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2025年8月21日

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令和7年6月の京都府の有効求人倍率は1.28倍で前月からやや低下

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京都府内の雇用失業情勢(令和7年6月分)(京都労働局)


この記事の概要

令和7年6月における京都府の有効求人倍率は1.28倍となり、前月比で0.01ポイントのわずかな低下を見せた一方、有効求職者数は増加傾向にあります。新規求人倍率も2.36倍と高水準ながら減少しており、採用競争の激化と求人側の慎重姿勢がうかがえます。


令和7年8月1日に京都労働局から発表された令和7年6月の雇用統計によれば、京都府の有効求人倍率は1.28倍となり、前月の1.29倍からわずかに0.01ポイント低下しました。この数値は全国平均である1.22倍を上回っているものの、求人数に伸びが見られない一方で求職者数は増加しており、雇用市場における競争の構図が一段と複雑化していることを示しています。企業の採用担当者にとって、このような変化は単なる数字以上の意味を持ち、採用活動の根幹に影響を与える要素となり得ます。

有効求人数は54,599人で前月からほぼ横ばい、実質的に変動が見られない状況に対し、有効求職者数は42,749人で504人、率にして1.2%の増加となりました。つまり、企業の求人活動は足踏み状態である一方、求職者側の動きがやや活発化しており、求職者一人ひとりに対する求人の余裕度がわずかに下がったということになります。これは求職者の選択肢が広がっていることと同時に、企業がより「選ばれる存在」としての工夫を求められている現れでもあります。

新規求人倍率については、前月の2.64倍から2.36倍へと大きく低下し、0.28ポイントのマイナスとなりました。新規求人数は18,021人で、前月から2,039人(10.2%)減少しています。新規求職者数は7,650人で46人(0.6%)の増加となっており、求人数の大幅な減少に比べて求職者の動きは比較的安定しています。つまり、企業側の求人開拓に慎重さが見られる一方で、求職活動は一定の水準を保っているという構図です。このことは、企業が新たな採用ニーズに対して様子見の姿勢をとっている可能性を示唆しており、採用担当者にはより計画的な人材確保の構築が求められています。

なお、前年同月との比較では、新規求人数が16,637人で前年より626人(3.9%)の増加、新規求職者数が7,407人で299人(4.2%)の増加となっています。これは、1年間を通じて企業の採用意欲がやや回復傾向にある一方で、求職者側の動きも活発化しているという中長期的なトレンドを表しています。ただし、これが今後も続く保証はなく、景気や物価の動向により採用市場は大きく揺れ動く可能性を孕んでいます。

こうした現状を踏まえ、企業の採用担当者がとるべき方針は多面的な視点からのアプローチです。まず、求人の出し方について再考する必要があります。単に人手不足だから募集するのではなく、どのような人材が必要なのか、なぜ自社で働くことに価値があるのかを明確にし、それを求人情報に落とし込む工夫が不可欠です。職務内容の明確化はもちろんのこと、職場の雰囲気やキャリア形成の道筋、研修制度などについても具体的に伝えることで、求職者の信頼を獲得しやすくなります。

また、選考過程そのものにも柔軟性とスピード感が求められます。有効求人倍率が高水準で推移する中、優秀な人材は複数の企業からオファーを受けることが当たり前になってきています。そのため、面接日程の調整や選考結果の連絡など、すべてのフローにおいて遅滞なく進めることが、内定辞退を防ぐためのポイントとなります。特に京都のようにサービス業や観光関連産業が盛んな地域では、コミュニケーション能力に優れた人材を早期に確保するためのタイムリーな対応が求められます。

さらに、オンラインでの求人情報提供やWeb面接の活用も、採用活動において重要性が増しています。特に若年層の求職者は情報収集の大半をインターネット経由で行っており、企業のオンライン上での印象が選考への応募を左右するケースが増加しています。自社ホームページの充実やSNSを通じた発信、職場紹介動画の公開など、多角的なアプローチによって、応募者の関心を引き付ける努力が必要です。

一方で、採用活動は短期的な人員補充だけでなく、中長期的な組織形成という観点でも行うべきです。京都の雇用市場においても、特定の産業や職種に人材が偏る傾向が見られるため、採用の際には自社における将来の課題や成長戦略とリンクさせた人材確保を意識することが重要です。将来的なリーダー候補の育成や、多様な働き方に対応できる人材の確保は、企業が変化に強い体制を整えるための基礎となります。

以上のように、有効求人倍率という一見シンプルな数値の裏には、雇用市場の機微な変動や人材需給のズレが隠れています。京都府の1.28倍という倍率は決して極端に高い水準ではないものの、そこに潜む競争の激しさと、人材確保の難しさは日々変化しており、採用担当者は数字の読み取りだけにとどまらず、背景にある要因を深く分析する力が求められます。その上で、自社にとって最適な人材をいかに見つけ、迎え入れ、活躍の場を提供できるかが、企業の成長と直結する鍵となるでしょう。

この記事の要点

  • 令和7年6月の京都府の有効求人倍率は1.28倍で前月からやや低下
  • 有効求人数は横ばいながら、求職者数は増加しており競争が激化
  • 新規求人倍率は2.36倍と高水準だが前月からは大きく低下
  • 新規求人数は10.2%減少し、企業側の求人姿勢に慎重さが見られる
  • 求職者数の増加に対応するため、企業は求人内容の魅力と分かりやすさを高める必要がある
  • 採用プロセスの迅速化と柔軟性が内定辞退の防止に直結する
  • オンラインでの求人情報発信とブランディングが採用活動を左右する
  • 採用活動は短期的な人材確保にとどまらず、中長期的な組織形成の視点が不可欠

⇒ 詳しくは京都労働局のWEBサイトへ

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