2025年9月27日
労務・人事ニュース
事業所規模5人以上 令和7年3月製造業の全国常用労働者数761万人と地域別労働時間
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最終更新: 2025年9月26日 23:02
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毎月勤労統計調査地方調査 令和7年3月分結果概要 事業所規模5人以上 製造業(厚労省)
この記事の概要
令和7年3月に実施された厚生労働省の毎月勤労統計調査地方調査(製造業、事業所規模5人以上)では、全国および各都道府県別の常用労働者数や労働時間、出勤日数、給与総額などが詳細に報告されています。これらのデータは企業の採用担当者にとって、地域ごとの労働環境や賃金水準を把握し、人材戦略を立てるうえで重要な指標となります。特に労働時間の内訳や給与構成の違いから、地域間の特徴や傾向を読み解くことが可能です。
令和7年3月分の毎月勤労統計調査地方調査によると、製造業における常用労働者数は全国で約761万人に達しており、平均的な総実労働時間は152.4時間、そのうち所定内労働時間が138.7時間、所定外労働時間が13.7時間となっています。出勤日数は18.3日であり、現金給与総額は35万4167円、きまって支給する給与は32万9195円、所定内給与は29万7991円、特別給与は2万4972円という結果でした。これらの数字は全国平均として示されており、地域ごとに大きな差異が見られます。
北海道では常用労働者数が16.26万人で、総実労働時間148.4時間、所定内135.6時間、所定外12.8時間、出勤日数18.6日、現金給与総額27万9892円となっており、全国平均よりも労働時間が短く、給与水準も低めです。一方、東京都は常用労働者数42.47万人と最も多く、総実労働時間146.7時間、所定内134.9時間、所定外11.8時間、出勤日数17.7日、現金給与総額50万5087円と全国で最高の給与水準を誇っています。このように首都圏は高い給与水準が特徴的である一方、労働時間は比較的短めであることがわかります。
東北地方の青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島では、総じて労働時間が長めで、特に秋田県は所定外労働時間が10.1時間と少ないものの、現金給与総額が31万1801円と東北の中でも高い水準を示しています。福島県は特別給与が非常に低く5778円に留まっている点が特徴的です。関東地方の茨城、栃木、群馬では、労働時間は全国平均に近く、給与水準は30万円台後半から35万円台前半で安定しています。特に栃木県は現金給与総額35万2321円と高めで、所定外労働時間も16.1時間と長めです。
中部地方の愛知県は常用労働者数77.22万人と全国で最多クラスであり、総実労働時間158.2時間、所定内141.2時間、所定外17.0時間、出勤日数18.6日、現金給与総額38万7433円と高い労働時間と給与水準を示しています。三重県や岐阜県も同様に労働時間が長く、給与も30万円台後半から36万円台と高めです。静岡県は労働時間が153時間程度で、給与は32万6526円と中堅レベルです。
関西地方では大阪府が常用労働者数49.07万人、総実労働時間149.2時間、所定内137.7時間、所定外11.5時間、出勤日数18.0日、現金給与総額36万512円と高水準ですが、兵庫県はさらに高い38万7329円の給与を記録しています。奈良県や和歌山県は労働時間が144時間台と短めで、和歌山県は特別給与が6万5762円と突出して高いのが目立ちます。
中国・四国地方では広島県が総実労働時間158.8時間と全国トップクラスの長さで、現金給与総額35万8094円と高水準です。岡山県も似た傾向で、労働時間が158.2時間、給与33万円台後半です。香川県や徳島県は労働時間が150時間前後で、給与は29万~32万円台とやや控えめです。
九州地方では熊本県が159.3時間と全国で最も長い総実労働時間を記録し、現金給与総額33万4295円と高めです。福岡県も156.4時間の労働時間で32万5005円の給与を得ています。沖縄県は労働時間が153.2時間で、給与は24万2077円と全国で最低水準に近い状況です。
この調査結果から、地域ごとに労働時間や給与水準に明確な差が存在することがわかります。首都圏や中部地方の主要都市は高い給与水準を維持しつつ、労働時間は比較的抑えられている傾向があります。一方、地方の一部地域では労働時間が長いにもかかわらず給与が相対的に低いケースも散見され、これは地域経済の格差や産業構造の違いを反映していると考えられます。特に特別給与の額には大きなばらつきがあり、和歌山県の6万5762円は全国平均の約2.6倍にあたるため、何らかの地域特有の要因が影響している可能性があります。
企業の採用担当者にとって、このような詳細な労働時間や給与の地域差は、求人条件の設定や人材獲得戦略の策定に不可欠な情報です。例えば、給与水準が高い東京や愛知では競争が激しいため、福利厚生や労働環境の充実が求められる一方、労働時間が長い地域ではワークライフバランスの改善が採用の鍵になるでしょう。また、特別給与の割合や出勤日数の違いも、従業員満足度や離職率に影響を与える要素として注視すべきです。
さらに、今回の調査は全国の数値が毎月勤労統計調査全国調査の結果であり、都道府県別の数値は地方調査の集計であるため、直接的な合計や平均とは異なる点に注意が必要です。各都道府県の統計主管課に問い合わせることで、より詳細な分析や最新の動向把握が可能となります。
総じて、令和7年3月の製造業における労働時間と給与の実態は、地域ごとの経済状況や産業構造の違いを如実に表しており、企業の人事戦略において極めて重要な基礎資料となります。今後もこうした統計データを活用し、地域特性に応じた柔軟な採用・労務管理を行うことが求められます。
この記事の要点
- 全国の製造業常用労働者数は約761万人、平均総実労働時間は152.4時間、現金給与総額は35万4167円
- 東京都は労働時間が短く給与水準が全国最高の50万5087円を記録
- 愛知県は労働時間が最長クラスの158.2時間で給与も高水準の38万7433円
- 九州の熊本県は全国で最も長い労働時間159.3時間を記録しながら給与は33万4295円
- 和歌山県の特別給与が6万5762円と全国平均の約2.6倍で突出している
- 地域ごとに労働時間と給与に大きな差があり、産業構造や経済状況の違いを反映
- 企業の採用担当者は地域特性を踏まえた給与設定や労働環境整備が重要
- 全国数値は全国調査、都道府県数値は地方調査の集計であり直接比較には注意が必要
- 労働時間の長短と給与水準のバランスが地域ごとに異なり、採用戦略に影響を与える
- 今後も統計データを活用し、地域に適した人事・労務管理が求められる
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ