2025年9月12日
労務・人事ニュース
令和7年度 大学在学者数が297万人に到達 採用戦略に影響を与える高等教育の進学動向
- 「残業ゼロ」/正看護師/老人保健施設/内科/精神科/病院
最終更新: 2025年9月11日 22:34
- 「時短勤務可」/准看護師・正看護師/デイサービス/保育園/幼稚園/介護施設
最終更新: 2025年9月11日 22:34
- 「夜勤なし」/准看護師・正看護師/整形外科/リハビリテーション科/外科/クリニック
最終更新: 2025年9月11日 22:35
- 「夜勤なし」/正看護師/デイサービス/保育園/幼稚園/訪問看護
最終更新: 2025年9月11日 22:35
学校基本調査-令和7年度(速報) 結果の概要-(文科省)
この記事の概要
令和7年8月27日、文部科学省は令和7年度の学校基本統計に基づく速報値を発表しました。全国の幼稚園から大学までの在学者数や教職員数の変動が明らかとなり、特に大学生数や女性教員の割合が過去最多を記録しました。教育現場における変化が、少子化や進学志向、女性活躍の流れなどを反映しています。
文部科学省が令和7年5月1日時点で実施した学校基本調査の速報結果によれば、日本国内の教育機関における在学者や教職員の数に大きな変化が見られました。この調査は、昭和23年度から毎年実施されており、国や地方自治体が教育政策を立案するための基礎資料として用いられています。今回の速報では、全国の幼稚園、小中学校、高等学校、大学、専門学校など幅広い教育機関を対象に、在学者数や教員数、女性比率の推移などが報告されました。
初等中等教育段階では、小学校の在学者数が約581万2千人となり、前年度から12万9千人減少し、過去最少を記録しました。同様に中学校も約310万5千人と3万6千人の減少となり、こちらも過去最少となっています。一方で、義務教育学校の在学者数は8万7千人で、前年より7千1百人増加し過去最多となりました。幼保連携型認定こども園では87万6千人が在籍し、前年度より1万8千人増え、こちらも過去最多となるなど、教育制度の選択肢の変化や保護者のニーズを反映した結果となりました。
また、特別支援学校の在学者数も約15万9千人に達し、前年より3千8百人増加するなど、インクルーシブ教育の推進が数値としても現れています。高等教育機関では、大学の在学者数が297万人と、前年より2万3千人増加し過去最多を記録しました。特に大学学部の女子学生は122万人に達し、女子学生の比率は46.1%と過去最高となっています。これにより、女性の高等教育への進学が着実に進んでいることが確認されました。
教員数についても注目すべき動きがありました。中学校の教員に占める女性の割合は45.0%、高等学校では34.1%、特別支援学校では63.0%といずれも前年度より微増し、いずれも過去最高を更新しました。大学全体の女性教員数は5万4千人となり、前年より1千人増加して過去最多となっています。これは女性活躍推進の政策的成果が、教育分野にも波及していることを示すものです。
また、専修学校の在学者数は62万2千人と、前年から1万2千人増加しました。その中で専門課程を設ける専門学校の生徒数は56万9千人で、こちらも1万1千人の増加を示しました。短期大学の学生数は減少傾向にあり、前年比で7千人少ない7万1千人となっています。教育の多様化が進む中で、より実践的なスキルを身につけられる専門学校への進学が増えている傾向が見て取れます。
今回の速報値は、今後の確定値の公表に向けて更なる精査が行われる予定であり、12月には最終的な統計が発表される見込みです。こうした統計情報は、教育政策にとどまらず、企業の採用や人材育成戦略にも大きく関係しています。若年層の学習環境や進学傾向を把握することで、企業が求める人材像をより明確に描き出すことができるからです。とりわけ女性の進学率や教員としての登用が進んでいる背景を踏まえれば、ダイバーシティやインクルージョンに配慮した職場環境の整備が一層求められる時代に突入しているといえるでしょう。
この記事の要点
- 小学校と中学校の在学者数は過去最少を記録した
- 大学の在学者数は297万人で過去最多となった
- 大学学部の女子学生数は122万人で過去最多、女子比率は46.1%
- 特別支援学校の在学者数は約15万9千人で過去最多
- 専修学校の在学者数は62万2千人で前年比1万2千人の増加
- 大学全体の女性教員は5万4千人で過去最多、教員に占める女性比率は28.2%
- 中学校、高等学校、特別支援学校でも女性教員の割合が過去最高を更新
- 専門学校生徒数は56万9千人で前年より1万1千人増加
- 教育制度の多様化が進み、保護者や学生のニーズに応じた進路選択が増加傾向にある
⇒ 詳しくは文部科学省のWEBサイトへ