2025年9月11日
労務・人事ニュース
2025年6月の建設受注額が7兆8,168億円に達し建設業界が活況を見せる
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国土交通月例経済(令和7年8月号)(国交省)
この記事の概要
令和7年8月に公表された国土交通月例経済報告では、建設、交通、観光の各分野における最新の統計データをもとに、日本の経済動向が明らかにされています。特に建設業界では公共・民間双方の受注が堅調に推移し、交通分野では航空旅客の回復が進んでいます。観光分野においては訪日外国人旅行者数が着実に増加し、国内旅行の消費も伸びを見せています。
令和7年8月に発表された「国土交通月例経済(令和7年8月号)」は、日本国内における建設、交通、観光など広範な分野における経済活動の状況を網羅的に捉えたものであり、政策立案や業界動向の把握において重要な資料となっています。まず建設分野においては、2025年6月時点での元請受注高が前年同月比で11.4%増加し、総額は7兆8,168億円に達しています。特に民間からの受注高は5兆4,861億円で12.9%増と大幅な伸びを見せており、建築や土木、機械装置工事などの需要が継続していることが確認されました。一方で、下請受注高は3兆3,888億円で11.6%減少しており、元請集中の傾向がうかがえます。また、新設住宅着工戸数は前年同月比で15.6%減の55,956戸となっており、住宅市場には調整局面が見られます。特に分譲住宅は17.9%減、持家は16.4%減と、大きな減少幅を記録しました。これに対して、給与住宅のみが前年同月比10.2%増と堅調な推移を示しています。
地域別に見ると、東京圏における建設の元請受注高は3兆6,746億円で前年同月比21.2%増と顕著な伸びを見せ、都市圏における再開発やインフラ更新などの影響が考えられます。これに対し名古屋圏は19.4%減と対照的な動きを示しました。大阪圏は12.9%増で、比較的安定した推移が続いています。また、新設住宅着工戸数についても、全国的に減少傾向が見られ、特にその他地域での着工戸数が23.1%減と最も大きな減少幅を記録しています。
交通分野では、旅客輸送においてJRと民鉄の輸送人員がそれぞれ2.6%増と3.2%増を記録しており、定期利用・定期外利用の両面で回復基調が続いています。バスとタクシーについてはそれぞれ微減の傾向が見られましたが、長距離フェリーは輸送人員が前年同月比12.5%増の21万人と大幅に回復しており、国内移動の多様化がうかがえます。航空輸送では国内線の輸送人員が843万人、国際線が131万人でそれぞれ5.8%増、5.7%増となり、需要回復の波が確実に広がっていることが分かります。特に国内線においては、主要7空港を結ぶ路線で6.1%増、それ以外の路線でも5.6%増と、広範囲にわたって利用が拡大しています。
貨物輸送の分野では、自動車輸送が前年同月比6.9%減の1億8,560万トンと減少傾向にあり、特に普通車は9.1%減と落ち込みが目立ちました。これに対し宅配便の取扱個数は3億7,351万個で1.2%増と堅調な需要を維持しています。鉄道貨物では車扱が11.3%減の116万トンであったのに対し、コンテナ輸送は169万トンで6.3%増となっており、輸送形態の変化も顕著です。内航海運については、貨物船が1,362万トンで8.8%減、油送船が747万トンで9.9%減と大きな減少が見られた一方で、外航海運では輸出が73万TEU、輸入が78万TEUでいずれも増加し、国際的な物流の需要は堅調に推移しています。航空貨物も輸出3.1兆円、輸入2.6兆円でそれぞれ5.1%増、4.8%増と堅調な伸びを見せています。
観光分野では、2025年7月の訪日外客数が344万人と前年同月比で4.4%増となっており、国・地域別にみると中国からの訪日客が25.5%増の97万人で最も大きな伸びを見せました。一方で韓国や香港からの訪日客は減少傾向にあり、国際情勢や為替レートなどの影響も見られます。また、国内における延べ宿泊者数は4,921万人泊で2.8%減少していますが、外国人延べ宿泊者数は1,324万人泊で全体の26.9%を占めるに至っており、インバウンドの回復が宿泊産業の支えとなっています。特に東京圏、名古屋圏、大阪圏の三大都市圏における外国人宿泊者数は前年同月比でいずれも二桁の増加率を記録しており、都市観光の需要の強さを改めて示しています。
加えて、日本人による国内旅行消費額も6兆7,988億円で前年同期比6.2%増となっており、宿泊旅行と日帰り旅行の両面で拡大が見られます。訪日外国人の旅行消費額も同期間で2兆5,250億円と18.0%の増加を記録しており、消費意欲の高さが経済効果として明確に表れています。その他の指標としては、自動車の新車登録台数が25万台で2.5%増、軽自動車の販売台数が15万台で10.3%増、自動車保有台数が8,287万台で0.2%増、高速道路通行台数が1億6,320万台で1.0%増となっており、交通インフラの利用も安定して推移しています。また、2025年6月の造船実績では竣工数が24隻、総トン数1,114,303G/T、船価が1,863億円と報告されており、造船業界の堅調な生産活動が確認されています。
このように、国土交通月例経済は多様な指標を通じて、わが国の経済の動向を具体的に明らかにしており、企業や政策担当者にとって極めて有益な情報源であることが再確認されます。
この記事の要点
- 建設の元請受注高が前年同月比11.4%増の7兆8,168億円
- 新設住宅着工戸数が15.6%減の55,956戸と大幅に減少
- 東京圏の建設元請受注高が3兆6,746億円で21.2%増
- 国内線航空輸送人員は843万人で5.8%増
- 訪日外国人旅行消費額が2兆5,250億円で18.0%増加
- 宅配便の取扱個数が3億7,351万個で1.2%増
- 外国人延べ宿泊者数が1,324万人泊で宿泊者全体の26.9%を占める
- 新車登録台数が25万台で2.5%増、軽自動車は15万台で10.3%増加
⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ