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2025年9月25日

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警察庁が自転車ルールブックを作成、交通違反の指導と検挙の考え方を明確化

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「自転車を安全・安心に利用するために」(自転車ルールブック)の作成について(警察庁)


この記事の概要

警察庁は、自転車に関する基本的な交通ルールと、交通違反の指導・取締りに対する考え方を整理した「自転車ルールブック」を作成し、公表しました。新たに導入される青切符制度への理解を促進し、自転車利用の安全性と安心感を高めることを目的としています。


警察庁は、自転車を利用するすべての人に向けて、安全かつ安心して走行できるようにするための新たなガイドラインとして、「自転車ルールブック」を策定・公開しました。今回のルールブックは、自転車利用者が守るべき基本的な交通ルールを改めて明確にし、加えて警察による交通違反に対する取締りの基本的な考え方をわかりやすくまとめたもので、特に2026年以降に導入が予定されている交通反則通告制度、いわゆる青切符制度への理解を深めるための資料としても重要な意味を持ちます。

このルールブックの背景には、自転車利用者による重大な交通違反や、それに起因する事故の発生が社会的に問題視されている現状があります。近年では、スマートフォンを使用しながらの運転や信号無視、歩行者を無視した無謀な運転といった危険行為が見受けられ、特に通学・通勤時間帯や夕暮れ時に事故が集中していることが報告されています。警察庁では、こうした事案に対し、単なる口頭での注意では限界があると判断し、再発防止と抑止力の強化を目的として青切符制度の導入を進めています。

青切符制度とは、これまで自転車による交通違反の多くが「指導警告」で終わっていたものについて、16歳以上の違反者に対して反則金を科す制度です。たとえば、スマートフォンを見ながら走行して他の車両に急ブレーキをかけさせたケースや、信号を無視して交差点に進入するなど、他人の安全を著しく脅かすような行為が対象となります。こうした違反に対しては青切符が交付され、反則金を納めることで刑事罰ではなく行政手続きとして処理される仕組みです。

ルールブックでは、自転車の安全利用に関する基本ルールとして、「車道が原則で左側通行」「歩道は例外であり歩行者優先」「交差点では信号と一時停止を厳守し安全確認」「夜間はライトを点灯」「飲酒運転の禁止」「ヘルメットの着用」を柱とする五則を紹介しています。これらのルールは法令に基づいており、違反した場合には事故の危険性が高まるだけでなく、警察による厳格な指導や検挙の対象にもなります。

また、青切符の対象とならない違反についても、ルールブックでは明確に説明されています。たとえば、スピードを出して歩道を走行していた場合や、16歳未満の者による違反などについては、これまで通り指導警告が基本とされます。しかし、こうした違反でも繰り返し行われる場合や、他者に危険を及ぼすと判断された場合には、より厳しい対応がなされる可能性がある点も指摘されています。

警察庁は、指導取締りを行うにあたって、重点的に対応する場所や時間帯を明確にしています。具体的には、各都道府県警察が指定する「自転車指導啓発重点地区」や、朝の通勤・通学時間帯、日没前後などの事故が起こりやすい時間帯を中心に、警察官が現場で直接指導・警告・検挙を行う体制を整えています。このような重点的な取締りは、事故防止の観点から極めて重要であり、ルールブックにも強調されています。

さらに、重大な違反や事故を起こした場合には、青切符ではなく刑事手続きによって処理されることになります。たとえば、酒気帯び運転や酒酔い運転、あおり運転、遮断機の下りた踏切への進入、ブレーキ装置のない自転車の運転などは、その危険性の高さから刑事事件として扱われることになります。この点においては、自転車であっても自動車と同様に法的責任が問われるという認識が必要です。

ルールブックではまた、自転車運転者が違反した場合に受ける可能性のある処分として、「自転車運転者講習」や「運転免許の停止」などの情報も明記されています。これにより、自転車利用者に対して単に罰則を課すのではなく、教育的な視点から再発防止を促す体制も整備されつつあります。

今回の取り組みは、単なる交通ルールの周知にとどまらず、社会全体に対して自転車の安全利用に対する意識を高めることを目的とした重要な一歩です。企業の採用担当者にとっても、従業員が通勤などで自転車を利用する場合には、こうしたルールの徹底を図ることが、安全管理やコンプライアンスの観点からも求められる時代になってきています。職場での安全教育の一環として、本ルールブックの内容を共有・活用することも推奨されます。

この記事の要点

  • 自転車の基本的な交通ルールをまとめたルールブックを警察庁が公表
  • 背景には青切符制度導入に伴う取締り強化と安全意識の向上
  • 青切符は16歳以上が対象、信号無視やスマホ使用などに適用
  • 基本ルールは「車道の左側通行」「信号遵守」「ライト点灯」など5項目
  • 重大違反には刑事手続が適用、飲酒運転や踏切侵入などが対象
  • 取締りは通勤通学時間帯や日没前後の重点地区で集中的に実施
  • 企業にとっても従業員の通勤時の安全確保が重要な課題
  • 教育的措置として運転者講習や免許停止の処分も視野に

⇒ 詳しくは警察庁のWEBサイトへ

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