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2025年8月22日

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【令和7年6月沖縄県1.12倍】採用競争が激化するなかで企業が取り組むべき戦略とは

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「労働市場の動き」令和7(2025)年6月(沖縄労働局)


この記事の概要

令和7年6月の沖縄県における有効求人倍率(就業地別季節調整値)は1.12倍となり、前月より0.03ポイント上昇しました。これは有効求人数の微増と有効求職者数の減少によるもので、労働市場の需給バランスにわずかな改善が見られたことを示しています。


令和7年6月、沖縄県における有効求人倍率(季節調整値)は1.12倍と前月より0.03ポイント上昇しました。この数値の上昇は、企業の求人数が増加した一方で求職者数が減少したことに起因しており、労働市場における企業側の採用意欲がわずかに強まったことを表しています。実際、月間有効求人数は31,074人で前月比0.7%増加したのに対し、有効求職者数は27,703人で1.7%減少しています。特に注目すべきは正社員有効求人倍率が前年同月より0.07ポイント上昇し0.78倍となった点であり、正社員雇用への関心が高まりつつある現れといえるでしょう。

また、新規求人倍率は1.89倍で、前月から0.01ポイント低下したものの依然として高い水準を維持しており、新たな採用ニーズは継続して存在しています。一方で、新規求人数は10,401人で前月比3.2%の減少、新規求職申込件数も5,496件で2.7%減となっており、新たに仕事を探す人が減少している現状が伺えます。このような背景には、景気の先行き不透明感や物価上昇、業界によっては人材確保が難しいなどの複合的な要因が関係していると考えられます。

業種別にみても興味深い傾向が見られます。生活関連サービス業や娯楽業では前年同月比で65.4%増という大幅な新規求人増加があった一方、卸売業・小売業は32.9%減、情報通信業も29.7%減、製造業では27.9%減と、多くの業種で採用意欲の低下が確認されました。これは観光やサービス業を主軸とする沖縄経済において、訪問需要の回復やイベント再開といった社会的要因が影響していると考えられます。特にサービス業では人手不足が常態化しているため、企業は即戦力となる人材を早期に確保するため、求人の条件見直しや雇用形態の柔軟性を高める必要があります。

一方、求職者側の動向としては、有効求職者数が前年同月比4.7%減の27,900人となっており、9か月連続の減少です。これは新規学卒を除いた求職者数に限った話ですが、特に無業者や離職者の減少が顕著で、自己都合による離職者も含め、求職活動への参画が鈍化していると考えられます。このような状況下において、企業の採用担当者は従来のように待ちの姿勢ではなく、積極的なアプローチが求められます。

具体的な戦略としては、まず求人票の見直しを行い、給与、労働時間、福利厚生といった待遇面の情報を明確かつ魅力的に伝えることが必要です。次に、ハローワークだけに頼るのではなく、地域の求人メディアやSNS、自社ホームページなど複数チャネルで情報発信を強化し、求職者との接点を増やすことが効果的です。また、正社員以外の契約社員やパートタイムなど、雇用形態の多様化を許容することで、採用の間口を広げることも検討すべきでしょう。

さらに、求職者に対する選考スピードも重要です。人材が希少である現状では、内定までに時間をかけすぎると他社に先を越されてしまうことが少なくありません。選考フローを効率化し、面接や内定出しまでの期間を短縮する工夫が必要です。加えて、面接ではスキルだけでなく、働く意欲や職場に馴染めるかといったソフトスキルの評価にも注力することで、長期的に活躍できる人材を見極める力が問われます。

労働市場全体としては、一部の業種では採用意欲が高まっているものの、全体としてはやや慎重な傾向が見られる中、企業は自社の魅力をしっかりと打ち出し、積極的な姿勢で採用活動を進めることが求められます。特に沖縄県のようにサービス業の比重が高く、他県と比べて正社員雇用が少ない傾向にある地域では、短期的な人材確保だけでなく、中長期的な雇用戦略を描くことが不可欠です。

また、デジタル技術を活用した採用手法の導入も推進すべきです。例えばオンライン面接やAIを活用したマッチングシステムの導入などにより、より適切な人材との接点を作り出すことで、ミスマッチを減らし、採用後の定着率向上にもつながります。とりわけ若年層の求職者は、オンライン上での情報収集や応募を好む傾向があるため、自社の情報発信力を高めるとともに、応募から選考、入社までの流れをデジタルで完結できる体制の整備が求められるでしょう。

雇用保険受給資格決定件数が前年同月比で4.5%増加したというデータからも、雇用環境は依然として流動的であることが読み取れます。採用は単なる人員補充ではなく、将来的な企業成長を見据えた経営戦略の一部であることを再認識し、沖縄県の地域特性を踏まえた柔軟かつ戦略的な人材確保の取り組みが重要です。

この記事の要点

  • 令和7年6月の沖縄県の有効求人倍率は1.12倍で前月より0.03ポイント上昇
  • 新規求人倍率は1.89倍と高水準を維持しているが、新規求人数は減少
  • 正社員有効求人倍率は0.78倍で前年同月より改善傾向
  • サービス業を中心に新規求人が増加し、卸売業や製造業では減少が顕著
  • 求職者数は減少しており、企業側の採用競争が激化している
  • 求人票や採用チャネルの見直し、採用スピードの改善が重要
  • デジタル技術の活用により若年層へのアプローチ強化が可能
  • 採用活動は経営戦略と連動した計画的な実施が求められる

⇒ 詳しくは沖縄労働局のWEBサイトへ

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