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2025年9月25日

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令和7年9月5日開始、賃金50円未満から未満額まで拡大された業務改善助成金とは

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9月5日から、事業場内最低賃金の引上げに取り組む中小企業等を 支援する「業務改善助成金」を拡充します(厚労省)


この記事の概要

厚生労働省は令和7年9月5日より、中小企業などが従業員の賃金を引き上げる際に活用できる「業務改善助成金」の制度を拡充しました。新たな措置により、対象となる事業所の範囲が広がるとともに、一定の条件を満たす場合には申請手続きの簡略化も可能となりました。


厚生労働省は、最低賃金の引き上げに取り組む中小企業や小規模事業者への支援を強化するため、令和7年9月5日より「業務改善助成金」の制度を大幅に拡充しました。これは、事業場内で最も低い賃金、いわゆる事業場内最低賃金を一定額以上引き上げたうえで、生産性向上のための設備投資などを実施した事業者に対して、かかった費用の一部を助成する制度です。従来よりも申請のハードルが下がり、より多くの中小企業がこの制度を利用できるようになります。

今回の拡充では、対象となる事業所の範囲が広がりました。これまでの制度では、事業場内最低賃金が地域別最低賃金との差額50円以内である場合に限り、助成対象となっていましたが、新制度では「改定後の地域別最低賃金未満」の水準にある事業所までが対象となります。この変更により、地域の最低賃金引き上げによって従業員の給与が最低基準を下回ってしまう事態に対応しやすくなり、より多くの中小事業者が助成を受けられるようになります。

また、助成金を申請する際に必要とされていた「賃金引上げ計画書」の事前提出についても、条件付きで不要となる柔軟な対応が取られます。具体的には、令和7年9月5日からその年の地域別最低賃金改定日前日までに、すでに賃金の引上げを実施している場合には、計画書の提出を省略することが可能となります。この措置によって、迅速な対応を行っている事業者に対しては、事務的負担を軽減しながら支援を行う仕組みが整えられています。

この助成金は、単なる賃上げ支援にとどまらず、生産性の向上を前提とした制度である点に特徴があります。たとえば、業務効率化のためのITツール導入、従業員の作業負担を軽減するための設備投資、職場環境の改善などが該当します。こうした取り組みにかかる費用を国が一部支援することで、中小企業が持続可能な経営体制を築くための後押しがなされます。

さらに、今回の拡充は、厚生労働省だけでなく、経済産業省中小企業庁も連携し、賃上げに取り組む事業者への補助金制度を拡充する方針です。こうした官民連携による包括的な支援体制は、最低賃金の全国的な底上げと、中小企業の健全な成長の両立を目的としています。

少子高齢化が進む日本において、労働力の確保と従業員の定着率向上は、企業経営にとって重要な課題です。その解決策の一つとして、適正な賃金水準の確保は不可欠であり、今回の助成金拡充はまさにその実現を支える施策といえます。採用担当者にとっても、従業員の待遇改善を通じて魅力ある職場づくりを進める上で、この助成金は極めて有用な制度です。

なお、今回の助成制度に関する詳しい情報は、厚生労働省労働基準局賃金課まで問い合わせることができます。代表番号や直通番号が用意されており、制度の詳細や申請に必要な手続き、適用の可否などについて確認することが可能です。今後の最低賃金改定スケジュールを見据え、制度の活用を検討する企業は、早めの情報収集と準備が望まれます。

この記事の要点

  • 令和7年9月5日より業務改善助成金が拡充された
  • 助成対象となる事業所の範囲が「地域別最低賃金未満」まで拡大された
  • 賃金引上げ計画の事前提出が条件付きで不要となった
  • 中小企業の生産性向上に資する投資が助成対象となる
  • 厚生労働省と経済産業省が連携し包括的支援を実施
  • 企業の採用力向上と従業員の定着に資する制度である

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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