2025年8月19日
労務・人事ニュース
令和7年11月12日改正予定、三重県最低賃金が1,087円に改定、64円の引き上げ
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最終更新: 2025年8月26日 22:37
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「夜勤なし」/正看護師/クリニック/ブランクのある方も歓迎
最終更新: 2025年8月26日 22:37
令和7年度三重県最低賃金(地域別最低賃金)の改正答申について(三重労働局)
この記事の概要
2025年11月21日から三重県における最低賃金が1時間あたり1,087円に改定されます。これは現在の1,023円から64円の引き上げとなり、1990年代以降で最大の増加幅です。
三重県における最低賃金の改定について、2025年11月21日より新たに時間額1,087円が適用される見通しとなりました。これは、三重地方最低賃金審議会が8月15日に取りまとめた結論に基づいており、同日、三重労働局長へ正式に答申が提出されています。現在の最低賃金である1,023円から64円の引き上げは、率にして6.26%の上昇であり、これは1990年代以降では最も大きな引き上げ幅となります。この数字の背景には、全国的な物価上昇や生活コストの高騰、人手不足への対応といった複数の要因が複雑に絡み合っており、単なる数字の変化にとどまらない社会的な意味を持ちます。
三重県の最低賃金は、近年連続して引き上げられてきました。令和元年には873円であったものが、令和2年に874円、令和3年には902円、令和4年に933円、令和5年には973円、そして令和6年には1,023円と、緩やかながらも一貫して上昇傾向を示しています。今回の64円増は、直近の引き上げ額である50円をさらに上回るものであり、地域経済や雇用に与えるインパクトは決して小さくありません。過去の引き上げ率を見ても、令和2年はわずか0.11%であったのに対し、今回は6.26%という高水準であり、労働市場全体の変化を如実に示しています。
最低賃金の改定は、従業員にとっては収入の増加を意味し、生活の安定につながる可能性が高まります。一方で、企業、特に中小企業にとっては人件費の上昇という課題を突きつけられることになります。特に、アルバイトやパートタイム労働者を多く抱える小売業やサービス業では、影響が顕著になると考えられます。人件費の増加を価格転嫁できない場合、利益率の圧迫や経営資源の再配分を迫られるケースも少なくないでしょう。
しかしながら、こうした改定は長期的には地域全体の購買力向上や経済活性化を後押しする可能性も秘めています。消費者の可処分所得が増えれば、それに伴って地域の商業活動が活発化し、結果的に企業の収益向上にもつながる好循環が生まれることが期待されます。最低賃金の引き上げは、単なる企業コストの増加にとどまらず、地域経済の再構築に関わる戦略的な要素として捉えるべきでしょう。
また、厚生労働省三重労働局は今回の答申を受けて、今後異議申し出の公示など必要な手続きを経て、正式な改正決定を行う予定です。このプロセスにおいては、関係各所からの意見や要望も考慮されるため、企業や労働者団体などの関係者は適切なタイミングでの情報収集と対応が求められます。
今回の改定は、企業にとって「人材確保の新たな競争環境」が生まれることも意味します。高い時給水準を提示することが優秀な人材を惹きつける要因となり、企業間での雇用競争が激化する可能性があります。特に、これまで最低賃金近辺で給与水準を設定していた企業にとっては、同業他社との差別化が難しくなり、福利厚生や労働環境の改善といった別の施策で魅力を高める努力が必要不可欠になるでしょう。
一方で、地域間格差の是正という観点から見れば、今回の三重県の改定は全国的な流れと足並みをそろえた動きと評価できます。全国的にも最低賃金の引き上げが進んでおり、特に都市部との賃金格差が指摘されていた地方圏では、今回のような大幅な引き上げが雇用の質を高め、地域への人材流入を促す可能性を高めています。
企業の採用担当者にとっては、この改定を単なるコスト上昇として見るのではなく、企業の魅力を高めるチャンスと捉えることが重要です。高い賃金水準を前提とした採用戦略の再構築、研修制度や働きがいのある職場づくりといった取り組みが、結果として優秀な人材の獲得と定着に寄与する可能性があります。最低賃金の引き上げは、労働者のモチベーションや生産性にも直接的な影響を与えるため、企業にとっては成長戦略の一環として前向きに取り組む姿勢が求められます。
今回の改定によって、最低賃金の水準は令和元年と比較して214円、率にして24.5%の上昇となります。6年間でこれほどの上昇率は非常に大きく、これまでにない速さで労働市場の変化が進んでいることを示しています。今後もこの傾向が続く可能性があるため、企業は継続的に経営体制の見直しと人材戦略の最適化を行う必要があるでしょう。
この記事の要点
- 2025年11月21日から三重県の最低賃金が1,087円に改定される
- 今回の引き上げ幅は64円で、1990年代以降で最大の増加となる
- 企業は人件費増への対応とともに人材確保の戦略も再構築が必要
- 改定は地域経済全体の活性化や購買力向上にもつながる可能性がある
- 採用活動では給与以外の魅力も訴求する必要性が高まる
- 中小企業にとっては経営の柔軟性と対応力が一層求められる
⇒ 詳しくは三重労働局のWEBサイトへ