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2025年9月16日

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令和8年3月卒予定 岩手県の新規高卒求人が5,149人に減少、前年比6.3%減で雇用動向に変化(令和7年7月末日現在)

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令和8年3月新規高等学校卒業予定者対象求人受理状況(令和7年7月末日現在)(岩手労働局)


この記事の概要

岩手労働局が発表した令和8年3月新規高等学校卒業予定者に対する求人受理状況によると、令和7年7月末時点での求人数は5,149人となり、前年同期比で348人、率にして6.3%の減少となりました。特に製造業や卸売・小売業、宿泊業などの業種で減少が目立ち、求人倍率も前年同期より低下しました。


岩手労働局は、令和8年3月に新規高等学校卒業を予定している生徒を対象とした求人の受理状況を、令和7年7月末時点で取りまとめ公表しました。その結果、県内全体での求人数は5,149人となり、前年同期と比べて348人、率にして6.3%の減少という結果となりました。この求人数は、過去10年間で6番目に多い水準ではありますが、前年と比較して後退が見られたことは雇用環境に一定の変化が生じていることを示しています。

業種別に見ると、製造業の求人は1,882人で最も多く、次いで建設業が1,089人、卸売・小売業が585人と続いています。製造業の中では輸送用機械器具製造業が286人、電子部品・デバイス・電子回路製造業が250人と、求人規模の大きさが際立っていました。一方で、食料品製造業では前年同期比14.2%の減少、電子部品分野では12.3%の減少と、主要分野でも求人縮小の傾向が見受けられました。

特に減少が顕著だったのは宿泊・飲食サービス業で、求人総数は215人にとどまり、前年同期比で25.3%の減少となっています。さらにその内訳を見ると、宿泊業は32.9%減、飲食サービス業も14.4%減となっており、観光需要の本格回復がまだ道半ばであることや、インバウンドの地域偏重といった要因が背景にあると考えられます。

県内の求職者数は2,132人で、前年同期比では32人(1.5%)の減少となっています。県内在住の求職者は1,685人で、こちらは逆に21人(1.3%)の増加となっており、求職活動への関心がわずかに高まっている様子もうかがえます。県内求人倍率は3.06倍で、前年同期と比べて0.24ポイントの低下となっており、求人が求職者数に対して依然として多い状況であることは維持されているものの、その差はやや縮小傾向にあります。

地域別の求人状況も興味深い動きが見られます。内陸部では盛岡が1,566人(8.3%減)、北上が692人(9.3%減)など、多くのエリアで前年同期比マイナスとなりました。一方で、水沢地区では788人と微減(0.8%減)にとどまっており、地域間で求人の動向に違いがあることがわかります。沿岸部では釜石が291人で17.3%減と大幅なマイナスでしたが、大船渡や宮古では微増が見られるなど、一様ではない変化が現れています。

また、職業別の傾向にも注目すべき点があります。技能工等に分類される職種の求人は2,927人で、全体の過半を占めています。この中でも製造・制作関連職種は2,037人と高い比率を誇り、岩手県の産業構造が製造業中心であることが再認識される結果となりました。対照的に、事務職は413人で前年同期比1.9%の減少、販売職は332人で13.5%の減少と、オフィス業務系の求人が縮小傾向にあります。

企業規模別に見ると、従業員数29人以下の小規模事業者からの求人が1,698人で全体の約33%を占めており、特に地方部においては小規模企業が地元の雇用を支えている実情が浮かび上がっています。一方、1,000人以上の大企業による求人は304人で、前年同期比14.4%の大幅減となっており、大手企業における新卒高卒者採用の抑制傾向も明らかです。

このような状況を踏まえ、岩手労働局および各ハローワークでは、高校生の適職選択を支援する取り組みを引き続き強化しています。選考開始前には、企業情報の提供や就職ガイダンスの開催を通じて、生徒が自分に合った職業を見つけられるようサポートを行っています。また、選考開始後は、高校と就職支援ナビゲーターとの連携により、生徒一人ひとりが卒業までに希望する職に就けるよう、個別支援を中心とした対策も講じられています。

採用スケジュールとしては、令和7年9月5日から企業への応募書類提出が始まり、9月16日から選考がスタートします。この短い期間でのマッチングが求められる中、事前の準備と双方の理解促進が極めて重要です。企業側としても、ただ求人を出すだけでなく、職場の魅力を丁寧に伝え、若者に安心感を与えるような採用活動が求められています。

岩手県の雇用情勢は、全体としては製造業を中心に一定の求人需要が維持されているものの、業種間や地域間での格差、そして中小企業と大企業の採用戦略の違いなど、複雑な構造が存在しています。今後の課題としては、人口減少や若年層の県外流出といった長期的要因に対して、地域に根差した雇用創出の取り組みが一層求められることになるでしょう。

この記事の要点

  • 令和8年3月卒対象の求人は5,149人で前年同期比6.3%の減少
  • 製造業が1,882人と最多も一部業種で大幅減少
  • 宿泊業は32.9%減、飲食サービス業は14.4%減と観光業の回復に遅れ
  • 求職者数は2,132人で前年から1.5%減、県内求職者は1.3%増加
  • 求人倍率は3.06倍で前年から0.24ポイント低下
  • 技能工系職種の求人が全体の半数以上を占める
  • 従業員29人以下の企業からの求人が1,698人と最多
  • 1,000人以上の企業からの求人は304人で前年同期比14.4%減少

⇒ 詳しくは岩手労働局のWEBサイトへ

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