2025年8月19日
労務・人事ニュース
2025年6月茨城県の求人倍率1.18倍、データから読み解く採用活動のヒント
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最終更新: 2025年10月28日 09:35
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最終更新: 2025年10月28日 21:02
県内の雇用情勢の概況(令和7年6月分)(茨城労働局)
この記事の概要
2025年6月の茨城県における有効求人倍率は1.18倍で、前月から0.05ポイント低下しました。求人が求職を依然として上回ってはいるものの、改善の勢いが鈍化しており、採用担当者は雇用市場の変化に敏感に対応する必要があります。
2025年6月、茨城県の雇用情勢は一見すると安定しているように見えるかもしれませんが、実際には複雑な要素が絡み合い、企業の採用活動に影響を与えています。有効求人倍率(季節調整値)は1.18倍と、前月の1.23倍から0.05ポイント低下しました。これは、求人数が減少する一方で求職者数が増加していることが影響しています。具体的には、有効求人数が前月より2.2%減の44,201人となったのに対し、有効求職者数は1.7%増の37,528人と3か月連続で増加しました。これらの数値から読み取れるのは、求職活動がやや活発化する一方で、企業側の求人活動に慎重さが見られるという現実です。
採用担当者としては、このような情勢においてどのように行動すべきか、極めて戦略的な判断が求められます。求人倍率が高すぎれば人材の取り合いになりますが、逆に低下傾向にある今は、優秀な人材が市場に出てきやすいという見方もできます。つまり、採用の好機と捉えることもできるわけです。そのため、求人票の表現や待遇の明示、企業の魅力を伝える広報活動に一層力を入れるべき時期にあると言えます。
新規求人倍率(季節調整値)は2.00倍となり、前月より0.04ポイント上昇しました。新たに求人を出す企業が増加している一方で、新規求人数(原数値)は前年同月比で5.8%の減少となっており、6か月連続で減少しています。このギャップは、企業が必要最低限の求人に絞っている可能性や、採用予算の見直し、または経済状況に対する不安感の反映とも考えられます。産業別に見れば、サービス業(分類外)や公務・その他では求人が増加している一方で、卸売業・小売業、製造業、医療・福祉といった主要な業種では求人が減少しています。これらの業種では、長期的に人材確保が難しくなる可能性もあり、採用戦略の再構築が求められます。
正社員の有効求人倍率は0.97倍で、前年同月から0.01ポイントの上昇が見られました。これは、正社員を希望する求職者にとっては明るい材料である一方で、企業にとってはなお競争の激しい状況であることを示しています。求職者は安定した雇用を求める傾向が強まっており、非正規雇用から正規雇用への移行ニーズが高まっている現状をふまえれば、企業は柔軟かつ誠実な雇用制度を示すことが採用活動において決定的な要素となります。
新規求職申込件数は前年同月比で3.0%増加しており、雇用形態別では「常用」を希望する求職者が3.4%、「常用的パートタイム」が3.0%増加しています。これは、働くことへの意欲が強まっていることを示すと同時に、雇用形態に対する多様なニーズがあることを表しています。企業は単に正社員を募集するだけでなく、時短勤務やフレックス制度、パートタイムからの正規登用制度といった、柔軟な働き方を提示することが、より多くの求職者の目に留まるきっかけとなるでしょう。
さらに注目すべきは、雇用保険の動向です。失業給付の受給資格決定件数は前年同月比で18.3%増加し、8か月ぶりに増加へと転じました。また、受給者実人員も2か月連続の増加となる8.3%増を記録しています。これらのデータは、離職する労働者が増えていることを示唆しており、企業にとっては既存社員の定着率を高める施策が必要であることを意味します。従業員が長く働き続けられる環境を整えることが、採用コストを抑える上でも極めて重要です。
雇用保険の被保険者資格取得者数が前年同月比で42.8%増と大きく伸びている点も見逃せません。これは、転職市場に新たに参入する人材が増えていることを意味しており、企業にとっては新たな才能を獲得するチャンスでもあります。こうしたタイミングで、採用の門戸を広く開き、多様な人材を受け入れる柔軟性を持つことが、将来的な競争力につながるのです。
総じて、茨城県の雇用情勢は大きな変動こそ見られないものの、各種指標に現れるわずかな動きが、今後の採用市場を左右する可能性を秘めています。企業の採用担当者は、このような変化に敏感であると同時に、将来を見据えた採用活動を行うことが求められます。具体的には、職場環境の整備、福利厚生の充実、教育研修制度の強化、そして社内外への情報発信といった、包括的な取り組みが重要です。
この記事の要点
- 2025年6月茨城県の有効求人倍率は1.18倍で前月から0.05ポイント低下
- 有効求人数は減少し求職者数は増加、採用市場に変化の兆し
- 新規求人倍率は2.00倍で増加傾向にあるが、求人総数は減少が続く
- 正社員求人倍率は0.97倍で競争は依然として激しい
- サービス業や公務では求人が増加、卸売業や医療分野では減少
- 雇用保険受給者が増加し、離職者対応と社員定着策が重要に
- 採用活動は待遇・柔軟性・情報発信の質が今後の鍵を握る
⇒ 詳しくは茨城労働局のWEBサイトへ


