2025年9月25日
労務・人事ニュース
令和7年8月時点で北海道タクシー業界の売上が前年比30%増、採用強化の成果が明確に
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最終更新: 2025年9月24日 22:37
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最終更新: 2025年9月24日 22:36
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景気ウォッチャー調査(令和7年8月調査)― 北海道(現状)―(内閣府)
この記事の概要
北海道における令和7年8月の景気動向調査では、観光や小売業を中心に一部では好調な動きが見られる一方で、物価高や猛暑、インバウンド客の動向などにより業種間で景況感にばらつきがあることが明らかになりました。この記事では、北海道の経済活動を支える各業種の声を丁寧に紹介し、企業や採用担当者にとって有益な現場情報をお伝えします。
北海道経済の現状を示す令和7年8月の「景気ウォッチャー調査」によると、観光業を中心とした一部の分野では活気を見せているものの、依然として物価高や人手不足などの課題に直面している様子が浮き彫りとなっています。とくに、夏の観光シーズンにあたる8月は、道内各地の観光名所やホテル、飲食業界にとって大きな商機となる一方で、気温の上昇や円安、国際的な情勢不安などが影を落とす場面もみられました。
まず注目すべきは、観光業や関連サービス業の回復基調です。旅行代理店や観光施設の担当者によると、今年の8月は連日の晴天に恵まれたことに加え、北海道が持つ自然やグルメといったブランド力が改めて評価され、国内外からの観光客が前年を大きく上回るペースで訪れているとのことです。特にインバウンド需要の回復は顕著であり、中国、韓国、台湾などアジア諸国からの旅行者が増加傾向にあります。コロナ禍以降、アクティビティ志向の高い旅行スタイルが主流となっており、ゴルフやアウトドア体験を求める個人旅行客のニーズが高まっています。これにより、観光地の来場者数は8月単月としては過去最高を記録した施設もあるなど、明るい兆しが見えてきました。
また、道内の一部百貨店や高級レストランでも、高単価商品への消費意欲が回復傾向にあるとの報告があります。特にレストランでは、これまでの施策が奏功し、客単価の引き上げに成功した例もみられています。一方で、インバウンド客に頼るラグジュアリーブランドの一部では売上が振るわず、今後の需要に対する不安も残されています。観光型ホテルでは、7月に起きた地震に関する風評被害が一部地域に影響を及ぼし、団体客のキャンセルが発生するなど、安定的な回復にはまだ時間を要すると見られます。
小売業においては、商材によって好不調の差が顕著に出ているようです。お土産品を取り扱う店舗では、2024年比で106.5%、2023年比で137%、さらにコロナ前の2019年比でも131.7%の売上を記録するなど、観光客の購買意欲が戻ってきていることが伺えます。一方で、一般消費者向けのスーパーやコンビニでは、節約志向が依然として根強く、不要不急の商品については価格が安くても売れ行きが鈍い状況が続いています。特に、家庭での支出を抑える傾向が強まっており、最低限必要な物だけを購入するスタイルが定着していると指摘されています。
加えて、猛暑の影響も経済活動に影を落としています。衣料品専門店では、日中の気温上昇が来店者数の減少に繋がっており、売上は回復傾向にあるものの、例年よりも外出を控える傾向が見られています。スーパーでは、お盆商戦で一時的に売上が伸びたものの、その後は消費者の財布の紐が一層厳しくなり、全体としては厳しい状況が続いています。飲食業も同様で、物価高に加え、お盆後の需要減少が影響し、売上が低下している店舗も少なくありません。
自動車販売に関しては、乗用車販売店からは新車登録台数の落ち込みが報告されています。これは、物価高や商品構成の弱さに加え、消費者の買い控えが影響しているとみられます。特に、競合他社を含めた地域全体の新車登録台数は前年比66%と大きく落ち込んでおり、収益面でも厳しさが増しています。ただし、中古車や整備部門は比較的安定しているため、全体の落ち込みをやや緩和する要因となっています。
一方で、建設業や輸送業など一部の産業では、堅調な動きが確認されています。建設現場では、熱中症対策を徹底することで工程の遅れを防ぎつつ、工事が計画を上回るペースで進行しており、景気回復を牽引する存在となっています。また、建設機械のリースや建材供給といった周辺産業も堅調に推移しており、民間および公共の投資活動が地域経済を支える構図が見えています。
雇用関連では、人材派遣会社や職業安定所の報告から、求職者数の増加と企業の採用意欲の高さが見て取れます。特に、タクシー業界では乗務員の採用が順調に進んだことにより、稼働台数が前年比で20%増加、1台あたりの売上も6%増、結果として会社全体の売上が30%増加したという好例が報告されています。ただし、採用や人件費にかかるコストも増えており、利益面では前年並みである点が課題です。
しかし、業種や地域によっては依然として課題が山積しています。金属製品製造業では、新築注文住宅の着工件数が前年から12%減少し、工場出荷台数も15%減と厳しい状況にあり、今後の回復も見通しが立っていません。通信業や金融業では、人件費や資材費の上昇に伴うコスト負担が重く、企業収益の圧迫要因となっています。
求人市場では、アルバイト・パートの求人数が一時的に下げ止まりつつある反面、正社員の求人が減少傾向にあるという報告もあります。これは、スポットワークの需要増加や人件費上昇による企業側の負担意識が影響しているとみられ、今後の労働市場にも変化の兆しが現れる可能性があります。
このように、北海道の経済は一部の業種で回復の兆しを見せつつも、全体としては物価高、猛暑、インバウンドの不安定さといった複数の要因が絡み合い、安定的な成長を取り戻すにはもうしばらく時間を要する状況にあります。企業にとっては、こうした環境下でも柔軟な経営判断と人材確保への対応力が求められており、採用や投資のタイミングを慎重に見極めることが重要となるでしょう。
この記事の要点
- 観光業を中心に回復傾向がみられる
- インバウンド需要の復活が経済を下支えしている
- 物価高が消費者行動に大きな影響を与えている
- 業種間で景気の明暗が分かれている
- 建設業や輸送業は堅調に推移
- 求人市場はアルバイトから正社員へのシフトが進んでいる
- 乗用車販売は前年比66%と大幅減少
- タクシー業界では前年比30%の増収を達成
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ