2025年8月20日
労務・人事ニュース
2025年6月埼玉県の有効求人倍率1.17倍、採用環境に現れた新たな変化とは
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「夜勤なし」/准看護師/学校/介護施設/ブランクのある方も歓迎
最終更新: 2025年8月21日 23:02
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「夜勤なし」/准看護師・正看護師/介護施設/車で通えます
最終更新: 2025年8月21日 23:02
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「土日祝休み」/准看護師・正看護師/デイケア/介護施設/夜勤なし
最終更新: 2025年8月21日 23:02
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「夜勤なし」/正看護師/特別養護老人ホーム/介護施設/ブランクのある方も歓迎
最終更新: 2025年8月21日 23:02
埼玉労働市場ニュース(令和7年6月分)(埼玉労働局)
この記事の概要
2025年6月の埼玉県における有効求人倍率は1.17倍で、前月比で0.04ポイント低下しました。新規求人倍率は2.02倍となり、求人全体は高水準を維持しながらも減少傾向が見られています。業種ごとの求人動向と雇用の質に着目し、採用担当者は精度の高い戦略を立てる必要があります。
埼玉県の2025年6月における雇用市場の状況は、雇用環境全体としては緩やかな回復基調にあるものの、求人数の減少と求職者数の増加により、採用活動に新たな工夫が求められる局面に入ってきたことが明らかになっています。実際、有効求人倍率は1.17倍と依然として求人数が求職者数を上回る状態ではありますが、前月比で0.04ポイント低下しており、やや下向きの動きが見られます。
新規求人倍率も2.02倍で高水準を維持しているものの、新規求人数は前月比で8.4%減の33,025人、新規求職者数も4.5%減の16,312人と、求職・求人の両面での減少が続いています。これは、企業が採用に慎重な姿勢を取り始めている兆候とも受け取ることができ、採用担当者にとっては、従来の採用戦略を見直し、新たな視点からのアプローチが必要とされる時期といえるでしょう。
業種別に見ると、情報通信業や運輸業・郵便業、宿泊業・飲食サービス業など、一部業種では新規求人が増加しており、採用意欲の高い動きも散見されます。例えば、情報通信業は前年同月比で54.2%の増加、運輸業・郵便業も9.8%の増加となっており、テクノロジー関連や物流業界における人材需要の高まりがうかがえます。一方で、生活関連サービス業や卸売・小売業、教育・学習支援業などの分野では、求人が2桁の割合で減少しており、業界ごとに明暗が分かれる構図となっています。こうしたデータを踏まえると、自社の業種がどの傾向にあるのかを的確に分析し、業界全体の流れに逆らわない、あるいは機を捉えた採用活動がカギとなります。
雇用形態別の新規求人でも変化が見られます。フルタイムの新規求人は18,986人、前年同月比で6.5%減少し、パートも12,645人で同じく6.6%減少しています。一方で、求職者側の希望雇用形態では、フルタイムが5.1%増加、パートが7.0%増加と、求職意欲はやや回復傾向にあります。これは、求職者が安定を求める傾向が強まっていることを示しており、企業側はそのニーズに対応した求人情報を出すことが求められています。
特に注目すべきは、正社員求人に関するデータです。就業地別正社員有効求人倍率は0.89倍と、全国平均を下回っているものの、前年同月比で0.02ポイント上昇しており、9か月連続で改善傾向を見せています。また、新規求職者のうち正社員希望者の割合は61.4%と依然として高い水準にあります。これは、企業にとっては正社員雇用の充実が求められていることを示すものであり、採用時の雇用形態の設計や待遇条件の見直しに取り組むことが、優秀な人材を確保するための重要な要素となります。
ただし、正社員としての就職件数の割合は32.7%と低下しており、正社員志向の求職者が増える一方で、それに見合う求人や採用の実績が伴っていない実情が浮き彫りになっています。これは、企業が正社員採用を控えている、あるいは条件面で求職者の期待に応えきれていない可能性が考えられます。このギャップを埋めるためには、採用担当者は自社の提示条件が現在の市場ニーズに即しているかどうかを見直し、必要に応じて柔軟な条件設定や研修制度の充実といった工夫を講じる必要があります。
また、物価上昇や社会環境の変化に伴い、求職者の働き方に対する価値観も変化しています。従来のフルタイム勤務や定時勤務だけではなく、リモートワーク、フレックスタイム、週休3日制といった新しい働き方を導入している企業に対して、求職者の関心が集まっています。こうした点を踏まえて、自社の採用戦略に柔軟性を持たせることが、他社との差別化につながり、採用成功の一助となるでしょう。
情報発信の方法についても見直しが必要です。単に求人票を出すだけではなく、自社の魅力や働き方、成長機会などを明確に伝えることが重要です。特にZ世代を含む若年層をターゲットにした場合は、SNSや動画、インフルエンサーとの連携など、新しい情報伝達手段の活用が効果的です。さらに、既存社員のインタビューや職場のリアルな雰囲気を伝えるコンテンツも、求職者との信頼構築に寄与するでしょう。
埼玉県における雇用情勢は、一見すると安定しているように見えますが、実際には業種ごとの動向や雇用形態のミスマッチ、正社員と非正社員のバランス、求職者の志向性といった複数の要素が複雑に絡み合っています。採用担当者に求められるのは、これらのデータを読み解き、自社に合った採用戦略を構築・実行していくための視座と判断力です。単なる求人募集ではなく、企業の未来を左右する戦略的な人材獲得の取り組みとして、時代に即した柔軟性と創意工夫が必要不可欠となっています。
この記事の要点
- 2025年6月埼玉県の有効求人倍率は1.17倍で前月より0.04ポイント低下
- 新規求人は8.4%減少し、求人数減と求職者増で採用難度が上昇
- 情報通信業や運輸業など一部業種で求人増加が顕著
- 正社員志向の求職者は多いが採用実績との乖離が見られる
- 柔軟な働き方や情報発信力の強化が求職者確保の鍵
- 求人票の質と条件の見直しにより採用効率を高める工夫が必要
- SNSなど新たな媒体の活用で若年層へのアプローチが重要
⇒ 詳しくは埼玉労働局のWEBサイトへ