2025年9月16日
労務・人事ニュース
岩手県の令和7年7月 有効求人倍率が1.15倍に低下、求人24,636人で求職者増加に影響
- 北九州エリア/クリニック/正看護師・准看護師/非常勤のお仕事/残業なし/即日勤務可
最終更新: 2025年9月16日 01:02
- 訪問看護業務/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年9月15日 09:35
- 注目の訪問看護業務大手法人の求人/車通勤可/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年9月16日 01:02
- 常勤・医療業界の看護師/残業なし/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年9月16日 01:02
岩手県内の一般職業紹介状況(令和7年7月分)について(岩手労働局)
この記事の概要
岩手労働局が令和7年7月の一般職業紹介状況を公表し、県内の有効求人倍率は1.15倍で、前月から0.04ポイント低下しました。新規求人倍率も1.69倍となり、2か月ぶりに前月を下回りました。求人数の減少により、雇用情勢には弱さが残るものの、下げ止まりの兆しも見られています。
令和7年7月における岩手県内の一般職業紹介状況が厚生労働省岩手労働局より公表されました。それによると、全体としての雇用情勢には依然として厳しさがあるものの、下げ止まりの兆しも見えつつあるという状況が浮かび上がっています。物価上昇や先行き不透明な経済環境が続く中で、企業の求人活動と求職者の動きの双方に慎重さが見られ、雇用市場は静かな転換期を迎えている印象です。
まず、有効求人倍率については、令和7年7月時点で1.15倍となり、前月の1.19倍から0.04ポイント低下しました。この値は、求職者1人に対して1.15件の求人があることを示しており、全国平均と比べるとやや控えめな水準にとどまっています。実数では、有効求人数が24,636人、有効求職者数が21,350人となり、求人数は前月比で476人(1.9%)減少した一方、求職者数は230人(1.1%)増加しました。前年同月と比較しても求人は632人減少、求職者は67人増加しており、需給バランスはやや求職者側に傾いています。
新規求人の動向も注目されます。7月の新規求人数は8,448人で、前月の9,086人から638人、率にして7.0%の減少となりました。前年同月と比較しても453人減少しており、新規の求人活動が鈍化している実態が明らかです。これにより新規求人倍率も1.69倍となり、前月の1.88倍から0.19ポイント下がる結果となりました。この数値は2か月ぶりの低下であり、企業の採用意欲に一服感が生じていることを物語っています。
一方で、新規求職者数は5,011人で、前月の4,840人から171人(3.5%)の増加、前年同月比でも107人(2.2%)の増加となりました。夏季の転職活動や雇用契約終了に伴う新たな求職の動きが活発化していることが背景にあると考えられます。求職者の動きが活発化する中で、企業側の求人が減少していることは、マッチングの難しさを高める要因となっており、雇用政策としても対応が求められています。
このような状況の中、岩手労働局では「県内の雇用情勢には弱さがあるものの、下げ止まりの兆しが見られる」との基調判断を示しています。これは、長期的に見て雇用環境の悪化が歯止めの段階に入りつつあることを意味しており、今後の改善に向けた動きが期待される局面にあると言えます。ただし、同時に「物価上昇等が雇用に与える影響には引き続き注意が必要」とのコメントも添えられており、景気の先行きが不透明な中で、持続可能な雇用の確保が今後の大きな課題となります。
求人の内容にも変化が見られます。特に人手不足が顕著な医療・介護分野や建設業などでは、依然として一定の採用ニーズが存在している一方で、卸売・小売業や宿泊・飲食サービス業など消費動向に左右されやすい業種では、求人活動の慎重化が進んでいるようです。これは、消費者マインドの停滞や、物価上昇による生活コストの上昇が家計に影響を及ぼし、業績に不安を抱える企業が採用に慎重になっているためです。
また、岩手県においては少子高齢化が進行し、地域ごとの人口動態にも大きな違いがあることから、求人の地域偏在も見受けられます。都市部では比較的求人が多い傾向にありますが、地方では求人の絶対数が限られており、求職者とのミスマッチが課題となっています。この課題を解決するためには、ハローワークの職業紹介機能の強化に加え、オンラインを活用した求人情報の提供や、UIターンを支援する施策の充実が重要となります。
ハローワークインターネットサービスの機能拡充が進んでおり、来所せずとも求職登録や求人応募が可能となったことは、求職者にとって利便性の向上につながっています。令和3年9月以降は、オンラインで登録された求職者や、求人に直接応募した実績も統計に反映されており、今後の雇用施策を考えるうえでも、こうしたデジタル活用の実態把握が重要になっています。特に若年層の中には、対面よりもオンラインでの情報収集や応募を好む傾向が強まっており、求職者層の多様化に対応する必要があります。
さらに、求職者にとっては単に職を見つけるだけでなく、安心して長く働ける環境が求められています。そのため、企業側としても採用時に労働条件や職場環境についての情報を正確かつ分かりやすく提示することが不可欠です。加えて、入職後のフォロー体制やキャリアパスの提示なども、離職率の低下と人材定着に向けた有効な手段となるでしょう。
総じて、岩手県における令和7年7月の雇用情勢は、求人の減少と求職者の増加が同時に進行する中で、有効求人倍率が低下し、雇用市場にやや冷え込みが見られるものの、全体としては弱さに下げ止まりの兆候も見られる段階にあります。こうした状況を打開するには、労働市場の柔軟性と多様性を活かしながら、官民一体での雇用創出・維持への取り組みが一層重要になってくるでしょう。
この記事の要点
- 岩手県の有効求人倍率は1.15倍で前月より0.04ポイント低下
- 新規求人倍率は1.69倍で前月より0.19ポイント減、2か月ぶりの下落
- 新規求人数は8,448人で前月比7.0%の減少、前年同月比でも減少傾向
- 有効求人数は24,636人、有効求職者数は21,350人で求職者が増加傾向
- 新規求職者数は5,011人で前年同月比2.2%の増加、求職活動が活発化
- 求人内容には業種間でバラつきがあり、消費関連業種で採用抑制傾向
- ハローワークのデジタル活用が進み、オンラインでの求職が拡大
- 雇用環境には下げ止まりの兆しがあるが、物価上昇の影響に引き続き注意
⇒ 詳しくは岩手労働局のWEBサイトへ