労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 内航船の輸送量が2,314万トン、令和7年5月は前年比5.1%減少

2025年9月14日

労務・人事ニュース

内航船の輸送量が2,314万トン、令和7年5月は前年比5.1%減少

Sponsored by 求人ボックス

内航船舶輸送統計月報の概要(令和7年5月分)(国交省)


この記事の概要

令和7年5月における内航船舶の総輸送量は2,314万7千トンと、前年同月比で5.1%減少しました。主要品目では、砂利・砂・石材の輸送量が増加した一方、石炭や原油など多くの品目で減少が見られました。燃料消費量は前年とほぼ同水準で推移し、航海距離と輸送効率にはわずかな減少傾向が見られました。


国土交通省が発表した「内航船舶輸送統計月報(令和7年5月分)」によると、当月の内航船舶による総輸送量は2,314万7千トン、トンキロベースでは1億1,738百万トンキロと、それぞれ前年同月比で5.1%、6.1%の減少となった。これは、エネルギー関連や建設資材を中心とした物流需要の鈍化が一因とみられ、内航輸送全体において緩やかな縮小傾向が見受けられた。

品目別の動向を見ると、トンベースでは砂利・砂・石材が前年同月比で3.7%増加し、引き続き建設需要を支えている状況がうかがえる。一方で、石炭は25.3%減、原油は15.1%減、重油は4.9%減と、エネルギー関連品目の減少が際立っていた。これらは、発電需要の減少やエネルギー転換の進展など、構造的な変化を反映している可能性がある。また、セメントは6.8%、化学薬品は6.4%、その他の石油製品は12.3%と、それぞれ減少が続いている。鉄鋼については0.3%の微減にとどまった。

一方、トンキロベースで見ると、揮発油の輸送量が前年同月比で10.1%の増加となり、自動車燃料需要の安定が背景にあると考えられる。反対に、原油は26.0%減、石炭は25.7%減、その他の石油及び石油製品は18.8%減と、長距離輸送における需要低下が鮮明であった。石灰石やセメントなどの建設資材もそれぞれ9.8%、9.6%と減少しており、全国的な建設活動の低下傾向がうかがえる。

燃料消費量については、合計で172,829千リットルとなり、前年と比較してほぼ横ばいの水準で推移した。これは輸送量の減少に対して、燃費効率の維持や船舶運航の最適化が一定の効果を発揮していることを示唆している。内訳を見ると、大型鋼船が92,226千リットル、小型鋼船が43,140千リットル、プッシャーバージや台船が1,301千リットルを消費しており、各船種でエネルギー使用量に大きな変動は見られなかった。

航海距離は9,961千キロメートルで、前年同月比3.0%減少した。これは、航行経路の見直しや航行回数の削減による効率化の一環と考えられる。輸送効率に関しては、全体で39.9%となり、貨物船では40.0%、油送船では38.1%であった。全体的には、輸送需要の縮小とともに運航効率の維持が課題となっており、今後の対応策が注目される。

今回の統計データは、内航船舶輸送業界が直面する現実を如実に映し出しており、特にエネルギー需要や建設活動の影響が輸送量に大きく反映されていることが分かる。経済動向や政策によって大きく左右される分野であるだけに、業界関係者は今後の需要動向を注視しながら、運航の最適化やコスト削減への取り組みを一層強化する必要がある。

また、環境負荷軽減の観点からも、輸送効率の向上や燃料使用量の削減は中長期的な課題である。船舶の燃費性能向上や省エネ航行技術の導入、さらには物流ネットワークの再構築を通じた全体最適化が今後の成長戦略として求められている。

内航輸送は国内の物流を支える不可欠なインフラであり、その維持と発展には、正確な統計に基づいた施策の立案と実行が欠かせない。今回の5月分の統計結果は、現状の課題と向き合う上での貴重な指針となるだろう。

この記事の要点

  • 総輸送量は2,314万7千トンで前年同月比5.1%減少
  • 砂利・砂・石材は3.7%増と堅調だが石炭は25.3%減と大幅減
  • 燃料消費量は172,829千リットルで前年と同水準
  • 航海距離は9,961千キロメートルで前年比3.0%減
  • 輸送効率は全体で39.9%、貨物船は40.0%、油送船は38.1%

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ
パコラ通販ライフ
PR記事作成サービス受付フォーム