2025年9月19日
労務・人事ニュース
滋賀県の有効求人倍率1.06倍に上昇、令和7年7月 雇用市場の回復が続く
- 一般病院の看護師/日勤常勤
最終更新: 2025年9月18日 23:00
- 「駅チカ」/准看護師/介護施設/夜勤なし
最終更新: 2025年9月18日 23:05
- 「高給与」/正看護師/内科/精神科/精神科病院/病院
最終更新: 2025年9月18日 23:05
- 「夜勤なし」/准看護師/有料老人ホーム/デイサービス/介護施設/残業ありません
最終更新: 2025年9月18日 23:05
一般職業紹介状況(令和7年7月分)について(滋賀労働局)
この記事の概要
滋賀県における令和7年7月の雇用統計が発表され、有効求人倍率は1.06倍となり、2か月連続で上昇しました。新規求人も増加傾向にあり、県内の雇用情勢には持ち直しの動きが見られます。本記事では、滋賀労働局のデータをもとに、企業の採用活動において注目すべき最新の求人・求職状況を丁寧に解説します。
滋賀労働局が公表した令和7年7月分の一般職業紹介状況によると、県内の有効求人倍率は1.06倍となり、前月から0.03ポイント上昇しました。これで2か月連続の上昇となり、県内の雇用市場において徐々に改善の兆しが見られることを示しています。特に有効求人数が22,913人と、前月から2.5%(553人)増加しており、これは4か月連続での増加という結果です。一方、有効求職者数は21,565人で、前月比では0.4%(86人)の減少となり、求人数の増加幅が上回ったことが倍率の上昇につながっています。
新規求人についても堅調な動きが続いており、新規求人数は8,481人で前月から4.4%(361人)増加し、これも4か月連続での増加です。ただし、新規求人倍率は1.87倍と前月比で0.01ポイント低下しており、これは3か月ぶりの減少となりました。とはいえ、依然として高い水準を保っており、企業側の新規採用意欲は継続しているとみられます。
産業別に見てみると、新規求人の動きには明暗が分かれています。増加が見られた業種では、学術研究・専門・技術サービス業が33.9%増、宿泊業・飲食サービス業が39.7%増、生活関連サービス業・娯楽業が44.2%増、その他サービス業が17.1%増と、いずれも大幅な伸びを示しています。これは、観光業やサービス業を中心に人手不足への対応や営業再開に伴う採用が進んでいることを反映しています。特に飲食・宿泊業における求人増加は、観光需要の回復が背景にあると考えられ、今後の採用市場においても注目すべきポイントとなります。
一方、減少が確認された業種には、建設業が15.2%減、製造業が3.8%減、情報通信業が10.0%減、運輸業・郵便業が6.6%減、卸売業・小売業が5.8%減、教育・学習支援業が32.2%減、医療・福祉分野も2.8%減と、複数の産業で求人が縮小傾向にあります。これらの業種では、コスト上昇や先行き不透明感が採用意欲に影響している可能性があります。特に医療・福祉分野での求人減少は、慢性的な人手不足が続く中での懸念材料とも言え、業界全体の働き方改革や待遇改善が求められる局面です。
求職者側の動向をみると、有効求職者数が減少に転じた一方で、新規求職者数は4,539人となり、前月比4.9%(210人)の増加を記録しました。これは3か月ぶりの増加となり、就職・転職活動を新たに始める人が増えていることを示しています。景気の回復を背景に、よりよい条件を求める動きや、キャリアチェンジへの意欲が高まっている可能性があります。企業にとっては、このタイミングで求人条件や採用手法の見直しを行うことで、優秀な人材の確保につなげることができるでしょう。
また、正社員の有効求人倍率(原数値)は0.79倍となり、前年同月より0.05ポイントの上昇を見せ、これで9か月連続の上昇となっています。正社員雇用に対するニーズが安定的に続いていることを示すものであり、企業にとっては長期的な人材育成や定着率向上に向けた取り組みが引き続き重要です。非正規雇用に頼るだけでなく、正規雇用による組織基盤の強化を進めることが、持続的な成長への鍵となるでしょう。
さらに、近年ではハローワークインターネットサービスの利便性向上が進んでおり、令和3年9月以降は来所せずに求職登録や求人応募が可能になっています。これにより、企業と求職者がオンライン上で効率的に接点を持つことができ、採用活動のスピードと質の両面で変化が生まれています。こうしたデジタル環境の変化に柔軟に対応し、迅速かつ的確な情報発信を行うことが、今後の採用活動において競争力を高める重要な要素となるはずです。
滋賀県の雇用環境は、全体としては緩やかに持ち直しているものの、業種による求人動向の差異や物価上昇の影響など、今後も注視すべき要素は多く残されています。企業にとっては、こうした変化を敏感に捉え、的確な人材戦略を立てることが求められています。特に採用難が続く中では、他社との差別化を図る柔軟な働き方や福利厚生制度の充実も検討すべき課題となります。
この記事の要点
- 有効求人倍率は1.06倍で2か月連続の上昇
- 有効求人数は22,913人で前月比2.5%の増加
- 新規求人数は8,481人で前月比4.4%増加し4か月連続の増加
- 新規求人倍率は1.87倍で3か月ぶりの低下も高水準を維持
- 新規求職者数は4,539人で3か月ぶりに増加
- 正社員有効求人倍率は0.79倍で9か月連続の上昇
- 観光・サービス業で求人大幅増、建設や医療業界では減少傾向
- オンラインでの求職登録が採用活動の新たな主軸に
⇒ 詳しくは滋賀労働局のWEBサイトへ