2025年9月16日
労務・人事ニュース
北海道令和8年3月卒予定の高卒求人倍率2.88倍に上昇、求人15,499人と人材争奪戦が加速(7月末現在)
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最終更新: 2025年9月15日 09:35
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令和 8 年 3 月新規高等学校卒業者の求人・求職状況(7 月末現在)(北海道労働局)
この記事の概要
北海道労働局が公表した令和7年7月末現在の令和8年3月卒業予定の高校生に対する求人・求職状況によると、道内の求人数は15,499人で前年同月比1.6%の減少、求職者数は5,376人で3.8%の減少となりました。道内求人倍率は2.88倍と前年同月より0.06ポイント上昇し、高卒者を対象とした採用ニーズが依然として高いことが明らかになっています。
北海道労働局が取りまとめた最新の雇用データによると、令和7年7月末現在における令和8年3月卒業予定の高校生を対象とした求人・求職状況において、道内全体の求人倍率は2.88倍となりました。これは前年同月と比較して0.06ポイント上昇した数値であり、企業側の採用意欲が依然として高い水準にあることを裏付ける結果です。一方で、求職者数は5,376人と前年同月から3.8%(211人)の減少を記録しており、求職者数の減少傾向が続いていることが分かります。
この求職者の内訳を男女別に見ると、男子が3,180人で前年比2.2%(72人)の減少、女子は2,196人で前年比6.0%(139人)の減少となっており、女子生徒の減少率が特に顕著でした。この背景には、大学進学や専門学校への進学を選択する生徒の増加や、就職以外の進路を選ぶ動きが広がっていることが影響している可能性があります。いずれにしても、求職者数の減少は、企業にとっては若年人材確保の競争がより厳しさを増していることを意味します。
一方で、道内における総求人数は15,499人と、こちらも前年同月比で1.6%(252人)の減少が見られました。このように求人数も求職者数もともに減少していますが、求職者の減少幅が大きかったために、求人倍率は上昇しています。産業別に見ると、建設業が3,871人(前年比+81人)で最多となり、全体の求人のおよそ4分の1を占めています。続いて卸売・小売業が3,020人(+7人)、製造業が2,387人(△7人)と続いています。12産業のうち、8産業で求人数が前年同月を下回っていることは、北海道内の雇用環境における一部の不透明感や経済の変動性を反映していると考えられます。
地域別に見ると、札幌圏の求人数が6,242人と道内最多となっていますが、前年同月比では0.1%の微減です。次いで帯広が1,235人(△3.0%)、旭川が1,183人(△6.6%)と続き、主要都市圏での求人もやや減少傾向にあります。しかし、全道20地域のうち、釧路(+12.3%)や千歳(+11.4%)など6地域では前年同月を上回っており、地域ごとの経済活動の回復具合に差があることが分かります。特に釧路や千歳では、新規の物流拠点の整備や観光業の回復が雇用創出に寄与している可能性が高く、今後の動向にも注目が集まります。
北海道労働局はこのような状況に対応するため、ハローワーク職員や就職支援ナビゲーターによる企業への求人開拓活動や、新規高卒者の採用枠拡大の要請を継続的に実施しています。令和7年6月には、北海道と北海道教育委員会と連携し、道内の主要な経済団体に対して新卒者採用と職場定着を求める要請も行われました。これにより、道内の企業側が若年労働者を積極的に迎え入れるための環境づくりを推進しています。
また、求職者である高校生への支援策も幅広く展開されています。6月1日からハローワークにおける新規高卒者求人の受付を開始し、7月1日以降は「高卒就職情報WEB提供サービス」を通じて各高等学校へ求人情報を配信しています。これにより、学校を通じた迅速かつ的確な情報提供が可能となり、生徒自身が主体的に進路選択を行うための環境が整備されています。
さらに、ハローワーク職員や就職支援ナビゲーターが高校を訪問し、職業講話を通じて生徒に対し産業や職業に関する知識を提供しています。このような取り組みは、生徒の職業観やキャリア形成への理解を深め、ミスマッチのない就職活動につながると期待されています。6月から9月の期間には、就職ガイダンスや企業説明会、応募前の職場見学なども開催されており、企業と学生の接点を早期に持たせる工夫が随所に見られます。
このような多面的な取り組みの結果として、高卒者の就職活動がスムーズに進行するような基盤が整備されつつありますが、一方で人口減少や都市部への若年層の流出といった構造的な課題も依然として存在しています。とくに地方圏では、求人数が都市部に比べて限られており、産業の偏在やインフラの整備状況が就職先の選択肢に影響を与える場面も見られます。こうした地域格差を解消するためには、引き続き行政と民間が連携し、地元に根差した魅力ある職場の創出と発信が求められます。
北海道における雇用市場は、全体としては堅調な推移を見せているものの、求職者数の減少という流れの中で、企業側の人材確保はますます競争が激しくなっていくと予想されます。その中で、企業に求められるのは、若者にとって魅力ある職場づくりだけでなく、長く働き続けられるような職場環境の整備と、継続的なキャリア支援体制の構築です。今後も地域ごとの雇用動向を丁寧に分析し、的確な政策や企業の取り組みにつなげていくことが不可欠です。
この記事の要点
- 道内求人倍率は2.88倍で前年同月比0.06ポイント上昇
- 求職者数は5,376人で前年同月比3.8%減
- 求人総数は15,499人で前年比1.6%減、求人数減少も倍率は上昇
- 建設業が最多で3,871人の求人、前年比81人増
- 札幌圏が最多の6,242人で0.1%減、帯広・旭川は減少、釧路・千歳は増加
- 女子の求職者が前年比6.0%減で顕著な減少傾向
- 求人開拓や就職支援、職業講話・ガイダンスなど各種施策が実施中
- WEBによる求人情報提供や職場見学などで情報アクセスと理解促進を支援
⇒ 詳しくは北海道労働局のWEBサイトへ