2025年8月19日
労務・人事ニュース
令和7年11月1日より広島県最低賃金が1,085円に引き上げ
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広島地方最低賃金審議会の意見に関する公示(広島労働局)
この記事の概要
令和7年11月1日より、広島県内の最低賃金が1時間あたり1,085円へと引き上げられることが決定されました。この改正は、広島地方最低賃金審議会の意見をもとに広島労働局が発表したもので、使用者や労働者にとって重要な影響をもたらします。
令和7年8月18日、広島労働局より広島地方最低賃金審議会の意見に基づき、広島県内における最低賃金の改定について正式な公示がなされました。これは最低賃金法第11条および第12条に則ったものであり、企業や労働者、またその団体にとって重大な関心事となります。今回の改定により、広島県内で事業を営む全ての使用者と、その使用者に雇用されるすべての労働者が対象となる新たな最低賃金が適用されます。その額は1時間あたり1,085円と定められ、令和7年11月1日から効力を発します。
この最低賃金の改定においては、基本給や時間外手当などの通常の労働報酬とは別に支給される、精皆勤手当や通勤手当、家族手当といった各種手当は賃金に算入されないことが明記されています。つまり、最低賃金1,085円は、それらの手当を除いた純粋な労働報酬に対して適用されるものであり、企業がこれらの手当を含めて時給を算出していた場合には、今後の給与体系の見直しが求められます。
この決定に対して異議がある場合は、令和7年9月2日までに広島労働局長宛に異議申出書を提出することが可能です。申出書には、異議の内容とその理由を記載する必要があります。これは、最低賃金改定が労使双方に与える影響を適切に調整するための制度的措置であり、公平性と透明性を担保するものといえます。
今回の改定額である1,085円という水準は、近年の物価上昇や労働市場の変化を背景にしたものであり、労働者の生活を守る観点からも一定の妥当性があるといえるでしょう。広島県の経済活動は都市部と地方部の両面を持ち合わせており、それぞれの地域で雇用の状況や産業構造が異なります。そのため、最低賃金の引き上げは中小企業を中心とした事業者にとっては負担増となる可能性もありますが、同時に労働力確保や従業員満足度の向上といった長期的なメリットも見込まれます。
企業の採用担当者にとって、この改定は賃金設計や求人戦略の見直しを迫られるタイミングでもあります。特に最低賃金ぎりぎりの時給で求人を出していた企業では、今後の求人票に記載する時給の引き上げが必要になります。また、賃金引き上げに伴う人件費増加に対して、経営資源の再配分や業務効率化の検討も重要になります。
労働者の視点から見ると、今回の最低賃金改定は可処分所得の増加をもたらす可能性がある一方で、雇用調整や労働時間の見直しなど企業側の対応によっては実質的な収入増につながらない懸念もあります。そのため、企業と労働者の間での建設的な対話がより一層求められる局面といえるでしょう。
今後、広島県において新たな最低賃金1,085円が定着するには、制度の理解促進と実効性のある運用が欠かせません。行政としても、事業者に対する周知活動や相談窓口の設置などを通じて、円滑な移行が図られることが期待されます。特に最低賃金の算出に関する誤解が多い現場では、手当の取り扱いや労働契約の見直しに関するガイドラインの活用が効果的です。
また、採用活動を強化する企業にとっては、最低賃金の上昇を単なるコスト増と捉えるのではなく、優秀な人材を確保するための投資と捉える姿勢が求められます。高い時給を提示することによって求職者の注目を集めやすくなり、求人の応募率が向上するという報告もあります。その一方で、業務内容に見合った賃金設定や職場環境の改善といった総合的な取り組みがなければ、持続的な雇用にはつながらない点にも注意が必要です。
最低賃金の引き上げが地域経済や企業経営に与える影響は一様ではありませんが、労働環境の質を高めるという意味では、今回の改定は前向きな一歩といえます。企業はこの機会を活かし、自社の給与制度や人事戦略の見直しを図るとともに、法令遵守の姿勢を明確にすることが社会的信用の向上にもつながるでしょう。
最低賃金改定の適用開始は令和7年11月1日となっており、これに向けて今後は企業側が就業規則や給与体系を再確認し、必要に応じて労働者との説明・合意を行う期間となります。これらの準備を怠った場合、後々労使間のトラブルを招く恐れがあるため、余裕を持った対応が求められます。とくに雇用契約書や賃金台帳の記載内容が現行法に適合しているかのチェックは、企業にとってのリスクマネジメントとして重要な要素となります。
この記事の要点
- 令和7年11月1日より広島県の最低賃金が1時間あたり1,085円に改定される
- 最低賃金に含まれない手当として精皆勤手当、通勤手当、家族手当が明示されている
- 対象は広島県内のすべての事業主および雇用される労働者
- 企業は求人時の時給設定や人件費の再計算が必要となる
- 法改定の円滑な適用には、企業と行政、労働者の相互理解が不可欠
- 今後の採用活動では最低賃金の引き上げが人材獲得戦略の一部になる
⇒ 詳しくは広島労働局のWEBサイトへ