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2025年9月17日

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福島県の有効求人倍率1.28倍、令和7年7月 求人が求職を上回るもわずかに減少傾向

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令和7年7月分 最近の雇用失業情勢(福島労働局)


この記事の概要

福島労働局が公表した令和7年7月の雇用統計によると、有効求人倍率は1.28倍となり、前月からわずかに0.02ポイント減少しました。依然として求人が求職を上回る状況は続いており、一部に持ち直しの兆しが見られます。産業別では製造業やサービス業で求人が増加した一方、建設業や医療・福祉では減少が見られ、業種間での動向の違いが明確に現れています。


福島労働局が令和7年8月29日に発表した最新の雇用統計によると、令和7年7月における福島県内の有効求人倍率(季節調整値)は1.28倍となり、前月の1.30倍から0.02ポイント低下しました。この数値は56カ月連続で1.2倍を超える水準を維持しており、長期にわたり求人が求職者数を上回る、いわゆる売り手市場が続いていることを示しています。求人数が求職者数を上回っている状況は、労働市場における人材不足の一端を反映しており、とりわけ人手が確保しにくい地域や業種では、企業の採用活動における競争がさらに激化していると考えられます。

有効求人数は37,225人で、前月比1.2%減となり、これで2カ月連続の減少です。対して有効求職者数は29,071人で、前月とほぼ同数でした。これにより求人倍率の低下につながった形です。特筆すべきは正社員の有効求人倍率が1.05倍(原数値)となり、前年同月よりも0.05ポイント上昇している点です。これは、企業側が安定的な雇用を志向しており、フルタイム・正社員での採用意欲が高いことを意味しています。

また、産業別に見ると、新規求人数は全体で13,481人と前年同月比で1.2%増加しており、2カ月連続で前年同月を上回る結果となりました。製造業では1,762人の新規求人があり、前年同月比で9.9%増加、宿泊業・飲食サービス業でも1,155人の求人があり、18.1%の大幅な増加となっています。サービス業全体では16.9%増加しており、コロナ禍以降の人手不足に対応する形で採用を強化する動きが続いています。

一方、卸売業・小売業では前年同月比32.3%減となり、求人が大幅に減少しています。この傾向は、消費者行動の変化や人件費上昇、業界構造の変化による人員見直しなどが要因として考えられます。また、医療・福祉分野でも2,882人の新規求人がありましたが、前年同月より1.1%減少しています。介護や医療の現場で依然として人手不足が続いている中でのこの減少は、求職者とのミスマッチが課題であることを示唆しています。

業種別では、正社員求人に占める割合にも特徴が見られます。建設業では求人のうち約84.6%が正社員求人であり、安定した雇用形態が求められていることが分かります。製造業では66.9%が正社員、運輸業では73.6%、サービス業では27.8%にとどまっており、業種によって正社員比率に大きな差があることが分かります。正社員求人が多い業種では、定着率や技術継承の観点からも長期雇用が重視されていると見られます。

また、新規求人のうち最も多かったのは医療・福祉分野で、全体の21.4%を占めています。サービス業が17.5%、建設業が13.3%、製造業が13.1%と続きました。中でも、製造業のうち食料品製造では前年比25.6%増、情報通信機械器具では48.1%増と大幅な伸びが見られます。これは、地場産業の活性化やデジタル技術の進展に伴う人材需要の高まりが影響していると考えられます。反対に、電子部品・デバイス分野では求人が前年より53.3%も減少しており、業界ごとに動向が二極化しています。

企業規模別に見ると、従業員数29人以下の小規模事業所による新規求人が9,111人と全体の67.6%を占めており、中小企業が地域雇用を支えている実態が浮かび上がります。これは、地域密着型の企業が多い福島県の産業構造の特徴を反映しており、採用活動の現場では大企業と比べて限られたリソースの中で人材確保に奮闘している様子がうかがえます。

今月の福島県内の雇用情勢全体としては、求人が求職を上回る状態が続いており、特に正社員求人の増加が注目されます。一方で、業種間の格差や地域による求人倍率のばらつきも依然として存在しており、企業側としては採用戦略を地域や業種の特性に応じて最適化する必要があります。さらに、求人情報の見せ方や待遇の明示、柔軟な働き方の提案など、求職者に対するアプローチの工夫も求められています。

こうした中で、福島労働局は「求人が求職を上回って推移しており、一部に持ち直しの動きがみられる」との判断を示しています。これは、全体としての雇用環境が緩やかに回復基調にあることを意味しており、今後の動向に引き続き注視が必要です。

この記事の要点

  • 令和7年7月の福島県の有効求人倍率は1.28倍で前月比0.02ポイント低下
  • 求人が求職を上回る売り手市場が56カ月連続で継続
  • 正社員有効求人倍率は1.05倍で前年同月比0.05ポイント上昇
  • 新規求人数は13,481人で前年同月比1.2%増、2カ月連続の増加
  • 製造業と宿泊・飲食業、サービス業で求人が増加傾向
  • 卸売・小売業と医療・福祉では求人が減少し、業種間で動向に違い
  • 小規模事業所による求人が全体の67.6%を占め、中小企業が雇用を支える構図
  • 求職者数は29,071人で前月から横ばい、求人数減が倍率低下の要因に

⇒ 詳しくは福島労働局のWEBサイトへ

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