2025年9月21日
労務・人事ニュース
令和7年7月 鹿児島県の有効求人倍率1.07倍に減少、求人減と求職増で雇用情勢が変化
- 「夜勤なし」/助産師/産婦人科/クリニック/オンコールなし
最終更新: 2025年9月20日 23:02
- 「駅チカ」/正看護師/整形外科/外科/クリニック/夜勤なし
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鹿児島労働局定例記者会見資料 令和7年8月分(鹿児島労働局)
この記事の概要
鹿児島労働局が令和7年7月分の雇用失業情勢を発表し、有効求人倍率は1.07倍となり前月から0.01ポイントの減少が確認されました。求人数は2か月連続で減少する一方、求職者数は3か月連続で増加しており、労働市場における需給バランスが緩やかに変化しています。
鹿児島県内における雇用情勢について、鹿児島労働局が令和7年8月29日に発表したデータによれば、令和7年7月時点の有効求人倍率は1.07倍となりました。この数値は前月から0.01ポイントの微減で、求人数が前月比0.4%減の36,392人、求職者数が同0.8%増の34,097人と、求人の減少と求職者の増加が同時に進んでいる状況が浮かび上がっています。これは2か月連続での求人数の減少と、3か月連続での求職者数の増加であり、徐々に労働市場のバランスが求職者優位へと傾いていることを意味しています。
全国と比較すると、鹿児島県の有効求人倍率は38番目で、九州7県中では佐賀、大分、宮崎、熊本、福岡、長崎に次いで7番目に位置しています。全国平均は1.22倍で前月と同率であるのに対し、鹿児島では下回る水準が続いており、地域的な雇用環境の格差が明確に表れています。また、就業地別で見ると、鹿児島県の有効求人倍率は1.16倍とされ、前月比で0.02ポイント減少しています。これは、求人を受理した場所と実際の就業地での集計結果を分けて評価するため、より現実に即した雇用状況の把握が可能となる指標です。
新規求人の動きに関しても、減少傾向が顕著です。新規求人倍率は1.85倍で、前月から0.02ポイント減となり、これで4か月連続の低下となりました。新規求人数は前年同月比で9.3%減少の12,944人と大幅に減っており、特に製造業や建設業といった基幹産業において14%台の減少率が見られました。さらに、宿泊業・飲食サービス業では38.2%という非常に大きな減少が確認されており、物価高や観光需要の変動、慢性的な人手不足などが影響を与えていると考えられます。
その一方で、新規求人数が増加した業種も存在します。とくに「サービス業(他に分類されないもの)」では19.1%の増加が見られ、独自の業態や柔軟な雇用形態によって、労働力の確保に成功しているケースもあるようです。ただし、卸売業・小売業は28.7%の減少、医療・福祉業も7.4%減少しており、地域の生活を支える基幹産業においても人材確保の難しさが続いています。
また、新規求職申込件数は前年同月比で1.5%減の6,335件と、こちらも2か月ぶりの減少となっています。これは求職者の動きが一部鈍化していることを示唆しており、雇用主側にとっては、即戦力となる人材を確保する難しさが一層増していると考えられます。
このように、鹿児島県の雇用環境は一見すると求人が求職を上回っているものの、実際には求人減少と求職増加の傾向が同時に進んでいるため、今後の雇用政策や企業の採用戦略においては、より的確で柔軟な対応が求められます。特に人材が集まりにくい業種では、働きやすい職場環境の整備や待遇改善が急務であり、地域の特性を踏まえた持続可能な雇用体制の構築が重要となるでしょう。
この記事の要点
- 鹿児島県の有効求人倍率は1.07倍で前月から0.01ポイント減少
- 有効求人数は36,392人で前月比0.4%の減少、2か月連続の減少
- 有効求職者数は34,097人で前月比0.8%増加、3か月連続の増加
- 全国平均の1.22倍に対し鹿児島県は38番目、九州では7番目
- 新規求人倍率は1.85倍で4か月連続の低下、新規求人数は9.3%減の12,944人
- 宿泊業・飲食サービス業の新規求人は38.2%減と大幅に落ち込む
- 製造業と建設業の新規求人もそれぞれ14%台の減少
- 新規求職申込件数は6,335件で前年同月比1.5%減少
⇒ 詳しくは鹿児島労働局のWEBサイトへ