2025年9月24日
労務・人事ニュース
電気・ガス業の給与62万6177円、特別給与は前年比337.2%増の大幅上昇(令和7年7月速報分)
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毎月勤労統計調査 令和7年7月分結果速報 月間現金給与額(厚労省)
この記事の概要
令和7年7月分の毎月勤労統計調査によると、全産業平均の月間現金給与総額は419,668円で、前年同月比4.1%の増加となりました。なかでも電気・ガス業では月給が626,177円に達し、特別給与の前年比は337.2%と大幅な伸びを示しています。産業別に見ると、製造業、建設業でも高水準の給与増が確認されており、賃金上昇の広がりが伺えます。
2025年7月に実施された毎月勤労統計調査の速報結果によれば、産業別における現金給与額に明確な増加傾向が見られ、特に生活インフラを支える業種や建設、製造業において顕著な伸びが確認されました。全産業を通じた平均の月間現金給与総額は419,668円であり、前年同月比では4.1%の上昇となっています。この結果は、賃上げの流れが幅広い業種で継続していることを示しており、経済全体における労働者の所得環境が改善しつつあることを裏付けるものです。
なかでも注目すべきは、電気・ガス業の給与水準の高さです。電気・ガス業では月間の現金給与総額が626,177円に達しており、前年同月比では25.5%もの上昇を記録しています。この水準は調査対象となった全産業のなかでも最高値となっており、特別に支払われた給与、すなわち賞与や一時金などの大幅な増加が全体を押し上げる要因となっています。特別給与の額は130,203円で、前年比337.2%という異例の伸び率を示しており、業界の収益構造が大きく改善されたことが強く示唆されます。
また、建設業や製造業においても高い給与水準が続いています。建設業の月間現金給与総額は600,505円で、前年比10.5%の増加です。これは住宅や公共インフラの再整備が進むなかで労働力確保の必要性が高まっていること、さらには技能者に対する報酬の見直しが進んでいる背景も影響していると考えられます。特別給与は229,894円で、前年比27.2%の増加となっており、賞与の引き上げも顕著に現れています。所定外給与、いわゆる残業代なども26,486円と前年同月比で12.6%増加しており、業務量の増大に伴う労働時間の増加がうかがえます。
製造業においては、月間現金給与総額が602,348円で、前年同月比で4.8%の増加を記録しました。きまって支給される給与(定期給与)も341,104円と前年比4.3%の上昇であり、基本給や家族手当の底上げが進んでいることが分かります。所定内給与が308,735円、所定外給与が32,369円となっており、どちらも安定した増加傾向にあります。特別給与についても前年比5.7%の増加となっており、業績連動型の報酬体系が機能していることが読み取れます。
一方、鉱業・採石業等の産業では、月間現金給与総額は537,100円と全体平均を大きく上回っており、前年比では9.3%の増加となりました。この業種では特別給与が187,758円に達しており、前年比25.3%の上昇です。また、所定内給与は324,360円、所定外給与は24,982円と、労働の対価として安定した水準を維持しています。人材不足の深刻化や、労働環境の厳しさを背景とした待遇改善の努力が、数値に如実に反映されているといえます。
産業横断的に見た場合、全体の平均きまって支給する給与(定期給与)は291,050円で、前年比2.6%の増加、所定内給与は270,827円で前年比2.5%の上昇となっています。特別給与は128,618円と、前年同月比で7.9%の増加を記録しました。所定外給与については、全体で20,223円となっており、前年比3.3%の増加です。これらの数字は、企業が基本的な報酬体系の見直しを進めるとともに、成果や労働量に応じたインセンティブ制度の強化を行っている傾向を示しています。
このような賃金の上昇傾向は、単なる物価上昇への対応策にとどまらず、人材確保や定着率の向上、モチベーションの維持向上など、経営上の重要な戦略的要素ともなっています。特に近年では、従業員満足度の向上が生産性や顧客満足度に直結するという認識が広まりつつあり、給与水準の見直しが企業価値の向上にもつながるという視点が浸透してきています。
採用市場においても、このような産業別給与データは重要な判断材料となります。たとえば、求職者が希望する業界の平均給与水準を把握することは、企業選びの際の重要な基準になりますし、企業側にとっても、自社の給与水準が業界内で競争力を保っているかどうかを確認する指標になります。特に新卒採用や中途採用において、応募者の期待と企業の提示条件が一致するかどうかが、採用成功の鍵を握る要素となってきます。
今後も厚生労働省の統計データを注視しつつ、各企業が自社の人事・報酬制度を客観的に見直すことが、優秀な人材を確保するうえで不可欠であるといえるでしょう。給与水準の定点観測は、経済情勢の変化に対応するための有効なツールであり、経営戦略の一環として活用すべきです。
この記事の要点
- 全産業の平均月間現金給与総額は419,668円で前年比4.1%増
- 電気・ガス業の給与は626,177円で特別給与は前年比337.2%の大幅増
- 建設業の給与は600,505円、特別給与は229,894円で前年比27.2%増
- 製造業の給与は602,348円で、きまって支給される給与も堅調に増加
- 鉱業・採石業の給与は537,100円、特別給与は187,758円で前年比25.3%増
- 所定外給与は全産業平均で20,223円、前年比3.3%の上昇
- 基本給や残業代だけでなく賞与の増加が全体の賃金上昇をけん引
- 企業は報酬体系の見直しを通じて人材確保とモチベーション向上を図っている
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ