2025年9月24日
労務・人事ニュース
常用労働者数は5182.8万人に、前年比1.4%増で雇用拡大が継続(令和7年7月速報分)
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最終更新: 2025年9月24日 10:24
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毎月勤労統計調査 令和7年7月分結果速報 常用雇用及び労働異動率(厚労省)
この記事の概要
令和7年7月の毎月勤労統計調査によると、常用労働者総数は前年比1.4%増の5,182.8万人となり、引き続き雇用の安定が確認されました。入職率は1.77%、離職率は1.63%と、入職超過の状況が維持されており、労働市場の需給は堅調に推移しています。パートタイム労働者比率は31.12%に上昇し、雇用形態の多様化も進展しています。
厚生労働省が発表した令和7年7月分の毎月勤労統計調査速報によると、国内の常用雇用状況および労働異動率において、堅調な労働市場の動きが示されました。事業所規模5人以上を対象とした本調査では、労働者総数は5,182.8万人となり、前年同月と比べて1.4%の増加を記録しています。これは、経済活動の再活性化や人材確保に向けた企業の積極的な雇用姿勢の現れといえます。
雇用形態の内訳を見ると、パートタイム労働者の比率が31.12%と、前年から0.35ポイント上昇しました。この上昇は、柔軟な働き方を求める労働者の増加や、企業側が即戦力となる短時間勤務者を戦略的に活用している背景があると考えられます。特にサービス業などでは、時間に制約のある人材を積極的に雇用する傾向が強まっており、パートタイム比率の上昇が続いています。
また、労働異動の観点から注目すべきは、入職率と離職率の推移です。令和7年7月における入職率は1.77%で、前年同月比では0.04ポイントの微減でしたが、依然として高い水準を維持しています。一方、離職率は1.63%であり、こちらも前年同月比で0.04ポイント低下しています。このように、入職率が離職率を上回る状態が続いており、労働市場においては「純増」の状態が維持されていることになります。企業が人材を採用し、それを維持できていることは、経営基盤の安定化を示すものでもあります。
産業別に詳細を見ると、建設業では労働者数が259.9万人で前年比2.5%の増加となり、堅調な人材需要が反映されています。パートタイム労働者比率は5.38%と低く、フルタイム雇用が中心となっていることがわかります。入職率は1.21%、離職率は1.07%で、差し引き0.14ポイントの純増です。インフラ整備や都市開発の需要に伴い、技能労働者の確保が急務となっており、採用活動が活発化している様子が見受けられます。
製造業では、労働者数が768.6万人と大規模な雇用を支えていますが、前年比では0.1%の微減となっています。これは、AIや自動化技術の導入が進む一方で、現場作業の効率化により、必要な労働者数が調整されつつあることを示唆しています。パートタイム労働者比率は12.72%、入職率は0.86%、離職率は1.07%と、やや離職超過の状況となっています。この動きは、製造現場の厳しい労働環境や、待遇面の見直し課題などが影響していると考えられます。
電気・ガス業では、労働者数が26.7万人で前年比0.7%の増加、入職率は2.60%、離職率は3.18%という結果となり、離職率が入職率を上回る異動超過の状態です。とくに離職率は前年同月比で1.04ポイント上昇しており、職場環境や労働条件に関する見直しが急務とされる領域です。パートタイム比率は3.55%と低く、正規雇用中心の業種であることがうかがえます。
興味深いのは、鉱業・採石業等における労働異動の動きです。労働者数は1.3万人と小規模ながら、入職率は2.25%、離職率は1.75%であり、前年に比べて入職率が1.02ポイント上昇、離職率も1.22ポイント上昇しています。労働者の出入りが非常に活発であり、新陳代謝の激しい労働市場となっていることがわかります。パート比率は9.43%で、前年比5.44ポイントもの大幅な上昇がありました。短時間労働者を含む柔軟な人材活用が進んでいる証左といえます。
このように、産業ごとに雇用構造や異動の傾向には大きな違いがあり、企業の採用戦略や労務管理のあり方に直結する重要な要素となっています。入職率が高い業種では、積極的な採用と人員増強が進められており、一方で離職率が高い業種では、働きやすい職場環境の整備や労働条件の見直しが課題として浮かび上がっています。また、パートタイム労働者の比率やその増減は、企業の人件費戦略や労働生産性に影響を与える要因となり得ます。
採用担当者にとっては、これらのデータを踏まえたうえで、自社の雇用状況が業界平均と比較してどうであるのかを把握し、戦略的な人材確保・維持のための判断材料とすることが求められます。特に今後の採用活動においては、離職率の抑制と長期的な定着を実現するための施策が一層重要となります。入職率や離職率の推移は、企業の職場環境に対する信頼性や、労働者にとっての魅力にもつながる要素であるため、数値として可視化されることの意味は非常に大きいものです。
この記事の要点
- 労働者総数は5,182.8万人で前年同月比1.4%の増加
- パートタイム労働者比率は31.12%で前年比0.35ポイント上昇
- 入職率は1.77%、離職率は1.63%で入職超過の状態を維持
- 建設業では労働者数が2,599万人、入職率1.21%、離職率1.07%
- 製造業は労働者数7,686万人で、入職率より離職率が高い離職超過の状態
- 電気・ガス業の離職率は3.18%で、前年比1.04ポイントの上昇
- 鉱業・採石業では入職率・離職率ともに上昇し、労働移動が活発
- パートタイム比率の急増業種では柔軟な雇用形態の導入が進展
- 企業は業種別の異動率を参考に、採用・定着施策を見直す必要がある
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ